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ルピナス探偵団の憂愁 みんなのレビュー

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みんなのレビュー33件

みんなの評価4.0

評価内訳

33 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

少女少年探偵団よ 永遠なれ

2008/05/04 17:02

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

高校時代から仲の良かった三人の少女と一人の少年は
「ルピナス探偵団」として様々な活躍をしてきました。
『ルピナス探偵団の当惑』という先行の本があります。
(未読です)

本書ではまず、25歳の彼らを描くのですが
ルピナス探偵団のメンバー、美人で目立つ日影(旧姓京野)摩耶が
急逝してしまいます。彼女は生前、家の庭を市に寄付し、
そこに不可解な小路を作っていました。(「百合の木陰」)

ユニークなことに、本書の短編は
時間をさかのぼって収録されています。
日影摩耶も当然、過去の謎には絡んでいるのですが
彼女の存在は儚げで、そのセリフは深い。
ある意味、彼女がこの短編集の主人公でしょう。

授業が素敵な教授宅で起きる事件「犬には歓迎されざる」。
解決した二重密室殺人の真相「初めての密室」。
卒業目前にルピナス学園で起きた殺人「慈悲の花園」。
それぞれで語る、黒一点の祀島龍彦の博識と蘊蓄に惹かれ
辛辣な桐江泉(きりえ いずみ)の行動、
小説家志望の吾魚彩子(あうお さいこ)の
棚ボタ的発想に笑わせられます。

暴力的な吾魚の姉不二子もそうなのですが、
登場人物みんなが愛すべきキャラクターなんですね。

静かな口調の祀島の解答、美しいシーンを作り出す物語が
特徴的です。華やかなミステリーなのに、どこか悲しいのは
もうルピナス探偵団が結成されることはないのだ
ということに尽きるのでしょう。


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紙の本

前作ほど感心しなかった理由は、登場人物の動きにわざとらしさが目立ったから。エキセントリック姉など、ちょっと鼻につきます。でも、最も大きいのは今回収められた作品が、前作の時点で構想されていなかった気配があること。安易なシリーズ化は絶対だめなんです

2008/05/10 19:10

9人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

原書房から2004年にミステリー・リーグの一作として出た前作『ルピナス探偵団の当惑』には感心しました。それまでも何作か津原の小説を読んではいましたが、この作家とじっくり付き合おう、と決心させたのは『ルピナス探偵団の当惑』です。自分のメモを見ると
                      *
ミステリー・リーグの一冊で、装画は、この10年間でみれば多分、わが国の本のカバーを最も飾ったであろう天才北見隆、彼の銅版画で、装幀したのはこの叢書を多分すべてまとめているだろうスタジオ・ギブ(川島進)で、作者は1964年生まれの、1989年に津原やすみ名義で少女小説家としてデビュー、97年に津原泰水として大人の世界に乗り出してきたらしい。

じつによく考えられた本格推理小説で、しかもトリック至上主義でないところが、実にモダンですっきりしている。一種の倒叙ものである「冷えたピザはいかが」の論理性は、ご立派としかいいようがないし、密室ものの「ようこそ雪の館へ」も、さらに仕掛けがあっていい。都筑道夫ばりの論理展開をみせる「大女優の右手」も、ご立派としかいいようがない。

後年の都筑御大よりも上手いのではないか、と思わせるのは、話が単なるパズルで終わってはいないことである。それに寄与しているのが、何といっても彩子、キリエ、摩耶、龍彦の4人のテンポのいい会話で、読者にマイナスイメージを与えるのが彩子の姉不二子。図々しいだけの厚顔の大人など、学園ものには邪魔なだけである。ともかく、この4人と再会をしたいものである。
                      *

などと珍しくシリーズ化まで望んでいます。装画・装幀を担当するのも前回に引き続き北見隆です。ブックデザインは緒方修一。ちなみに装幀とブックデザインは同じだと思っていたのですが、この本を見る限り別のようです。その線引きがどこでなされているのか知りたいところではあります。閑話休題、今回は『当惑』の後日談。出版社の Web に載っている津原の言葉には

「四人が迎えた卒業式で、『ルピナス探偵団の憂愁』は終わります。貫徹できるかどうか五分五分と感じながら始めたこの構成は、仕上げてみればなかなか素敵で、来春、さまざまな「卒業」を迎えられる皆さんに、ぜひ読んでいただきたいと思っています。」

とあります。よく読めばシリーズ終わりの宣言ではなくて、『ルピナス探偵団の憂愁』の終わりを告げているだけなのですが、個人的にはこのまま終ったほうがいいかな、とは思います。もっとも面白いところで幕を引く、というのは難しいのはわかりますが、このままズルズルと四人が高齢化し、軽快だった会話が軽薄になるよりは、ここですぱっと、なんて思ったりします。

ちなみに、今回もっとも不愉快な存在だったのは、意外や前作で無神経、ガサツと私が貶した吾魚不二子ではなくて、姉のことを悪しざまに言う吾魚彩子でした。親しき中にも礼儀あり、幾ら姉妹とはいえ身内を貶してばかりいる人間に好意を抱こうとは思いません。そんな人間はいつか友をも裏切りかねないから・・・

各話を初出とともに簡単にご紹介。

「百合の木陰」(ミステリーズ!vol.18):川越の富豪に嫁いだ日影(旧姓京野)摩耶が死んだ。難病中の難病、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病による急逝。享年二十五。彼女が夫に無理を云って市に寄贈させ公共の場として温存を望んだ土地、何故か彼女は中を通る道に拘り・・・

「犬には歓迎されざる」(ミステリーズ!vol.20):大学生の吾魚彩子と祀島が訪れたのは、吉祥寺に住む大学の歴史学専攻教授の石神井玲の豪邸。彼の家の別邸には小説家の蒲郡要と、要が忠犬ハチ公の末裔と信じて買ってしまった犬のサンジュウが同居していたが・・・

「初めての密室」(ミステリーズ!vol.21):国立大の理学部に通う桐江泉に誘われて初めて合コンを経験した吾魚彩子が、会場で出会ったのは現在服役中の殺人犯の息子だった。同性のストーカーに付きまとわれていた彼の姉が密室で殺された事件から四年後、祀島龍彦が語る真相・・・

「慈悲の花園」(ミステリーズ!vol.22):高校卒業式を目前にしたルピナス学園で、殺人事件が起きた。兎小屋で殺されたのは20年前、経営危機に陥っていた学園の建て直しのために就任した多々良理事長。卒業をしたくない4人は、シスターたちの目をかいくぐって現場に立ち入ろうとするが・・・

最後に、本の登場人物紹介を写しておきます。

吾魚彩子  小説家志望の主人公。論理的な思考が苦手。
祀島龍彦  古生物を愛する怜悧な友人。顔を覚えるのが苦手。
桐江泉 キリエ。編集者となる義理堅い友人。素直になるのが苦手。
日影摩耶  旧姓京野。美しき友人。考えること自体が苦手。
吾魚不二子 彩子の姉。常識に従うのが苦手。
庚午宗一郎 不二子の若き上司。地位相応の態度が苦手。
椙村冬子  不二子の同僚にして天敵。

蒲郡要    ぶっきらぼうな小説家。
日影忠治   ユーミガミスに似た摩耶の夫。
石神井玲   彩子が通っていた大学の名物教授。
日野慶太   かつて彩子が解決した事件の犯人の息子。
シスター白州 ルピナス学園の名目上の校長。
シスター黒州 世話好きで陽気なシスター。
シスター茶堂 女優のように凛としたシスター。
シスター阿保野 軍鶏に似たシスター。
シスター百瀬 恰幅のいいシスター。
シスター城崎 冷酷と噂されるシスター。

以上です。

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紙の本

私たちは永遠の友情を誓う

2009/12/17 03:28

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:依空 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『ルピナス探偵団』シリーズの第2作目です。ルピナスの学園生活の中で、「探偵団」として絆を深めた彩子、キリエ、摩耶、祀島の4人。その内の1人であった摩耶の死という衝撃的な展開から始まる本作は、前作に比べると少し重く、切なく、けれど緩やかな優しさを感じられる作品でした。
ストーリーは25歳の時の摩耶の死から始まり、大学時代、高校時代へと時を遡ります。この逆回しの構成が非常に効果的で、痛いほど読み手の胸を締め付けてきます。
進学、就職、結婚とそれぞれの環境が変わりながらも親交を続けてきた4人。環境が変わっても関係は変わらない彼らが微笑ましく、第1話で摩耶の死を知っていることで第2話以降の彼らが一緒に過ごした日々が非常に輝いて見えます。

第1話「百合の木陰」は、摩耶のお葬式という衝撃的な場面から幕が開きます。淡々とした静かな文章に、寂しさが押し寄せてくるようでした。摩耶が残した小路の謎は彼女の抱えていた秘密に深く関わっているのですが、前作で抱いていた彼女のイメージが変わりました。正直、私の中で摩耶の存在は1番薄かったのですが、この第1話を読み、そして第3話、第4話と話が進むにつれ、彼女の無邪気な明るさの中に隠れていた深い感情に触れることができ、彼女という人物の深さを知れました。
そして、彼女が秘めていた想いを正確に辿っていく3人に、彼らの一言では言えない絆を感じました。

第3話の「初めての密室」は、彩子が初めて解いた事件の隠れていた真実のお話です。前作で彩子の推理力について疑問を持っていましたが、なるほどと納得する内容でした。しかし事件そのものよりも、やはりこれも最後は摩耶に締められた作品であると感じました。
秘密を抱える摩耶の言葉には非常に重みがありましたね。

そしてルピナスの卒業式を控えた彩子たちを書いた、第4話「慈悲の花園」。ルピナス学園の雰囲気を上手く使った作品でした。
最後の彩子、キリエ、摩耶の永遠の友情の誓いに泣けます。ちょっと古さを感じたことはさておき、彼女たち(+祀島くん)の絆に胸を打たれますね。最後まで読んで、第1話の「百合の木陰」を読み返すと余計に泣けてきます。
静かな筆致で語られたルピナス探偵団の物語は、最初から最後まで優しさに満ちた作品でした。

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2008/03/25 21:26

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2008/09/15 03:52

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2008/12/25 12:13

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2009/04/08 10:24

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2009/12/27 20:09

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2010/01/15 23:02

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2010/01/19 15:53

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2010/04/18 23:42

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2011/01/08 01:08

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2011/11/10 22:01

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