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紙の本
会計を通して時代の病理が明かされる
2007/02/17 15:45
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hisao - この投稿者のレビュー一覧を見る
“企業会計原則”は“動態論”思考に準拠する。
まず“損益計算原則”として“全ての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割り当てられるように処理しなければならない”
期間損益計算(フロー計算)が企業会計の中心である。そしてフローが決まってストックが決まる。結果 貸借対照表は繰延・見越の費用、収益のかたまりとしてフロー計算のための脇役となる。
19世紀 巨額の固定設備資産を必要とする産業資本の発展がその時点時点のストック価値計算を使命とする“静態論”会計から上記の“動態論”会計にコペルニクス的展開を迫ったのである。
私が多少会計学をかじった頃はそれで良かったのだ。
ところが今世紀“投資家資本主義”は企業会計に新たな使命を期待する。
“レコーティング”から“レポーティング”中心の会計へ。
“期間損益計算”よりも“企業価値実態開示”への使命。
財務リスクの実態開示として、例えば金融商品の“時価評価”更には“減損会計”
(著者のインターネット講座参照)
著者はかって“時価会計の基本問題”を発表、金融資本と実物資本の資本運動の本質的差違に注目、現代会計の“会計配分”型枠組み(実物経済)と“価値評価”型枠組み(金融証券経済)によるハイブリット構造を解明、“実態開示会計は資本利益計算とは直結しない”として会計学会に旋風を巻き起こされた方である。
この書は左様に会計的現象を現代資本の運動として“理解”、まさに“科学としての会計学”を究められようとされた著者の“現状分析”の書である。
なる程 激動の時代である。
問われる“会社は誰のモノか”“会計は誰のモノか”
“会計原則”“会計基準”“商法”“証券取引法”“税法”それぞれに見る“ねじれ”現象。
エンロン・ライブドア事件などに見られるムード的“株主至上主義”“企業価値会計”を逆手にとっての私欲の追求。
会計を通して時代の病理が明かされる。激動の時代が確かな理論フレームで読み解かれている。
現状分析のための理論の重要性に目を開かれる思いである。
紙の本
会計の複雑トピックをスッキリ解説。学生のレポート作成に最適
2006/08/20 18:09
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:会計士受験生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここ数年の間に大きくクローズアップされてきた「会計・監査」にまつわる様々なトピックについて、膨大な出版物を参考資料にしながら、コンパクトに章立てされていて、どのテーマから読んでも理解しやすい構成になっている。
主に、経済系の学部や大学院の学生向けを対象としているようだが、少なくとも本書を理解するためには、最低限の簿記、会計学および会社法などの知識がないと、難しいかもしれない。
それだけに、一見すると一般向けの単行本のようだが、扱う内容はかなり高度であり、ジャンルとしては、準専門書といったところだろうか。
具体的には、デット・エクイティ・スワップなどの「会計マジック」の是非についてや、ストックオプション制度、保険時価会計、国際会計基準へのコンバージェンス問題など、専門家でなければ分からない複雑な問題について触れている一方で、カネボウやライブドア事件といった、社会的にも大きな問題となり、比較的なじみの深い問題について、その深層と課題について整理するなど、昨今話題に上がっている会計・監査にまつわるトピックは、ほとんど網羅されているような一冊になっている。
本書の特徴は、膨大な量の新聞(一般誌だけでなく業界誌も含む)、雑誌や専門書から記事や参考資料を引用し、著者の見解を簡潔明瞭に述べている点にある(著者のホームページによると、各トピックについては、A4用紙1枚を目安にまとめているそうである)。
とりわけ、第2章「ライブドア・ショック」では、強制捜査がきっかけで株価が下落し、東京地検に対して電話抗議する投資家(投機屋)がいたことについて、「その多くはただ株価の動きだけ見て、投資企業の財務諸表も見なければ(見る必要もない、また読めない)、業務内容も知らない」と、バッサリと非難するあたりに、著者の会計、監査および証券市場に対する高尚な倫理観がうかがえる。
また、本書ではひとつのテーマについて10ページ弱にまとめられているのだが、もっと深く知りたいと思ったときに、引用資料が詳細に記されているため。原著を検索しやすく、学生のレポート課題の設定には最適かもしれない。
もちろん、最新の会計トピックを扱っているので、実務家や研究者にとっても、複雑な問題を整理するために使い勝手が良く、手許に置いておきたい一冊ではないだろうか。
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