紙の本
思春期の波立つ心。
2009/11/14 22:50
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marekuro - この投稿者のレビュー一覧を見る
魔女の宅急便シリーズの第3段です。
前作ではひたすら荷物を運んで
タイトルどおりに宅急便屋さんをしていたキキですが
本作においては、宅急便よりは心乱れている事が多いです。
なぜ心乱れているのかについては
本作のタイトルにもある
「キキともうひとりの魔女」の
もうひとりの魔女が原因です。
もうひとりの魔女が現れてから
ちょっとした事で心が乱されます。
そして本作ではジジが家出をします。
ジジもまた、不安や悩みを抱え
猫なりにもがいている様子が書かれています。
前作と比較すると、全体的にキキの内省が多く
暗い印象です。
本作でのキキの年齢は16歳という設定。
ちょうど思春期の頃だと思います。
思春期と言えば、難しい時期であると
心理学の本などにもありますが
キキも難しくなっています。
不安や疑い、そして苦悩するキキ。
時間の経過と共に段々と周囲を理解し、
あたたかい気持ちになっていきますが、
心が落ち着きを取り戻した頃に
とんぼさんが街を離れてしまいます。
そこで3巻は終了してしまいますので
何とも次が気がかりです。
ただ、ツラいことばかりではなく
この作品の魅力の一つである
キキと個性的な人たちとの出会いに関しては
しっかりと描かれています。
色々と悩みの中にいても人との出会いに
心動かされ、様々な事を学び、考えるキキ。
本作の見どころの一つかもしれません。
シリーズの中では一番、読みにくい本作。
ですが、この後のキキの成長にとって
欠かせない巻でもあります。
それは人の成長における思春期のツラさと
同じような感覚なのでしょうか。
評者は読んでいる間、自分が思春期だった頃の
何ともイライラした感じを思い出しました。
なお、この巻から映画の時間軸から離れています。
キキは少女から大人の女性への中間地点にいるような
感じです。
映画で出ていたキャラクターはしっかりと登場しますが
皆、それなりに年月を重ねています。
そういう意味では映画の世界観から少し離れて読む必要が
あるのでしょうか?
先にも書いたように読みやすい巻ではありませんが
本作品が次の4巻へ移行するために
あるいはキキが少女から大人の女性になっていくためにも
必要な巻であり、そういう意味では読みごたえのある
巻だと思います。
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投稿者:YURI - この投稿者のレビュー一覧を見る
年下の子に、自分の大切な領域を、じりじりと侵食されて行く焦り。児童文学でこの苦さに戸惑いますが、さすがにラストはさわやかです。
紙の本
「横取り屋」
2018/10/14 21:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語も3巻目、「キキともうひとりの魔女」。新たなキャラクターが登場したり、猫のジジが家出したり、いろいろ賑やかです。
「魔女」といいながら空を飛ぶ以外は魔法らしいことの少なかった物語ですが、この巻では揺れ動くキキの心と連動するように、不思議な存在や出来事が現れます。
様々な“旅立ち”が感じられる巻でした。
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副題にある通り、このお話にはもう一人の魔女が登場します。
迷ったり、怯えたり、落ち込んだりしながらも、少しずつ、すこしずつ、自分と世界を発見していくキキの様子が、清々しくて愛おしいお話です。
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う~ん、個人的にはこの巻はちょっと楽しさが半減・・・・っていう感じかなぁ。 でもね、それは KiKi 自身にもこの巻のキキ同様に「ありとあらゆることにイライラしちゃっていた時代」があったことを思い出させるせいなのかもしれません。 今にして思うと、「何であんなにイライラしていたんだろ? だいたい何に対してイライラしていたんだろ?」って思うし、「イライラしてどうしたかったんだろ?」とも思うんだけど、あれって思春期特有の自己嫌悪 & 被害妄想 & 欲求不満の表れなんでしょうかねぇ。
まあ、確かにいきなりキキのところに転がり込んできたケケちゃんも「ここまでマイペースな人って滅多にいないよなぁ」と思わせるところがあるし、得体の知れないようなところ・・・・とか、ちょっと不気味な感じがするところとか、色々あるとは思うんだけど、でも結局はキキのイライラはケケちゃんに対するもの・・・・というよりは、自分に対して・・・・・なんだろうなぁと思いました。 「かくありたい自分」と「必要以上に卑下した自己評価の中の自分」の対比・・・・・とでも言いましょうか。
そんな中で素敵だな♪と感じたのは案外大人なジジの存在です。 まるで口癖のように
「ケケなんてまだ12だよ。 競争する相手じゃないよ。」
と繰り返すジジ。 でもねぇ、気持ちが負のスパイラルに入っている人には「競争する、しない」ではなく、何となく自分を貶めるための物差しみたいなものが必要で、それを外に求めたがるものなんですよね~ ^^; キキの場合はそれがたまたまケケだった。 そういうことなんじゃないかなぁ。
(全文はブログにて)
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魔女のしるし。
「心のなかをおみせできないのがざんねんです」
大事なことなのでまた出てきました。
キキに対して、ケケ。
キキが「むかし屋さん」からしみだらけの本をあずかる。
「おわりのとびら」
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読んでて苦しかった。
自分より若い生意気で謎めいていて目立つ存在に自分のテリトリーが侵略されていく経験は誰でもあると思う。気にする相手じゃないよと最も信頼する仲間(ジジ)が言ってくれても自分の心はどうにも収まらない。周りの評価も気になるし、そういうときに限って失敗したりして自信もなくなる悪いスパイラル。
そんな中にもふっと自分を取り戻せるような心に灯りがともる出来事があって一歩踏み戻せたり、肝心のお母さんにはどうしても相談できなかったり、ひとりで格闘する心の様相を見事に紡ぎ出していて引き込まれた。
トンボ君との仲をこっそり前進させたり、嫌なことばかりじゃないワクワクをちりばめて、青春の一ページが楽しめた。
角野さんありがとう
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「そう、もちろんさ」
ーとんぼさん
もうひとりの魔女ケケがコリコの町にやってくる。嫉妬して悩んでまたひとつ成長する。
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思春期の女子は色々めんどくさい!(;´Д`A ケケの存在があんまりよくわかんないやσ(^_^;) あと、とんぼの良さがどうしてもわかんない(u_u)
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思春期のキキのモヤモヤ話が多かった。みんなとワイワイ仲良くなりたいのにできない所に共感。ケケみたいな子いるよね。
トンボさんへの気持ちに気づいたキキ、今後の動向が気になります…
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会社に若い女性社員(結構仕事できる)が入ってきた。
自分なりに会社には貢献してきたつもりだけど、周りの社員は新入社員の子を「すごい!」「できがいい!」とチヤホヤする。正直複雑。自分の社内でのポジション大丈夫か。
…現実世界に置き換えるとこんなかんじでしょうか( ´∀`)
今回も相変わらず「のほほん」な人々が登場しますが、背後に流れる空気が不穏&思春期特有のチリチリしたかんじなので、ちょっと今までと雰囲気が違いますね。シリアスめというか。
それもまた良しですが、次巻はお気楽のほほんな空気も楽しみたいな~。
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「キキがかわいそうだ。」と最初は思いましたが、最後ぐらいにケケの気持ちも、少し分かるなと思いました。
今回のキキは、少し寂しく、でも楽しい話でした(^^)/
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魔女の宅急便3巻目
今までキキがカバ運んですごいなと思ったのにさー
今度は船運んじゃったよー。まあ引っ張ってるだけだけどさー。ほんとコキリさんのほうきよくおれないよね。
ってゆうか船まで包めるあみがあったなんてすごいよね。でも小舟だからかな。
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自分の居場所と思ってるところに新しい人が来て、すぐに馴染んでチヤホヤされてることにモヤモヤ。ちょうど、今の自分と重なって、少しホッとしたり、恥ずかしかったり。自分の気持ちを大事にしようって思った1冊でした。
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13才で独り立ちした魔女キキは16才になりました。
成長していくに従って悩みも深いものになります。
でも、それも乗り越えたようです。
つづけて「その4」に続きます。