紙の本
あの雫井がこんなレベルの低い作品を書いた?映画化を念頭に置くとここまで中身がなくなる、というお手本。もしかして『犯人に告ぐ』が良過ぎたせいかも・・・
2008/02/09 20:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
雫井は好きな作家でした。特に『栄光一途』の女剣士・佐々木深紅がお気に入りで、『白銀を踏み荒らせ』も舞台こそ違え、深紅が登場するのでワクワクして読みました。別の意味で感心したのが、WOWOWで映画にもなった『犯人に告ぐ』です。映画で感心しなかった人は是非、小説を読んでいただきたいのですが、「おお」って思います。
で、今度も刑事ものです。出版時期も映画『犯人に告ぐ』の公開を意識したと思います。雫井を知らなかった人は当然でしょうが、以前、彼の作品を読んだことのある読者は、「ああ、あの」と思ったはずです。そして、きっと面白いに違いない、と。カバーにしたって日端奈奈子のイラストレーションは線が甘めだけれど、ブックデザインの鈴木成一デザイン室が上手くカバー?しているし。
主人公は佐原夏輝、警視庁S署E分署の刑事課一係の新米刑事で、祖父・富成が亡くなったばかりです。この小説、あまり登場人物の年齢をはっきりと書きません。夏輝にしても12年前中学生というから、27歳以上ということはないようですが、24歳であっても違和感はありません。三代続けての警視庁刑事で、父似といわれます。ただし、夏輝は父親のことが好きではありません。
理由は、父親が家庭を顧みないから。そのせいで母の小都恵が12年前に蒸発したと考えています。家に寄り付こうとしない父親に替わって彼を育てたのが祖父母でした。その富成も今はなく、祖母・多美子が家を守っている状態です。夏輝には妹がいます。母親が姿を消した時、小学生とありますから、24歳以下であることはたしかで、母親似といわれています。
話は、全く知らないヤクザ風の男が夏輝に声をかけてきたことから動き始めます。後に44歳だったことが分る貝塚剛久は、ビルのオーナーでブローカー。貝塚は夏輝が島尾の息子であることや、小都恵が失踪したことを知っていることを匂わします。その彼が殺されます。それがこの事件の最初の犠牲者です。犯人探しは、夏樹と明村との関係を軸に展開していきます。
まず最初に違和感があるのが、自分が憎んでいる父親と同じ職業を選ぶ、そこが分りません。実は、心のそこで父親を慕っていた、となったとしても、同じ刑事の道を歩む理由がわかりません。と同時に、同じ事件に投入されれば、厭でも周囲からは親子として見られる、それが分らないとすれば余りに愚かでしょう。
しかもです、憎むべき父親・島尾明村ですが、捜査一課の五係の40代のデカ長のあだ名が、ジェントル島尾で、得意技がジャケットプレイとくると、完全にB級テレビドラマです。父親に向かって「お前」呼ばわりをするのもリアリティを感じませんが、公園で親子で相撲する場面などは、半世紀前のお話か?と脱力してしまいます。
あだ名も面白くありません。夏輝はジュニア。五係のベテラン係長・鍵山健介がアイスマン鍵山。五係の独身貴族といわれ昔、夏輝とキャッチボールをしたこともある四十代の古雅がバチェラー古雅。五係の中年刑事の富樫は体臭のひどさからスカンク富樫。捜査一課の五十代の管理官・南は髪が薄いことからタコ。オクトパス南。夏輝の先輩刑事の鷹野は、いつも捜査一課を誉めることから自称「捜一オタク」。
今時のコミックスだってこんなレベルの低いこと、やりませんて。むしろ、後半に出てきて殆ど冗談を言わない、刑事になりたかったタレ込屋相星と過去に拘る順子の二人がが心に残るのは、いかにも作者がサービスしました、といわんばかりの無理な設定の登場人物に全く感情移入できないからないほかなりません。作ったユーモアの限界を感じた一作でした。
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続きそうだな、コレ。雫井さんは大好きだけど男臭くてそこまでハマれなかったけど面白かった!07.09読了。
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新米刑事の夏希が、初めての現場でパートナーを組んだのは幼い頃に別れた父だった・・・。
ミステリーとしてはまぁ・・・・これといって、普通・・・・というか途中で飽きてきた^^;
でも夏希と父親との絡みは面白い!ミステリーの中で「くすっ!」と笑える場面。
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刑事になった最初の事件、そのパートナーは・・・母を捨て離婚した実の父だった。管内で起きた刑事殺しをきっかけに、奥深い刑事と犯人との全貌があきらかに・・。
テンポが良く面白い。そして最後は心温まる本です。
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自分を捨てた父親を許せない夏樹(刑事)と夏樹の元を去った父親(刑事)がひょんな事からコンビを組む事になり、刑事が殺された事件を追うことになるが、父のチームに裏切り者がいるらしい。裏切り者は父なのか??疑心暗鬼になりながらも、どこかに父を信じたい夏樹は・・・
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なかなか面白かったです。
新人刑事がある事件を追っていく話。
その事件には警察の中の人間が関わっている気配も・・・。
それだけでなく、昔主人公を捨てていった父も同じ刑事で同じ職場。
お互い素直になれない関係。
この親子関係もすごく気になる。
事件の話よりも親子の関係の方が気になった私。
この人の文章すごく好きです♪
話題の「クローズドノート」はお勧めです!
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ベテラン刑事の父親に反発しながらも、同じ道を歩む息子の夏輝。夏輝がはじめて現場を踏んでから一カ月が経った頃、捜査一課の係長が何者かに殺害された。捜査本部が疑う内部犯行説に、曲者揃いの刑事たちは疑心暗鬼に陥るが…。初の現場でコンビを組む事になったのは、少年時代に別離した実の父親だった―
これを読んで、この著者の著作を見て、この方がバリバリのミステリー作家だというのを知りました。ビックリ!「犯人に告ぐ」はこの方の作品だったんですね。
内容は続き物?と思うような終わり方です。こんなパパ嫌だけど、話としては面白い(笑)私的には、パパと同じ捜査一課の五系に入るといいなぁ・・・相星が結構好きでした。
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「この仕事は延々と続く汚れた床を、たった一枚の雑巾で拭くようなもんだって気づいたよ。頑張って拭いたって、大してきれいになんかなりゃしない。そのうちこっちも汚れてきて、拭いてるんだか汚し合ってるんだか、分かんなくなってくるってもんだよ」古雅
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主人公・夏輝が刑事になり、そこには自分の父親がいて。だけれどその父親に対して複雑な感情を持っていて・・・。
数々の因縁がたくさんあって、それがまた事件に絡んでいた。
五係の刑事たちもそれぞれ味があって素敵だった。最高に面白かった。
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お父さん、ウケ狙いで言ってるんだと思ってたら・・・息子のピンチの時も「足つった!」って!!・・・面白いっ(笑)
確かに面白かったし読みやすかったけど、
「犯人に告ぐ」の様な警察話を期待してただけに・・・文章が軽くて、残念な感が残る。。。
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面白いね、すっっっっっごく。ぃゃー…世界に連れ込む力でいっぱい。一気に引きこまれて読んじゃったもん。専門的っていうよりも特別な言葉が多くて、整理しながらちゃんと考えて読んでいかないとグチャグチャになっちゃうけど、それはまたそれで、自分もこの中の一員みたいで楽しかった。刑事って…本当にこんな世界なの?不思議な感じ。でも面白い。まだ続けそうだよね。夏輝、捜一入らないかなぁー。なんて思ったり。相星のキャラが結構好きだったかな。
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途中まで読んで、間2週間開いて続きを読んだので、物語の繋がりがよく分かっていないまま読了。父親のジャケットプレイ等面白いところはちょこちょこあったものの、全体のストーリーとしてはもう少しインパクトが欲しかったかな。
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主人公が刑事で、その父親がまた敏腕刑事…というのは良くある設定だけれど、この本の中では父がとっても良い味を出してます。途中、謎の設定が絡み合って何度も読み直す場面もあったけれど、全編を通してとても勢いのある話でした。(2007/3/31読了)
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☆2008・1
刑事の親子鷹物語。刑事にジェントルやジュニアやゴブリンなんてニックネームがあって笑える。実際はわからないけど、刑事と情報屋の絡みがあざとくって…。全体的に軽快で即効読了可です。
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「犯人に告ぐ」とか「火の粉」を読んだ人は、きっとがっかりするでしょう。主人公はまだしも、主人公の父があまりにも軽薄すぎて嫌悪感すら抱きました。この人はこういう路線では行って欲しくありません。今年最初に読んだ作品がコレでは、この先が思いやられます。