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紙の本
いろ色々、由来も色々
2004/03/01 12:04
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投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
「葡萄色」と書いて「えびいろ」と読む。山葡萄が、昔はえびかずらとよばれていたことに由来する。まさしく葡萄の皮のような赤紫色だ。
「砥の粉色」とは、刃物を砥石で研いだ際出る細かな粉からきていて、砂漠の砂のような黄みがかった砂色だ。この砥の粉、以前は男優のメークアップにも利用されたそうだ。
「サーモン・ピンク」は、いわずもがなの鮭色。正確には、鮭の肉の色。人間の肌や一部の器官の色を表す際にも使われる、お馴染みの色だ。
ピンク系や茶系などに分けられた様々な伝統色が、鮮やかな色彩と共に解説されている。ある色は鉱物に由来し、またある色は鳥の羽に由来する。そしてかなりの数を占めるのが、植物に由来する色だ。前述の「葡萄色」然り、「ピー・グリーン(エンドウ豆に由来する)」然り、「露草色」然り。由来の説明に専門用語はほとんど無く、美術系の話題に疎い私でも楽しむことが出来た。
巻末には配色のためのアドバイスも付いているので、専門知識を有している場合はともかく、デザイン初心者や趣味で始めようという人にも親切だ。
平安時代の女性が袿(うちぎ)を重ねた際の、季節に応じた決まり事も載っている。そうした知識を得た上で当時の絵巻物を見ると、ちょっと得した気分を味わえる……かも?
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