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WEB2.0時代の次のビジネスモデルはなんなのか。ITに強いフリージャーナリストの佐々木氏の仮説と検証。読んでてひらめいたことがあったので、まさに僕にとってはタイムリーな本でした。
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シリコンバレーではなえく日本発の脱グーグルモデルがいくつか紹介されている。先端の動向がうかがえて興味深い。特に個人の枠を超えたコミュニティをビジネスチャンスとして捉えていることが大きなヒントとなる気がした。
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《まとめ》
本書は題名にあるとおり、Googleを超える次のモデルの可能性を説く。
ヤフーや楽天などの大企業や多くのベンチャーの盛衰を検証しながら、ネット社会の歴史を教えてくれるので、読者は容易にWeb2.0につながるパラダイムの変遷を理解することができる。
Web2.0というパラダイムはUGCなどにより極大化されたデータベースの海とその海から簡単かつ有効に必要なデータを拾いあげるためのUFOキャッチャー的検索技術の二つの層からなる。
その覇者となったのが、分散型データベースと検索技術を確立したGoogleなのである。
インターネット検索技術で先駆けた大企業といえば、楽天やヤフーのポータルサイトが思い当たるが、
それらポータルサイトはGoogleの検索技術が高まるにつれ衰退の危機に瀕している。
ポータルサイトが玄関口に集客しサービスやコンテンツを提供するのに対し、Googleの検索技術は直接的かつ効率的であり、楽天らポータルサイトは「中抜き」される危険性が強まっているのだ。
そこに、近年Web2.0の代表ともいえるSNSやブログなどのソーシャルサイトが参入してきた。
ソーシャルサイトはUGCで自動増殖的であり、比較的低コストで実現できる。
筆者はネット社会のこのような時代背景を踏まえ、
Googleの先、つまり次世代ウェブの可能性としてその検索技術にSNSの基盤となる人間関係を取り入れるのはどうかという指摘をしている。
つまり、「ソーシャルをインフラにする」という手段である。
これらのパラダイムをまとめるとこうだ。
ポータルサイト→検索エンジン→ソーシャルのインフラ化
ソーシャライズの波は、過去の履歴を材料に検索する技術から始まり、その後「瞬間の意向」を捉える試みとしてその人を取り巻くコミュニティや人間関係を考慮したソーシャルな検索技術につながる。
ミクシィに見られるようなクローズドなムラ社会的コミュニティをうまく活用することで真にパーソナライズな検索が実現できるのではないか、と考えている。(しかし、情報のたこつぼ化を招いてしまうという欠点もあると忠告もしている。)
人間関係に基づいた検索行動が実現すれば、マーケティングの考え方さえ根本から変えてしまう可能性があるとまで言う。
ソーシャルをインフラとして検索することで、よりパーソナライズな検索が可能になるのではないかと期待が高まっているのだ。
また、もう一つ今後の方向性を考えるヒントになるのが、
経産省が2006年に立ち上げた「情報大航海」プロジェクトである。
これは、点在するリアル世界にあふれる情報を検索する技術を国家的に高めようとする官民共同のプロジェクトだ。
リアル世界の情報とは、ウェブに限らず自動車や電車などの交通情報、病院の電子カルテ、製品に付けられている電子ICタグ、人間の個人情報など様々なデジタルデータを指す。
ここに画像のパターン認識、リアルタイム処理、センサーなど日本企業が強みを発揮している技術を結集する。
リアル社会でデータベース��大化が進んでいくことを見越して、
経産省はその極大データベース社会の新たなプラットフォームを作り出すことを狙っているのだ。
ここにも大きな可能性がある。
《感想》
今後の方向性を検証する上で多くのビジネスモデルに言及しており、とても興味深い。
個人的には自分のキャリアに関して閃いたことがあったので忘れられない一冊となりました。
ネット社会の未来を垣間見たい人、是非一読おすすめします!
《語彙》
隔靴掻痒的(かっかそうよう)(P91)
橋頭堡(きょうとうほ)(P116)
ドッグイヤー
玉石混淆(P161)
死屍累々(P164)
ゲマインシャフト、ゲゼルシャフト(P183)
毀誉褒貶(きよほうへん)(P275)
《メモ》
エリック・シュミット(Google,CEO)
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インターネットやウェブというのは私達の生活を完全に変えてしまっただろう。スポーツ業界でもテクノロジーを活用して少しづつ変化を見せている。けれど全てはより良い生活・判定のためである。ウェブはどういう進化や困難を辿っていて成長したのかという一冊である。これからもスポーツ業界をどう変えていくのか、個人的には興味があります。
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光文社
佐々木 俊尚
未来の話は基本的におもろい。
何が起こるかわかってないからこそ語れることってあるものね。
大事なのはテクノロジーがどうなるか、ってことじゃなくて、
その結果、生活がどうなるか、ですよね。
普通の人、っていう視座を忘れないように生活しましょうって思いました。
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+
・代表的な企業への密着取材を切り口に情報関連業界の動向を読み解く形式から始まる書籍。
実例を通して現状認識と未来洞察の視点を得るには最適ではあり、また『ウェブ進化論』とはやや違う、どちらかというとGoogleモデルやシリコンバレー志向に懐疑的な傾向が見られた。
・玉石かかわらず情報が氾濫する現状に対して集合知のデータベース構築競争とアルゴリズム競争にて他者を破竹しプラットフォームを握り、かつ集合知の精度を上げ、アドワーズ広告により収入を得るビジネスモデルを築いた企業がGoogle。
これに対し、ミクロな視点の可能性としてパーソナライズ検索の方向性を提示。
様々なコミュニティを内包するソーシャルのインフラ化をはかることで、個人の動向を精神的志向、心理まで含めた徹底的に実証分析にて推察することで広告に役立てるという方法。人間関係ダイヤグラムとして、これらの施策が実現化されることでより便利な時代が来るとは思えるが、と同時にパーソナルデータを管理され過去の傾向分析ならず、他者との関連性からも動向を常時推し量られるのは、突き詰めると欲求の先天的な提示による購買意識の誘導という、パラダイム転回に陥るのではないか、と少し嫌疑的になってしまった。
・カリスマブロガーによる「広告」と「表現」の差異はどこに線引きがなされるべきであろうか。
個人の価値観からくる「思い入れ」の延長線上に他者への「紹介」がなされるのが、本来の姿であるが、企業の執拗な介入によりモラルが低下し「広告塔」になりさがっているケースが総じて多いように感じていたが、その点を本書ではうまく説明し、その解決施策の提示がよい形にてなされていて共感できる内容であった。
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また、違法コピーや共有ソフトが巷にあふれる中、コンテンツ制作会社のすべき動向が、あるひとつのビジネスモデルにて紹介されていたが、そのモデルを全体に適用してよいものなのか。他のケースも紹介し、同じロジックのもと説いて欲しかった。
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集合知による世論≠真実
サイバーカスケード
生きることの意味と喜びの源泉としての他者との関係のユートピアの構想の外部に、
あるいはそれらと相反する関係の構想として生きることの相互制約と困難の源泉でもある他者との関係のルールの構想という課題の課題の全域性が存在する、
・RMT・エスクローサービス・FAQ・OEM・ハブモデル・ナレッジ形成プロセス・P2P・マッシュアップ・垂直統合モデル・B2B・クリックアンドモルタルモデル・ゲマインシャフト・ゲゼルシャフト
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Web2.0といえば、すぐグーグルなどの米国企業をイメージしがち。だが本書は、SNS最大手「ミクシィ」など、日本の1976年生まれ(通称ナナロク世代)のベンチャーに光を当て、彼らのWeb2.0ビジネスを紹介する。筆者はナナロク世代が高い技術力を備え、Web2.0のコンセプトを先取りしてきたと評価する。従来型企業の代表例である楽天について、ポータル偏重の問題点を指摘しつつも、蓄積されたコンテンツの活用次第でWeb2.0企業に転換できると筆者は分析する。
時代の流れがすごく速くて、きっとこういう世界で働いている人たちも大変ですよね。
常に新しいものが存在し始めるし、それを作っていかないといけないし・・・
時代ですが、そのなかでも大事なものってのはきっと共通なはず・・・
それだけは変わらないようにしていきたいものです。。。
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「コインパーキング=売れ残りの土地オーナーとドライバーのマッチングビジネス」と捉える考え方
つまるところベンチャーというのは、ビジネスモデルこそが肝なのであって、それ以上でもそれ以下でもない。
~略~
秀逸なビジネスモデルと資金、人という三本柱がきちんと成立すれば、そのベンチャーは離陸を約束されているといっても過言ではないだろう。
「ジジイキラー」能力の第一世代、営業力の第二世代
結論から言ってしまえば、Web2.0というパラダイムは、極大化されたデータベースの海と、そこから的確に有用なデータを拾い上げるための「UFOキャッチャー」アーキテクチャという二つの層からなっている。データベースが極大化していけばいくほど、そこから情報を収集・マイニングするためのUFOキャッチャーは高度化していき、高い能力を求められるようになる。今後、ネットのビジネスの世界はその方向にそって進化していくのは間違いない。
「UFOキャッチャー」アーキテクチャというのは、現実に存在するサービスでいえば、検索エンジンやRSSリーダー、ソーシャルブックマーク、あるいは階層型メニューを持つポータルサイトなども含まれる。
~略~
「検索結果ページ」というユーザーインタフェイスは、検索結果上位五位ぐらいまでのウェブサイトにばかり注目を集めてしまい、それら上位サイトを「マスメディア化」してしまう欠陥を持っているし、さらに言えば自分に興味のないデータには目がいかない「タコツボ化」も引き起こす。
同様に、RSSリーダーは、RSSフィードの数が増えすぎるとインフレーションを起こして読めなくなってしまうし、ソーシャルブックマークにも母集団が巨大化すると希薄化してしまうという問題がある。
Web2.0に存在するある種の共通した方向性=「すべてをオープンにしていこう」
ウェブ中心部ではなく、周縁部(ロングテール)も
ソフトウェアではなく、データベースを中心に
ナレッジマネジメントの世界ではよく語られる言葉だが、知識には「形式知」と「暗黙知」がある。
「インターネットは平等な人々しかいない自由な世界で、コミュニティこそが本質なんだ。コミュニティ化できないウェブは消え去るしかない」
「集合知の世界では、商品力こそがすべてだ」
「消費者から信頼されていない企業は、ネットで長くは生き残れない。自然浄化作用がネットは強い」
ポータルサイトが成功するために必要な要素
①開設当初から、圧倒的な情報量
②企業では限界があるため、ユーザーによって情報が自己増殖する
③あらゆるポイントで顧客にコンタクトして、注目を集める
これはまさしく、Web2.0の構成要素である。①はデータベースであり、②UGC、③はアテンションエコノミーの応用である。
アマゾンのモデルだと、巨大な物流倉庫を持っていて、いままで死に筋でだれも買ってくれなかったような在庫を抱えていなければ、ロングテールは実現できなくなってしまう。だからアマゾンがロングテールの象徴のように語られることについては、「ちょっと違うのでは?」という見方をする人もネット業界には少なくない。
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Googleの話というよりも、日本のネットビジネスの黎明期から現在までを、編集記者の立場で見てきたことを語っている話がリアリティがあって面白かった。自分で商売を始める時には読み返してみよう。
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ウェブサイトが成功するための三原則
・ポータルを開設した段階から、とにかく圧倒的な情報量が必要
・企業の側が継続的に増やしていくことには限界がある。ユーザーによって情報が自己増殖していく仕組みを作らなければならない。
・ありとあらゆるポイントで顧客にコンタクトして、注目を集める必要がある。
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とのこと。
圧倒的な情報量、というのはなかなかハードル高いですね・・・
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・で、思うにマッシュアップやらなんやらというのは、Google様やAmazon様という大地主によって与えられた土地で、小作人として生きる道のことを、なんかキレイに着飾ってごまかしているにすぎないのではないのかと
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⇒ビジネスモデル的にはまさしくそのとおりでしょうか。技術者としては膨大なデータで"遊ぶ”というという感覚ではないでしょうか。見方によって全然違うところが面白いです。
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・「市場を制覇した後、収穫に入る」というネットワーク外部性の法則を楽天は忠実に実行したわけで、そのもくろみどおりの結果になってしまったのだった。
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⇒初期投資が少なくて済むインターネットにおけるビジネスだからこそなりたつ手段でしょうか。ADSLにおけるYahooを見ていても成り立っている気もしますが・・・
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・集合知は多数決の原理であり、いわゆる民主主義的、あるいは大衆礼賛であるが、衆愚に陥る可能性もあり、また、真実は多数決では決まらないことを忘れる危険を伴う(天動説の時代には天動説が多数意見となる)。したがって、真実かどうかはどうでもよく、ただ多数の趣味趣向がわかれば十分なもの(たとえば流行)についてはWeb2.0は有益であり、逆に真実を探るにはWeb2.0は不十分である)
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⇒ネット上で情報を集める際には気をつけないといけませんね。
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ソーシャライズされた世の中で、集合知としてのウェブと自分がどう関わって行くべきなのか?
どのようなサービスやスキームを通して、活用していくべきなのか?
また集合知の一部として自分は何を与えられるのか?変換して行く世界にどう影響できるのか?
今後日々選択し、働き、生きて行く中で必要であるウェブについてその企業側からの歴史を踏まえて考えさせられました。
その発展過程から考えると電子情報の幅は広がり続け、そのうち現実社会と遜色ないものになって行くでしょう。
企業にとってはビジネスとして、それをどう提供していくのか?消費者にとっては莫大な情報からどのように利益のあるものを掬い取っていくのか?
近いようで遠い、この両方の視点を共存させていきたいです。
読みやすいです。
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経産省の「情報大航海」について知らないということで友達が貸してくれた本。6章以降しか読んでいないが、IT業界は進歩が早いので3年前のこの本を読んでも今の状況をフォローできるわけではないと思うので6章以降で十分かと。一方で、前文と矛盾するかもしれないが、経産省の情報大航海は、現在叫ばれているクラウドコンピューティングやセンサーネットワークのさきがけだったのではないかと思う。ネット上のテキストだけでなく、リアルの世界とのつながり(さまざまなセンサや統計情報)も情報化することであらたな付加価値、サービスを生み出すというのは、まさにいまグーグルなどがやろうとしていることであり、経産省はいいとこついていたのではないか。そうすると、なぜそれが失敗したのかをしっかり検証することが必要なんだろうな。2010/10/15
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ブロードバンドの普及により、人々のインターネット利用のスタイルは劇的に変わりました。ネット上で情報収集をし、ショッピングをして、様々なツールを使いこなすのが当たり前になってきたことで、ネットビジネスはより深く私たちの生活や仕事へと入り込んできました。
そしてweb2.0という概念が生まれ、ネットビジネスの進化はさらに加速しています。
本書はそうした進化の過程が今どのような段階にあり、そして今後どのように進んでいくのか。その中で、どのようなビジネスチャンスが生まれるのかを描きだしています。
個人的には今後のネットビジネスは特化型SNSが伸びるのではないかと思っています。
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Web2.0の成功モデルとしてアマゾンが上げられる、ロングテールで有名だ。ロングテールとはヒット商品の影に埋もれた商品群を大量に揃えることで、そこから売り上げの8割以上をあげるというものだ。アマゾンの成功も結局は自社でプラットホームを設けることができる企業でなければならない。プラットホームを自社開発できない企業はグーグルに地代を払い広告を出してもらうしかない。これを著者は地主制度2.0と呼んでいる。
果たして地主制度2.0を打ち破るような画期的なビジネスモデルは生まれるのか。グーグルは画像検索などと進化を遂げつつあるが、日本の技術力からして次世代の検索エンジンが国産であっても不思議ではない。ただ、官主導の予算を付けてもらい国家目線で企業を育てることについては反対の立場をとる。
グーグルを超えるほどの企業を育てるには、全てにおいて既成概念をぶち壊さなければいけないのだろ。当然、頭の固い役人には出来ない仕事なのだ。日本のアニメが世界を圧巻したように、社会に埋もれた逸材がとんでもないものを作る可能性に期待をしたい。
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[ 内容 ]
Web3.0のステージを制するのは、一体どんなビジネスモデルなのか?
[ 目次 ]
第1章 源流-「おせっかい」なビジネスモデル
第2章 進化-復古運動としてのWeb2.0
第3章 変化-「地主制度2・0」と楽天の岐路
第4章 融合-交差するヤフーとミクシィ
第5章 期待-グーグルを超える「UFOキャッチャー」
第6章 鉱脈-「リアル世界」に進出する日本の検索エンジン
第7章 進出-「無料経済」下の収益モデル
第8章 打破-キーワードは「リスペクト」
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[ 参考となる書評 ]