紙の本
列島と半島との懸け橋となってきた島
2023/03/16 19:59
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和の国民作家とも呼ばれることもある
著者による、かの「街道物」の
第十三冊です。
本書の舞台は壱岐と対馬です。
宗氏の来歴や、対馬が朝鮮から
米を得ていた経緯など、
興味津々の話題が次から次へと。
紙の本
とてもためになった
2018/09/15 17:32
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投稿者:井沢ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
1977年11月、今から41年前の壱岐・対馬を視察して書いた歴史紀行文。太古の昔、弥生時代以降、文明が韓国からかなりの部分伝来してきたことで、その途上にあるこれらの島は当時先進地域だったこと。そして壱岐は古神道の国で、当時の科学であった卜占を行う人が多く、大和朝廷が出身者をその職として起用していた。中臣や伊豆もその流れを汲んでいるのは意外であった。また、農業向きの平地が多い豊かな壱岐と山岳ばかりで農業が向いていない厳しい環境の対馬では島人の人格が違っていることも興味を引いた。さらに唐人など異国の遺体や物が流れ着いたものを有難がって神社にしてしまうことや、神籬を山とする神道そのものの宗教的特徴が中国の殷や周、モンゴル方面にもあり日本独自ではないことも衝撃を受けた。とても勉強になり、司馬遼太郎、福田定一さんのすごさには敬服する。一度は訪問してみたくなる。
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朝鮮との接点に位置する壱岐・対馬は、異文化交流の文物や建物が残されているのではと期待しました。しかしながら、例えば対馬などは島の大半が山林に覆われ、田畑無く、道なく、貧しい漁村でした。交流も朝鮮の人が来たというより、釜山の倭館に出向いたようです。遺跡も乏しく、司馬さんの筆を持ってしても感興が湧きませんでした。
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韓国からかえってきたところだったので、対岸の対馬についても思うところがあった。
古朝鮮王、麻立干についての考察、ハンだったのではないかには脱帽。そうなのかもしれない。
やはり朝鮮ももともとは北アジアの範囲なのだ。
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「対馬は朝鮮領だと李大統領はいっている」まわりの者はみな大声をあげて笑った・・・しかし、彼らは当時のアメリカの国務長官に対馬の領有権を主張したのである。この申し入れに対しては国務長官は対馬は「きわめて長期的にわたり日本の領土であった」(会談メモ)と簡潔に答え問題を終了している(P152参照)かっての対馬十万石の地が朝鮮領であるなどとは思ってもいなかった・・・その声明が憎むべき日本に対する隣国のブラック・ユーモアだと思っていた(P144参照)
この両国の意識のヅレは恐ろしいものがある。竹島を韓国に譲れといった山本太郎議員は、対馬も同じように考えているのだろうか、国会では一人牛歩で目立っていたがあの姿が国益に利するというのだろうか、はなはだ疑問である。
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1985年刊(底本1981年、週刊朝日初出1978年)。
対馬関連書を読む「食前酒」的な書として読破した。
地誌的観点から日朝関係を外し得ない地域だが、叙述の時代相では古代、近世(豊臣秀吉政権期を含む)と近代に偏り、中世が欠落している。
とはいえ、70年代初出ではやむを得ないか。
さて、中国以上に儒教国家性の高い半島。その儒教=典礼主義=形式主義=先例主義の強固さが、各時代の底流にある情報収集排除の頑なさという特徴を生んだとの指摘は一つの視座を持たせてくれそうだ。
他方、平戸藩随一の穀倉地帯・壹岐が該藩の植民地的存在というのも同様に意味ある指摘だろう。
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★3.5。
農耕という観点からの日本社会の考察というのは色んな人がやっているんでしょうが、漁業と対比しての考察というのは少なくとも勉の足りない当方からすると結構新鮮で面白かったです。
でも紀州・泉南地域の敬語の欠落ってそうなんですかねぇ、いまいちピンと来なかったけれども、昔の社会が消失してしまったということやもしれず、この意味で都市化・グローバル化というのは画一化と同義という議論も成り立ちうるんでしょうな。
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古代両島は鹿卜の占人を出すことになっていた。残念ながら鉄器や甲骨は発掘されたが文字が無く詳細不明だが万葉集十五巻に遣新羅使一同の歌がある。対馬(府中)藩は米が穫れず、釜山との管理貿易で利を得るという変則的藩。江戸時代初期、『海遊記』申某の尊大な態度で朝鮮通信使を迎える格式について新井白石は簡素化を図り、対立した雨森芳州は忘れられた存在となった。壱岐は平戸藩に属し米の産地で孤立農地が多いため「触れ」という独自の単位で統治され、数年毎に耕作地を交代する土地公有制。朝鮮に友情のある著者でも対馬領土主張には不快感