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遺伝子が利己的でないならば、
人類はここまで発展しなかったかもしれない
ただし、発展は必ずしも進化ではないことを
肝に銘じなければならない。
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1069夜
引用
私は単に、ものごとがどう進化してきたかを述べるだけだ。私は、われわれ人間が道徳的にはいかにふるまうべきかを述べようというのではない。私がこれを強調するのは、どうあるべきかという主張と、どうであるという言明とを区別できない人びと、しかも非常に多くの人びとの誤解をうける恐れがあるからである。私自身の感じでは、単に、つねに非情な利己主義という遺伝子の法に基づいた人間社会というものは、生きていくうえでたいへんいやな社会であるにちがいない。しかし残念ながら、われわれがあることをどれほど嘆こうと、それが真実であることに変わりはない。
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名著として名高い一冊。
「人は遺伝子の乗り物である」という立場からの進化論。
この手の学術書としては異様に読みやすい。
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生命の進化について考えさせられる良書です。
この本の中では、生命の進化について「遺伝子」を中心に書かれており、「生物は遺伝子を保存し続けるための「容器」や「機械」でしかなく、それを実行するために有利に進化してきた」という理論が、難しい数式などを使わずにわかりやすく説明されています。
生物がとる一見自分の生存には不利になると思われるような行動は、「自分と共通する遺伝子をできるだけ多く保存する」という理由から全て説明できることが理解できます。
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無知の人でもすんなりと読みこなせる平易な文章で書かれていて、それでいて進化論の重要なエッセンス、その衝撃を伝えてくれる。
誰もが知っている進化論の、実はあまり知られていない舞台裏を覗き見させてくれるような、そういう本。
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分子生物学の本でもっとも有名なもののひとつが本書であろう。遺伝子を次世代へ受け継がせていくこと、DNAの永続こそが生物の本能であり存在理由なのである。という説は強力かつ痛快。
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動物の中で見られる利他的行動などは、遺伝子の働きであって、それは、遺伝子が自らを残すために誘発した行動だとした。読み応えのある本ではあるが、平易な言葉遣いであり、調査手法や論理的な思考はかなり参考になる。理系の人以外にも薦めたい本。
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<遺伝子>を単位として進化を考えることを教えてくれる本。あまりに完成度の高い文章と理論は、読むものを引きずりこまずにはいられません。そして、理論の証拠として出される事例も豊富かつおもしろい。
生物学の魅力を十分伝える本だといえます。
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一、全体として何に関する本か
「利己的遺伝子」はネオダーウィニズムと言われるダーウィンの主の起源を深化さたものである。ダーウィニズムでは、自然淘汰の単位を「種」としているが、利己的遺伝子では自然淘汰の単位を「遺伝子」としている。進化は、種が生き残るためではなく、遺伝子が生き残るために行われるものだという衝撃的な内容で、世界的に注目されている説である。
二、何がどのように詳しく述べられているか
我々は、遺伝子を保存するための生存機械である。これが、利己的遺伝子の最も重要な結論である。人はなぜ生きているのか?その答えは「遺伝子を保存するため」である。進化論というと、種が生き残ることだと多くの人は考えているが、著者は遺伝子が生き残るために自然淘汰が起こるという新しい結論を出した。しかも、遺伝子は利己的である。自分の生存しか考えていない。動物が利他的な行動を示すのは、遺伝子の利己性のためである。それは「群淘汰」という原理で説明されている。各個体が集団の幸福のために犠牲を払うようにできている種の方が、自分自身の利己的利益をまず第一に追求している集団より、結果として絶滅の危機が少なくなる。動物が利他性を示すのは、遺伝子を保存するためである。
例えば、人は家族を守るためなら自分の危険をも犯す。親が子を命がけで守るのは、子が自分の遺伝子の半分のコピーを持つからである。兄弟間でも利他性が現れるのは、兄弟も遺伝子的には自分と同じ遺伝子を半分持っており、それを守ることが遺伝子の保存になるからである。親戚、親戚の親戚…と自分からの血縁が遠のくほど、自分と同じ遺伝子のコピーが少なくなるので、他人よりも近親者に対して自己犠牲が強く働くのだ。動物は利他的行動を取るように見えるが、実は自分と同じ遺伝子の保存という利己的遺伝子の本能が働いているだけである。
また、遺伝子はなぜ動物というロボット(容器)を造ったかであるが、これは単純にバクテリアのような単純細胞が生存できる場所が一杯になったため、動物という新たな形で生存するようになっただけである。実際、バクテリアの数に比べれば動物の数はごく僅かであり、動物が世界を支配しているのではなく圧倒的にバクテリアの方が支配的である。遺伝子の保存という点では、動物はバクテリアに全く及ばない。
三、その本は全体として真実か、どんな意義があるのか
著者は、この本を「サイエンスフィクション」として読んでほしいと冒頭に書いてある。この本では、数学など科学的なことはほとんど出てこず、筆者の考えだけを述べたものであり証拠はない。よって、半信半疑の域を出ることはできないのだが、内容は間違いなく面白い。
筆者が自ら述べている通り、利己的遺伝子は非常に恐ろしい話で誰もその事実を認めたくはないが、この仮説で全ての「生」が説明できるのである。
四、一番面白かったのはどこか、なぜ自分は面白かったのか
自然淘汰がなぜ起こるのか。それは偶然なのか、必然なのか。そして、人はなぜ生きるのか。そういった永遠のテーマを新しい視点から考察しており、本書を読み終えると著者の考えに少し共���できるようになるのが不思議である。
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敬愛する日高先生の翻訳した
敬服するR・ドーキンスの開眼本。
もっと早くこの本を読んでいれば
今頃こんなつまらん会社でつまらん仕事してなかったな。
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30年以上読み続けられている進化生物学の本です。
一般向けに書かれているので比較的読みやすく、
遺伝や進化の知識がなくても大丈夫!!!
遺伝子に関してさらなる興味が湧いてきます。
鹿児島大学 学部生
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日高先生の翻訳だったとは!知らなかった。読むの楽しみ。(2010.10.7登録)
登録してからかなり時間がたったがようやく読み終わった。(2011.4.18)
生物学の古典とも呼ばれる名著だし、好きな分野なので期待していたのだが…。
中身は非常に面白いが、いかんせん翻訳が読みにくい。
そしてドーキンスの文章は、少々くどい。同じ話がこれでもかというほど繰り返し説明される。改訂版が出されるたびの序文や、びっくりするような大量の補注。もともと30年以上前に著された本であるから、新しい学術論などが出てきて現実に即さない部分もあるというのも理解できるし、できるだけわかりやすくという思いからなのだろうが、懇切丁寧というか、ちょっとくどすぎの感もある。ひょっとして著者は粘着気質?とも思いたくなるほど。
ということで、本当に面白くて興味深い、私の大好きな類の話ではあったのだけれど、★3つにしておきます。
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昔買った本だが、あまり読んでなかったので、改めて読み直してみた。内容は分かりやすく書かれているが、難解な文章もまあまあある。日本語の訳し方の問題の気もするが。2006年のやつなので、2018年版だとその辺も直ってるのかもしれない。改めてkindle版で2018年版も読むかな
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これはおもしろかった。ただ,長くてなかなか読了するのに時間がかかるんだよねえ。
今回おもしろかったのは,ミームと呼ばれる自己複製子の存在について,ゲーム理論と生物学の関係性,そして僕らは遺伝子のコピーを受け継いでいくためのヴィーグル(乗り物)に過ぎないのではないか,というところ。
やはりこれも何度も読み返さないと,きちんと理解できないんだろうなー。というわけで初回の簡単な感想ということで。
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どこかで一回は耳にしたことががあるんじゃないかというこの主張
他人に優しくするの(利他的な行動)って結局自分が満たされたいだけ(利己的な行動)でしょ?
この主張に対して何らかの示唆を得られるんじゃないかというモチベーションで読んだ本。
自分のこの命題に対する結論を言うと「利他的な行為が人間の利己的な面からきているというのは生物学的には真に近い。なぜなら、私達人間は利己的な振舞いで自然淘汰を勝ち抜いてきた利己的な遺伝子からできているからだ。」というものです。
つまり、(本の中にもあるけれど)人々が非利己的で協力的な社会を築きたいなら、生物学的知見は全然頼りにならない。これはなかなか衝撃的な内容でした。
しかし、我々人間社会には利己的暴力を防ぐために「文化」というものがあります。そのため「人間=利己的な存在」と結論付けるのは難しいと思われます。以下引用。
ーー
純粋で、私欲のない、本当の利他主義の能力が、人間の独自な性質だという可能性もある。是非そうあってほしいものだが、この点に関して私は、肯定的にも否定的にも議論するつもりはない…
(中略)
我々がたとえ暗いほうの側面に目を向けて、個々の人間は基本的には利己的な存在なのだと仮定したとしても、われわれの意識的な先見能力には、盲目の自己複製子(≒遺伝子)たちの引き起こす最悪の利己的暴力から、われわれを救い出す能力があるはずだということである。少なくともわれわれには、単なる目先の利己的利益より、むしろ長期的な利己的利益のほうを促進させるくらいの知的能力はある。
ーー
結局自分の疑問に対するハッキリとした結論は出なかったけれど、生物学的な視点から新たな視野を与えてくれた一冊でした。500ページ位ありますが、読み応えはかなりあると思いますよ。