紙の本
「なんて本?」「人の孤独について書かれている」
2007/08/15 01:54
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉田秋生先生の傑作「BANANA FISH」(小学館文庫で発売中)。主人公アッシュ・リンクスと、彼を鍛え上げた美しき師匠、ロシア人ブランカ(白)との本書を巡る印象的なやりとりである。あれから20数年。何度か手にとってみたが、読みはじめるにいたらなかった。昨日の午後から。上巻を読み終えた。ニコチンガムをしがみつつ。
酒を飲めるようになってから、よく晴れた夏の日に読むべき小説だったのです。ひとりで。
「孤独」については。まあ。語る資格がないので。
本書には多くの酒、カクテル、料理が登場する。どれもすばらしく、美味しそうに描かれている。暑い夏の日には良さそうだ。酒を断っているので、どなたか。以下試してみていただけたら。
「ジン・トニックにライムの薄切りを一枚、それにアンゴスツラ・ビターズを数滴落としたのを一杯飲んだ」(本書p.25)
「右手にトム・コリンズを注いだグラス、左手にチリー唐辛子を持っている。「いけるよ、これ」とジョニー。「ほんの少し噛みちぎっただけで、口の中か燃え上がる。それをこいつで冷やすというわけだ」」(本書p.37)
「立派なビール党さ。だが、おまえは食事の時は、赤葡萄酒を水で割ったのが好きだった」(本書p.95)
「 エディーが背の高いグラスに注いだ冷たいカクテルージン、ライム・ジュース、椰子の生汁、ぶっかき氷にアンゴスツラ・ビターズを落とし、錆びたピンク色がほんのりと出ていたーを持って、艇尾側のハドソンに届けると、ハドソンは酒を日陰に入れ、海を見張っている間に氷が溶けぬようにした」(本書p.136)
「「パパ、お酒だ」若トムが酒を下から手渡した。コップを紙ナプキンで三重に巻き、ゴムバンドで固く留めて、氷が溶けぬようにしてある。「ライムにビターズを入れ、砂糖は抜きにしといた。それで良いの?それとも作り直す?」「上等だよ。椰子の汁で作ったんだろうな?」」(本書p.193,ジン・ベースです)
「ウィスキーを割るにはペリエ水が抜群に優れていると思う。」(本書p.317,スコッチ、オールドパーです)
ビターズと椰子の生汁、が手に入りづらいですね。以上、失礼しました。ウーロン茶飲んで、書いてたら何となく気持ちよくなってきました。
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ヘミングウェイ未完の遺作。ヨーロッパのスノッブなインテリ都会人、豊かな自然に囲まれた島での生活、家族の絆と生活環境の違い、別れと絶望。良くも悪くもアメリカ的そしてヘミングウェイ的。さすがだぜアーネスト爺ちゃん。
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釣りのシーンとかカクテルの描写とかはさすがにうまい。会話も生き生きとしていてとてもいい。そしてネコがかわいい。ヘミングウェイ作品の中では一番好きかもしれない。淡々と生きる主人公の中に、「人生ってこんなものさ」というヘミングウェイからのメッセージがこめられている気がした。淡々と生きパタリと死ぬ。その中に、この作品がそうであるように、人には知れない、ひょっとすると自分でさえも知らないようないろいろなドラマがあって、それが印象深くて大切で懐かしくて、とても貴重だったりもする。そんなことに気づかされる。それが人生です。
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恐らく一番好きな本だと思う。
少なくとも、ヘミングウェイの中では。
人生に疲れたり、孤独を感じるようになったら読みなさい。
(注意:元気が出る本ではありません)
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巨大魚と闘う少年の描写が素晴らしいだけに、その後に訪れる悲劇がより一層胸を締め付ける、ヘミングウェイの死後に未亡人が残された原稿を基に発表した作品。
吉田秋生の「BANANA FISH」の登場人物のセリフの影響で、約15年前に上巻のみ購入。
途中で読むのを挫折していたのを、今回再度チャレンジして読破。
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ヘミングウェイの中では一番好きな作品。ヘミングウェイの人生が詰まっているような作品で、自然描写やありのままの人物描写、どれをとっても一流の作品ですね。
読み口はとってもドライで、中々読みにくいかもしれません。自分も「老人と海」「誰がために鐘は鳴る」「移動祝祭日」「短編集」など様々に読んでからたどり着きました。
ジントニックとか飲みながら読みたいですね。
全2巻 所有
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離れて暮らす3人の息子たちとの幸せな夏休み。強い日差しと若々しさ、日光を映して輝く海。第1部「ビミニ」の生きる喜びに満ち溢れたシーンに、一瞬ヘミングウェイは生と成長を描こうとしたのかと錯覚させられます。ヘミングウェイの死後に発表された長編。
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フローズンダイキリ
「」
ラム 40ml
ライムジュース10ml
ホワイトキュラソー1tsp
砂糖1tsp
クラシュドアイス
ブレンド
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図書館で見かけて。 息子達が登場している場面での会話に訳も分からず癒されました。和みの時間をありがとうヘミングウェイ…!
主人公が淡々と語る幸せについてなるほどなぁと思ったり、家族と時間を共有できることの有り難さを感じました。今を精一杯楽しみたくなったな。
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シーカヤック友達(オジサン)のバイブル
ときいて手にとってみた
なるほど、彼の作る世界観が良く分かる!
しかし
残念ながら
私にはあわなかった。。。
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”ビミニ”が、自分好み!
キラキラと輝く生の光りと、影。眩しい光によってつくりだされた影の方がよっぽど暗い影になるんだよね。
この章だけでも十分一冊の本ですね。
この人の話は食べ物が本当に美味しそうで大好きです。
この人の話はタイトルが凄く上手すぎて憎い。
つまり、ヘミングウェイ大好きです。
ヘミングウェイの作品は全部手元においておきたい。
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遺作。「誰がために...」とは打って変わった出だし。
3人の愛息を見守る父が主人公。
釣りの描写を見て、あぁこの人、
「老人と海」の人でもあったんだと改めて思う。
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第1部「ビミニ」での主人公の暮らしぶりに強く惹かれる。
資産家でもなければできない生活だが・・・夏のうちに流木を集めておいて冬に暖炉で燃やして緑色の火を眺めながら波の音を聞きながら読書とかって格好よすぎる。
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この本で読書感想文を書けと言われたら「アホか」と言うだろう。
読んで感想を書くタイプの内容ではない。その時代・場所の空気を味わい、実感するための一冊。読むことで旅行を果たせるような本。
肌に合う人にとっては、手元に置きたい良書になると思う。
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ヘミングウェイの自然描写がたまらなく美しい。
トローリングでは巨大カジキマグロと死闘を繰り広げ、夏の暑さと喉の渇きを癒す清涼感たっぷりのフローズン・ダイキリとモヒート、男同士のむさ苦しくも熱い友情、美しく魅惑的な女性。解放的な世界が広がる一方、寂寥感や孤独さがじわっとくるのはなぜだろう。
ヘミングウェイの生き様を凝縮したかのような流れる文章の一つ一つに、グイグイ飲み込まれて行く。