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紙の本
みんな大好き、自虐ネタ。
2006/10/16 21:10
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人は昔から日本人論が好きである。特に海外からの日本人論には敏感だ。このジョーク集もその一つと言っていいだろう。
確かに、ステレオタイプは誤りを含むことが多い。しかし、そのようなステレオタイプが存在すること、本国以外ではそのステレオタイプを信じている人が多いことは、認識する必要がある。また、著者は「ジョークは時代の雰囲気や空気に反応しながらそのカタチを変えていく」(p.237)と書いているが、国民性自体も変化していることを感じさせられた。
たとえば、最初の「不良品」のジョークなどは、最近頻発するリコール騒ぎからすると寂しい方向に日本が変化していると感じさせられるし、日本の女性に関するジョークも今は昔の感が否めない。(下半身を扱ったジョークが割と多いのには少し閉口した。)ジャパニメーションに関しては、知ってはいたがここまですごいのかと思わされた。個人的に一番気に入ったのは、「軍隊比較」で、一番あり得ないと思ったのは、「空手」だった。
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどの欧米先進国で生活経験のある日本人による日本人論が出版されてきた。そのなかには日本社会に対する批判がもともとあり、それを移住国と比べ引き合いに出すことで、私論を補強する形になっていて、どうしても欧米礼賛に感じられることが多い。その点、この作者はルーマニアを中心に東欧や中近東などいままで扱われることの少なかった地域での生活経験を基にしているので新鮮だったし、自虐ネタばかりではないので好感が持てた。
紙の本
「紛争地域」では,ジョークなしではやってられないという状況
2008/08/18 23:49
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は愛知県(1973年)生まれ。愛知県立岡崎北高等学校,帝京大学文学部心理学科卒。ルポライター。本新書シリーズでは,『世界の紛争地ジョーク集』と『世界の反米ジョーク集』に続く第三弾。手許のは15ヶ月で27刷という驚異的な売行きを証明する数字が! なるほど三冊も出させてもらえるわけだ。
第一章 ハイテク国家像 クルマからアイボまで
第二章 お金持ちの国 バブルそして崩壊へ
第三章 勤勉な人々 会社人間・カロウシ
第四章 日本人的アイデンティティ 集団行動・笑わないなど
第五章 神秘の国ニッポン 風習・宗教・衣食住など
第六章 歴史・政治・外交 アメリカ&中国との関係
第七章 世界で活躍する日本人アスリートたち スモウからイチローまで
第八章 新たなるニッポン像 世界を席巻する日本のマンガ&アニメ
べつに「ヒトやモノのグローバリズムが急激に進展していく大きなうねりの中で,日本人は,『自分たちは世界からどう見られているのか』という問いかけを,それまで以上に強く抱くようになった」(著者あとがき,237頁)とは,僕は思わない。しかし,著者が言う「世界」とはおもに「紛争地域」(ルーマニア,ボスニア・ヘルツェゴビナ,コソヴォ自治州など)であり,ジョークなしではやってられないという状況は僕にも推察できるし,自分たちの戦争の大きな背後にはあのクソったれのアメリカ合衆国がいるという認識があることも(『世界の反米ジョーク集』),納得できる。しかも,日本人を自虐的なまでに貶めるジョークがあんまり載せられていないところに著者(と編集者?)の配慮を感じる。
知っているネタもあったが,本書の殆どは僕の人生で初出のジョークだった。ついでに買った新書だったが,楽しませていただいた。(678字)
紙の本
日本人の特殊性を知る。
2008/12/23 22:42
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界の日本人ジョーク集 早坂隆 中公新書ラクレ
「国家の品格」のあとに読みました。偶然以前読んだことがある「武士道」新渡戸稲造著が国家の品格とこの本の両者で紹介されています。
笑いがほしくて読んだのですが、だんだん嫌味な部分が多くなってきて、なかなか読み進まなくなってきました。ジョークの合間に作者の解説があるのですが、これがよかったりつまらなかったりでムラがあります。とはいえ他に類のない貴重な本です。ジョークのネタになっている日本人は海外へ行けるごく一部の日本人像です。すべての日本人だとは思いませんが、私はこの本で日本人の特殊性を知りました。
紙の本
読んで笑える本ではあります。
2006/10/27 19:12
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くろみみずく - この投稿者のレビュー一覧を見る
なかなか面白いし、読んでいて楽しいし、何より、読みやすいのがよいと思いました。
掲載されているジョークを読むと、日本人の一面がちゃんと出ているものもあれば、かなり誤解されているものもあり、いろいろです。ですが、たとえ誤解されているジョークでも、笑えることは笑えるんです。
どうもアメリカ人はどんな感じ、イギリス人はこういう感じと、国際的には国民性に関するイメージがある程度固定されているようですが、日本人に関してもある一定のイメージがあるようです。それが正しいかどうかは別にして、日本人もそれだけ国際社会で認知されている証拠なのであろうと感じています。
通勤電車の中で読むには良い本だと思います。