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紙の本
この本で過労死が減るほど立派な上司ばかりなら、問題は起こっていない。
2006/09/12 21:33
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
産業医の情報交換に寄与するという点で、この本の存在意義は認めるが、この本がベストセラーになることを、手放しで称賛する気になれなかった。部下にどう接したらよいのか悩む上司が多いことの現れなのだろう。確かに気を使ってやらないと仕事が回らない若者が職場に増え出した。上司だけではなく社員にも問題があるのが現実だ。
だから、この本を読んで最初に感じたのは、「日本人は、精神的に弱くなったな。」ということであった。このような上司の存在は以前からあったもので、今に始まったことではない。それではどこに問題があるかというと、一つはそのような人物が指導者に選ばれる社会システムである。もう一つは、子育てノイローゼにも言えることだが、家族や共同体におけるコミュニケーション不全だろう。
前者はかねてよりどの社会でも存在した問題で、常に改善が叫ばれてきたが、なかなか完全なる解決には至らない問題である。(もちろん、それを解決しようとする努力を続ける必要はある。)名選手必ずしも名監督ならずで有能な平社員が有能な管理職になるとは限らないし、いまだ情実人事は横行している。相性もあれば、立場が変わると豹変するのは人の常。しかし、以前はこの手の問題は職場内で解決が無理でも、家族や職場以外の友人のサポートで軽減あるいは解消されていたと思う。
だから、我々が現在抱えることになった問題は、個々が非常に狭い人間関係しか共有できていない(寺島実郎がいうところの)「私生活主義」に陥っていることだと思う。それに、藤原正彦が『国家の品格』などで指摘している日本のよき伝統の崩壊も関係しているだろう。そう考えると上司だけを問題にしてもよい解決に結び付かないと思うのだが、違うだろうか。
さらに、もう一点指摘をすると、部下を潰さない配慮をしている上司は、この本を読む必要がないが読む人であり、読んだほうがいい上司は手にしないだろう。意地悪な上司が手にしたとしたら、悪用される可能性もあるのではないかと懸念する。現実は甘くない。
紙の本
金融機関就職志望の理系学生諸君たちへ
2006/07/13 22:28
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:旧政府系金融機関員 - この投稿者のレビュー一覧を見る
100人の定員に対して、300人の合格者を出す大学がある。それはおそらく、過去の経験から200人近くが入校しないというデータに基づいてのことだ。
金融関係が募集する理系学生、とりわけコンピュータに詳しい情報関係や電子関係の学科を卒業した学生の入社希望者は、年々増えている。好ましいことであること自体は否定しない。
しかし思い返せば、バブルのころと似たような現象が今起こっているということを、どれだけの人が覚えているだろうか。
あのときは、単に収入がいいというだけの理由で、多くの理系学生が金融・証券関係の会社に流れて就職した。N証券はその象徴であり典型だった。半年後のボーナスは新卒で200万とも300万ともいわれた。
当時、理系の学科に籍を置いていた教職員たちは、理系学生の技術離れを嘆き、「今、われわれの教室を支えているのは、東南アジアからの優秀な留学生たちだけだ」とメディアに向かって訴えた。
時代は変わって、景気はたしかに上向いている。そして、かつてあったようなバブルの前兆があり、多くの理系の学生たちが金融、証券会社を希望している。
同じようなことが、また繰り替えされようとしているのではないか?
金融業界もデジタルのスピード化が課題となっており、優秀なSEたちを確保したいという思惑がある。
そこに、金融業界と理系学生両者の合意が成り立つというわけだ。
しかし一部の大学に見られる現象と同様、過去の経験から必要とされる数の、数倍から数十倍の学生に内定を出しているのが、われわれ業界の現状だ。
理由は単純なこと。学校とはちがって入社はするのだが、そのうちに破綻してしまうためである。
非常に優秀だった学生は、過当競争の中で、どうにか生き残れる。しかし標準的な学生たちは、いつのまにか消えている。
まさに即戦力が求められているから、即戦力にならない者たちは消えるしかない。自発的に消えるならまだいいが、倒れていなくなるケースが気になっている。
理系の学生諸君たちにぜひ知っておいて欲しいことがある。金融業界ではあらゆる業種に手を広げようとする中で、中軸となるSEたちに大いなる希望と期待を抱いているとともに、大半は「持たない」ことを想定して水増し募集しているということだ。
SEとして本当にしたいことがあるなら、目先の給与などに振り回されることなく、何がしたいのかというビジョンをまっとうしたほうがいい。
前置きが長くなったが、本書には銀行やSEの話が、さわり程度に出てくる。それはそのまま「事実」だと思ったほうがいい。
自己破産ではなく、自己破綻してまで働く意味がどこにあるか。
賢明な学生諸君に、これだけは知っておいてもらったほうがいいと考えて寄稿した次第。
紙の本
こんな上司が部下を追いつめる
2006/06/09 21:36
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オカメ八目 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この著者の勇気と、人間への温かい眼差しに痛く感じました。
今、私は、人との コミニケーションについて興味を持ち、本書を買いました。 私は、今自営で暮らしていて、サラリーマンでもアルバイトでもありません。 しかし、今、この湖の上に張った薄氷のような「豊かさ」の下で一体何が起きているのかを知りたくて、この本を読んでいます。 いつの時代だったでしょうか
「サラリーマンは、気楽な稼業と来たもんだ!」という歌が流行ったのはーーー本書にも「今や、安全と思われていたオフィスでも、うつ病や不安神経症、自律神経失調症などにかかり、その中には過労により倒れて労災認定を受ける人もいる」とあります。 時代は急激にその流れを速めているようです。 一体どうなっているのか?ーーと「井の中の蛙」が顔を出して、今の世の中の一部を眺めている感じです。 決して人間はバカでは、ありませんが、しかし、また人間が「ものを知る」と言うことは、人間自身が考えている以上に時間がかかる気がしてなりません。 この本に出てくる、部下の扱いの下手くそな上司のように、ちょっと下手な人間を、ののしってしまうのは、一見簡単なようですが、どっかズレていて、しかも、そのズレに気が付かないという、「ズレ」に私は、かなり、ひっかかって本書を読みました。 なお、この本は内容が「重い」割には、文体がサラッとしてて、読み易く、また、それだけ説得力もあり、分り易いです。
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