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ネットの普及により顧客と企業の情報の不均衡が消滅した結果、顧客に全ての情報を開示し、顧客のニーズにマッチした商品を薦める企業が信頼され、売上げを伸ばすというもの。
この本を読んでいて、ウチの会社もアドボカシーなのではと思ってしまった。
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「顧客を支援せよ」という話だが、なかなか実践に結びつけることは難しい。場合によっては他社を勧めることもしなければならない。
個人的に行き過ぎな支援はウザイと思ってしまう。
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開始:20090227、完了:20090227
ネットを通じて顧客と企業の情報格差が減った今、企業はどういうアプローチをとるべきか、というような内容だ。情報はネットで得られるし、比較もできる、オンラインサイトが人気、みたいな中身であまり斬新さは感じられなかった。以下、気になった言葉。顧客への支援(アドボカシー)を徹底することで顧客の信頼を得る。すべての顧客に対してありのままの情報を公平に差し出す。たとえ競合他社の製品であっても顧客にふさわしいものであれば正直に紹介し、本当の意味で顧客にとっての最高の利益を追い求める。そのように企業が顧客を支援すれば、顧客は信頼、ロイヤリティ、購買行動によって企業に報いてくれる。しかも、それは持続性があるため、企業は長期的にメリットを享受できる。これがアドボカシー戦略だ。ネットによる選択肢の増大。口コミマーケティングの増大。ポップアップ広告はスパムメールと同じくらいいやがられる。企業の選択肢、1従来のプッシュ・プル型のマーケティングの拡大、2顧客とのリレーションシップの強化、3アドボカシー戦略の導入。現実のCRMはプッシュ・プル型を効率よく推進するためだけに使われた。顧客はある企業を信頼すればその企業の製品やサービスのカテゴリーや数が増えるのを期待する。医者が圧倒的な優位にたっている日本でも、武田薬品、三共、エーザイ、アステラス制約などの製薬会社はインターネットを通じて消費者に直接情報を提供している。過去50年の成功のマーケティング戦略は、「お客様は神様だ」「顧客のニーズを把握し、それに見合った製品を作るべきだ」という考え方。この考え方に立て場、顧客は企業の取り組みの受益者として市場で優位にたつことになる。企業は顧客を説得して、自社製品を買わせなくてはならない。そのため購買行動を促すための強引なプロモーションが展開される。これをプッシュ・プル戦略と呼ぶ。これに従うと以下の7つのルールを守らないといけない。1買い手を説得せよ、2宣伝販売活動へ積極的に資金を投入せよ、3市場ポジションを最適化せよ、4価格競争へ積極的に打って出ろ、顧客に応じて価格を設定せよ(特別価格)、5質の高い製品・サービスを提供せよ、6売り上げを伸ばせ、7売上高と市場シェアを測れ。このルールは協力であり過去には非常によく機能した。だが、これまでの説明を読めば企業が往々にして顧客の信頼を損なうような行動をしていることがわかるだろう。「情報の不足により顧客はうまく自分の意思を決められない。そのため企業の影響を受けやすい」という前提があった。それに対してアドボカシー理論は顧客は「責任能力のある意思決定者」として行動する。
X理論(社員は仕事が嫌い)、P理論(プッシュプル戦略)、Y理論(社員は自分の意思で行動したがる)、A理論(アドボカシー戦略)。アドボカシー戦略のルール、1顧客を支援せよ、2優良製品へ重点的に投資せよ、3価値を創造せよ、4顧客とともに製品を作れ、5完全に実行せよ、6顧客にとって優良企業であれ、7顧客との長期的な信頼関係を測定せよ。信頼関係を築くことは顧客に対する透明性を高めることに他ならない。アマゾンは出版社のレビューだけじゃなく顧客のレビューも。自社のインセンティブ構造を調べればこの指標による評価が可能。パフォーマンス測定、社員評価基準、ビジネスモデル構造によって、あなたの会社と顧客との利害の一致度合いを判断できる。異なる顧客グループやビジネスパートナーの利害の競合によって的外れのインセンティブを生み出しているかもしれない。「自社の製品はどの顧客にとっても最高だ!」と考えるのは傲慢でしかない。「あなたは顧客があなたの会社にやってきて社内を自由に歩き回り顧客への対応を自分の目で確かめ製品の製造方法や設計プロセスを観察し、CEOに質問しても、平気だろうか。」激しい価格競争に苦しんでいる業界ではアドボカシー戦略によって利益を得るのは難しい。価格競争に適しているのは、信頼できるメーカーよりも効率のよいメーカーだからだ。日用品(コモディティ)は競合製品で代替可能であるため、顧客と良好な関係を発展させたところで企業にとっては何の得にもならない。顧客が長期にわたって繰り返し製品を購入しないなら信頼の有無にあまり意味はない。次のような状態ならアドボカシー戦略に移行すべき、①顧客に対する教育を要するような複雑な製品を販売している場合、②顧客が謝った選択をするようなリスクが自社製品にある場合(コンピュータとか医療など)、③あなたの会社の製品・サービスが顧客の個性を尊重する場合(行楽地の選択など)3Mはリードユーザ分析を採用したことにより、ニーズを明らかにするための従来の手法に比べて生産性を8倍も高めることができた。会社の外へ出て実際に自分で自社の製品を買ってみるといい。驚いたことに自分で自社の商品を買ったことのない経営者は多い。アメリカの自動車業界では一般の消費者と同じ方法で自社製の車を買う経営者はほとんどいない。社員割引が使えるからだ。社員であることを隠しながらディーラーに相談する経営者もいない。ましてや実際にショールームに行って競合他社の車に試乗してみることなど皆無に近い。
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2006年の本だけど(原書はもっと古い)ここまで古臭く感じるもんなのか。
マーケチィング本を読んで「いいことが書いてあんなー」と思うときはだいたい自分から消費者側の目線が消えている時なので、そのために定期的に読まないとまずい。
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出張の往復機中にて、かなり以前に購入して長らく「積ん読」になっていたこちらを読了。
2005年(日本語訳は2006年)の本なのでその後の環境変化について行間を埋めながら読む必要があるが、本書のテーマである「プッシュ・プル戦略」から「リレーションシップ戦略」、そしてその先の「アドボカシー戦略」へのマーケティング戦略のパラダイム進化はさらに進みこそすれその変化の方向は変わっていない。
<伝統的なプッシュ・プル戦略のルール>
1. 買い手を説得せよ
2. 宣伝・販売活動へ積極的に資金を投入せよ
3. 心理的欲求に訴え、市場ポジションを最適化せよ
4. 価格競争へ積極的に打って出ろ、顧客に応じて価格を設定せよ
5. 質の高い製品・サービスを提供せよ
6. 売上を伸ばせ
7. 売上高と市場シェアを測れ
<アドボカシー戦略のルール>
1. 顧客を支援せよ
2. 優良製品へ積極的に投資せよ
3. 価値を創造せよ
4. 顧客とともに製品を作れ
5. 完全に実行せよ
6. 顧客にとって優良企業であれ
7. 顧客との長期的な信頼関係を測定せよ
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言っていることは妥当だと思うし、大いに共感するところがあるのだけど、この体裁にしては内容が薄っぺらいとも思う。
トレード・オフがどのあたりにあるのかはっきりしない。
また、例示が手抜きであり洞察に欠ける。
悪いことを言っているのではないのだから、分量を倍ぐらいにして、煽り文句を押さえて、耳目を集めるためのこけおどしの例示(Amazonを出したい気持ちはわかるけど、Amazonは別に他社と比較はしてないじゃない)をやめて、きっちりと良書への道を探ったほうがいいと思う。
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■アドボカシー・マーケティング
A.アドボカシー戦略では、顧客にあらゆる情報を包み隠さず提供する。そして、顧客が最高の製品を見つけられるように支援する。それは時に、競合他社の製品を薦める場合もある。
B.アドボカシー・マーケティングの7 つのルール
1. 顧客に全ての情報を公開して、支援する
2. 宣伝や販売活動よりも、優良製品へ重点的に投資する
3. 価値を創造する(価格ではなく、価値の高さを重視する)
4. 顧客とともに製品を作る
5. 顧客との約束を完全に実行して、信頼を獲得する
6. 顧客にとっての優良企業になる
7. 顧客との長期的な信頼関係を測定する
C.顧客の力、カスタマー・パワーが劇的に増大した背景
1.情報へのアクセスの増加
2.選択肢の増加
3.直接取引の単純化
4.顧客同士のコミュニケーションの増加
5.顧客による防衛手段の増加
D.ある調査では、ポップアップ広告について「とても腹立たしい」と答えた消費者は全体の64 %。「腹立たしい」と答えた人を加えると96 %だった。
E.アドボカシーの実践による最高レベルの信頼構築によって、最も大きなメリットを受けるのは、次のような特徴を持つ業界の企業である。
・製品が複雑
・製品に対する顧客の関与が深い
・顧客が間違った製品を選んだ場合の損害リスクが高い
・入手可能な製品の種類が多い
・情報量が多い
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検索が「欲しいものを記憶して思い出す」より十分に手軽で、比較サイト(評価)でより良い買い物ができるようになり始めた頃の本。
アドボカシーの概念(マインドセット)が、B2B領域ではSaaSを生み、カスタマーサクセスに発展してきたことなどに思いはせた。