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紙の本
「おわら」の二人踊りをこの目で見たくなった
2007/06/11 08:37
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
哀切な胡弓の調べと幽玄な踊りで全国的に有名な風の盆祭り。自画自賛タイプ、女性に弱い、作家内田と、引きずられて仕方なくの浅見光彦探偵。なんだかなぁ。この二人、日本人の男性の典型かも。
「富山県民謡おわら伝承会」と無玄寺・「おわら伝承会」・「おわら学校」の対立関係の溝が深まる中、「金魚事件」が発生。暴力団関係が賠償金目当ての脅しをかけてきた。警察が屋台を禁止。仕返しに何かあるのではと心配していたとこへ、ヤクザと付き合いがある弥寿多家の若主人の死体が発見された。現場は「あじさいの丘展望台」から若宮八幡社への下り坂。警察は自殺と断定。
当夜、宿泊していた宗匠は、御高祖頭巾の若女将が出かけるところを見ている。宗匠の依頼と内田の勝手な思い込みから、押し切られて、名探偵出動。
文章だけなのに、若主人晴人氏と元恋人増子さんとの踊りの幽玄さ、哀切さが圧巻。この目で見たくなる。
喫茶店主人篤子の男勝りな性格、さらに探偵二人のあほな会話が面白い。
けど、旅館のどら息子と踊りの名手が同一人物というのはちと無理があるような・・・
若女将が一生懸命働いているのに、なんちゅう奴や!!
40代の夫婦二組ともに子どもがいないというのも・・・現代ならでは、なのかしら?
情緒もあるし、どんでん返しもあるし、テンポもいいし、リラックスするための本としてお勧めできます。
しかし、内田泰夫って、実生活もああなんだろうか?多分、多少オーバーでも、ああなんだろうなぁ。あそこまで書けちゃうということは、自分を肯定しているということで、ヤッパリ自画自賛タイプかぁ。ある意味、見習うべきかも・・・
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