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森鴎外の作品を読むのはこれが初めてでした^^
読んだのは『山椒大夫』と『最後の一句』のみですが、たしかに"余裕"な感じがするな、と思いました
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表題の「高瀬舟」は確か高校か中学の教科書に掲載されていたような記憶があります。
善と悪は何なのか、そして尊厳死は殺人なのか。
医者であった鴎外の文章中にほのめかす尊厳死の是非。
今なお尊厳死について問題になります。これを読むたびに考えさせられます。
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中学生の頃から何度も読み返した『高瀬舟』読むたびに人の死について考えさせられます。
収録作品では『妄想』が一番好きです。
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文体は読みづらい。ドイツ語やフランス語が入り、巻末の注釈を行ったり来たりになる。でも内容は奥深い。短編集だがそれぞれが哲学的で考えさせられる。短編の良さが出ていると思う。
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横文字が入るのが読み辛くて、途中で挫折。また機会があったら続きから読む。「カズイスチカ」まで読了。「妄想」の冒頭まで読んだ。
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☆山椒大夫
「犠牲になる」って難しいことだ。
囚われの身であるAとBには目標がある。
しかし中々ここを逃げ出せそうにない。
そこでBはAを逃がすために自らの命を犠牲にしたとする。
そうしたら、Aはもう何が何でもそれを成し
遂げなくちゃいけない風にならないかなあ。
それが果たしてAにとって良かったのか、と
思うわけ。
もしかしたら、Aはその何かを諦めてでもB
と一緒に生きたかったかもしれない。
もし私がAだったら、すごく困る。
大切な人を亡くした悲しみを押し込めて、
そのことに専念しなくてはならないのだから。
残された方は、やっぱり悲しいでしょう。
BはもちろんAのためを思ってしたのだけど。
難しいものです、「犠牲」っていうのは。
☆高瀬舟
安楽死は、認められてもいいと思うんだ。
私は。
これまた複雑に考えようと思えばどこまでも
入り組んで、しまいには帰ってこれなくなっ
ちゃうような問題だね。
もう確実に死ぬとわかっていて、
苦しみから解放されたいと本人が願うなら、
私は死なせてもいいんじゃないかと思う。
死を待つ時間さえ、耐えられそうにない
苦しみなら。
だから、このお兄さんがしたことは、
酷いことでもないし、悪いことでもない。
ましてや罪に問われることだとは思わない。
いや、きっと刑法では裁かれるのだろうけど…
それでも弟を殺すことが、弟を救う唯一の方法
だったのだから。
まあ、それが通用しないのが世の中というもの
なのでしょうか。
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森鴎外をきちんと読んだのははじめて。1冊のなかに西洋志向の作品と、純日本的な作品とが共存しているが、どちらも文章のこころにくさは変わらない。
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人買いのために引離された母と姉弟の受難を通して、犠牲の意味を問う『山椒大夫』、弟殺しの罪で島流しにされてゆく男とそれを護送する同心との会話から安楽死の問題をみつめた『高瀬舟』。滞欧生活で学んだことを振返りつつ、思想的な立場を静かに語って鴎外の世界観、人生観をうかがうのに不可欠な『妄想』、ほかに『杯』、『普請中』、『カズイスチカ』、『百物語』、『興津弥五右衛門の遺書』、『護持院原の敵討』、『二人の友』、『最後の一句』など全十二編を収録する。
読書初心者にお勧めは『山椒大夫』、解りやすく読みやすい内容。万人向けです。森鴎外の倫理観や思想がよく表れているのは『杯』や『妄想』。文学界からも陸軍省からも孤高の人であり続けた鴎外の自尊心や、人生への諦念がうかがえて面白い。
あと、個人的には『妄想』の中の一節
“Revue des Mondesの主筆をしていた旧教徒Brunetiereが化学の破産を説いてから、幾多の歳月を閲しても、科学はなかなか破産しない。凡ての人為のものの無常の中で、最も大きい未来を有しているものの一つは、やはり科学であろう”
…この台詞!!…に、文学だいすきだけど職業理系人(陸軍付きの軍医)な鴎外の理系な本性を垣間見ることができて親近感わいたwww
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高瀬川を読みました。
流れるような文章で、つらつらと読めることに感動しました。
尊厳死に関することが題材となっており、鴎外がここであげた尊厳死に関する論点が、現代まで発展しないままであります。
読後感が良かったです。話は短く、すぐ読めてしまいます。
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『山椒大夫』『高瀬舟』など全十二篇を収録する森鴎外の短編集。
森鴎外は『舞姫』くらいしかまともに読んだことはなかったが,この本を読んで鴎外への印象が少し変わった。
自分を投影させた小説が多いように思うが,それらから鴎外の思慮深い面や思いやりのある面を感じ取ることができた。
個人的には『二人の友』が好み。
歴史小説はほとんど読んだことがなかったが,史実や伝説に鴎外の解釈や脚色が加わって,思っていたよりもずっと面白かった。
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*青空文庫
「山椒大夫」
いくつか腑に落ちないところがある。
なぜ途中から神秘的な要素が入ってきたのか。
なぜ厨子王は安寿が死んだことを知っていたのか。
調べてみるが森鴎外はあまり受け付けないかも
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森鴎外の歴史小説に描かれるテーマを心に感じるよう読み進めた。
明治後半、欧米文化を盛んに取り入れる日本にあって武士の時代をテーマに何を世の中に問おうとたのか。
それは彼が実際にドイツ留学に行き、欧米文化を肌で感じ、それを盲目的に取り入れることで日本の文化、精神までもが忘れ去られることへの危機感ではなかったのか。
「自己犠牲」の美が、そのひとつのテーマになっていると思う。
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『山椒大夫』を読んで、久しぶりに泣いた。
不幸な身の上、家族の絆、いつの世も人の心をうってやまない。だがこの物語、一体何を伝えたかったのか。終始、不幸である。
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山椒大夫。
数年ぶりに読んで泣いた。
高瀬舟。
感想文書いたことを思い出して読んだけど、あのころとはまた感想違うのだろうと思う。
成長して読み返すのは大切だと感じた。
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安楽死が問題になったのは最近のことだと思われるが、すでに鴎外が小説の中で問題にしていた。苦から救うためにその命を終わらせることは正しいか、それとも間違っているか。この問題はおそらくこの二分法では語ることはできず、「必ずしも間違っているとは言えない」という形で示すことしかできないのではないだろうか。