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キノの旅 the Beautiful World 10 みんなのレビュー
- 時雨沢 恵一 (著)
- 税込価格:627円(5pt)
- 出版社:メディアワークス
- 発売日:2006/10/10
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文庫
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紙の本
短編はいつもどうりの面白さだが
2006/10/11 21:35
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
もう二桁まできたキノの旅です
今回は短編が6+3本と長編1本
短編はいつものキノの旅で、キノ・師匠・シズ達がそれぞれのスタンスで様々な出来事に出くわし対処するのが面白い
長編はいつもの通り過ぎるだけのキノらしくもなく、おおきく国に関わってゆきます
正直、積極的なキノという形ではキャラクターが立ってないような気がします
どこまで関わるのか、どういう決着を求めるのか、どんな気持ちで動いているのかが分からない
またキャラクター同士がほとんど関わらず、独立した状態でお互いをなんとも思ってない様子
キノの存在意義があまり感じられないです
紙の本
国から国へ、本から本へ
2007/01/27 13:34
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:祐樹一依 - この投稿者のレビュー一覧を見る
10作目に達したシリーズ作。国から国へと放浪する旅人、キノの話。そして、また別の世界、別の舞台で放浪する人々の話。ほんの数ページの短編や、口絵を用いて語られる掌編(併せて9話)も、如何にもなお約束を孕んだ国や、読者が想定するお約束を見事に裏切ってくれる時雨沢氏の手腕が見事な話しも幾つかあって楽しいのですが、やはり久しぶりの長編サイズの物語、「歌姫のいる国」がいい出来。これ単体だけで一冊の本にしても成立しそうなくらいに、意外なサスペンスとトリッキィなイロニーが収められていて、「キノの旅」らしいのにらしくない、という性質すらも楽しい。
世界の中で、数多く存在する国々は、その多くが世界の中で独立して、孤立して存在する。これが現代社会における我々、人間の所有する小宇宙に無理矢理例えられなくもないのだけれど、そんな格好のいいことは、本書には似合わない。本書の主人公、キノは勿論、多くの旅人は、己が住まう国を離れ、未知の世界へと、未知の国へと自分の行き場を変えて動き、離れていく。そんな中で彼らが出会うのは、ただ「そこにあるだけ」の多くの国なのだ。多くの旅人が恐らく驚嘆し、驚愕し、または無反応を見せる国々の特色は、それらがそうであることが当たり前であるものでしかない。旅人たちが多くの性質に関わることをしないのは、自分たちには「それが当たり前である」ことに干渉することの無意味さを知っているからで、もしも旅人たちが「旅人」である以上の動きを見せようとするときは、最早平生の状態から移ろうというとき。何らかの形で国の性質が変わる…、変わらなければならないというときなのだ。
一冊の本を読んで、読者が感想を抱く。
とある国を訪れた旅人が、感想を抱く。
似たようなものかもしれない。
(初出:CANARYCAGE)
紙の本
撃ってもいいし、撃たなくてもいい
2006/10/09 22:32
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語には、数多くの国が出てくる。それぞれ独特のルールに支配された国が。そして、これらの国は他の世界から隔離されている。外から中に新しい流れが入り込むこともないが、外に流れ出すこともない。すべてはそこで完結している。
旅人は、そんな国と国をつなぐパイプだ。細い、細いパイプ。あるいは小さな独立国。それは予測国に対しては本来ただの観察者であり、考えることは今日のベットと明日のご飯のことだけ。しかし、結果としてちょっぴり干渉してしまうこともあるらしい。
第三話「保護の国」では、保護動物がまるで王様のように国の中を荒らしまわっている。ほとんどの紙幅がさかれている第七話「歌姫のいる国」では、貧乏な少年誘拐犯とお金持ちのお嬢様が生き延びるために逃げ回る。そして、それぞれに対して、師匠が、キノが、自分たちのルールに従って対応している。彼らは決して正義の味方ではない。ただ、自分たちのために行動した結果が、そう見えているだけなのだ。