サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

泣き虫ハァちゃん みんなのレビュー

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー21件

みんなの評価3.8

評価内訳

  • 星 5 (5件)
  • 星 4 (7件)
  • 星 3 (7件)
  • 星 2 (1件)
  • 星 1 (0件)
19 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

やさしく清らかな物語

2007/12/11 18:06

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今年七月に逝去された河合隼雄先生。その心のあたたかさ、人徳をしみじみと思わせる一冊である。
平易な文章で綴られる笹山での少年時代の話は、清々しくのびやか。自伝小説が陥りがちな、極端な甘さ、或いは逆に自己韜晦や卑下といったところがなく、読み心地がとても気持ちよい。男ばかりの六人兄弟の五番目のハァちゃん。兄弟の名前は、漢字だけ変えてあるようだけれど、中にはあの先生だな、とつながる名前もある。しかし、そんな現実とのからみなど問題ではない。物語を読んでいれば、ハァちゃんがどんなに心温まる、素晴らしい家族の中にいたかがわかるからだ。厳格なようでどこか剽軽なお父さん、包み込むようにやさしいお母さん、それぞれ個性あふれる四人のお兄さんにまだ小さな弟。この家族の中で、ハァちゃんはどんな存在やったんやろ…。自然に、そんなことを考えたくなる。ハァちゃんが喧嘩して帰ってきた時に、怒られるかと思ったら兄弟揃って喜んでいるくらい、おとなしいことで心配されていたようでもある。けれど、将棋に強かったりしてしっかり者と思われているようでもある。もちろん、一番重要なのは表題にもあるように泣き虫、という点だろうか。
ハァちゃんは本当に泣き虫で、読んでいても(あ、また泣いてる)と思うくらいだが、それにまつわるエピソードで最も印象的だったのは、『どんぐりころころ』の歌を歌っていて、(どんぐりはどうなったんやろ)と思ったハァちゃんが泣いてしまうところ。見つけた一番上のお兄さんが「どないしたん」と声をかけると、ハァちゃんは「あの、どんぐりさんが池にはまってな」と泣くのだ。お兄さんは《温かい目で》ハァちゃんのことを見るのだが、お兄さんならずとも温かい目になると思う。繊細でやさしい心を持った男の子なのだ。なんだかこちらもほろりと涙をこぼしたくなる。どんぐりは木になるんやで、と教えられ、ハァちゃんが《晴れやかな顔》になって、こちらもああよかったと胸をなでおろす。この場面では階下で別のお兄さんが《男らしくよ 涙を棄てよ》と歌っている。たまたまであり、それを非難するというわけでもないところに、「人の価値観は様々なんだよ」という作者の声を感じるようである。
他にも、お母さんが「泣いてもええんよ」と言う場面や、お友達との別れの前に撮った写真で泣かないように怖い顔をする場面や、いいところがいっぱいある。ひとつひとつ挙げていくと切りがないので、実際に手にとって読んでみていただきたいと思う。
家族から少し離れると、学校の話ももちろん多く描かれている。秘密基地や黒頭巾ごっこなど、生き生きとして新鮮だ。けれど、楽しいことばかりではなく、ハァちゃんは反りの合わない先生のクラスになってしまう。その先生とのエピソードは、笑えるような気の毒なような…。『平家物語』の話の途中に、「『源平盛衰記』に書いてありますね」と言ったら睨まれた、とか。猿が人間の祖先だって聞いて「じゃあアマテラスオオミカミが一番猿に近いんですか?」と訊いたら怒られた、とか。ハァちゃんは決して悪くない。猿の話など、むしろ、ハァちゃん、冴えてる!と言いたくなる。先生のほうにしてみたら困る質問ではあるだろうけれど、そういうのを認められる先生でなかったのは、ハァちゃんにとって不幸だったろうなと思った。
脳梗塞で倒れられ、執筆半ばで終わったということは本当に残念だ。ただ、終わり方は決して知りきれトンボではなく、知らなければこれで物語は完結したのだと思う終わり方だった。

ところでこの本では、絵も重要な役割を担っている。たくさんの温かいタッチの挿絵が、話の雰囲気にぴったりなのだ。また、最後に谷川俊太郎氏の詩がよせられている。この詩が真情にあふれていて素晴らしい。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

心温まる

2021/12/16 14:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る

2007年に亡くなった、河合隼雄さんの遺作。
自身の子どもの時代を、子どもの目線から描いた自伝だ。
執筆途中で亡くなられたそうで、幼児~小学4年生で終わっている。河合隼雄さんが生きた時代は戦争とも重なるが、その空気や家族関係、学校の様子をほのぼのと伝え、温かな挿絵も相まって、心がほっこりする。
最後には谷川俊太郎さんによる河合隼雄さんに捧げる詩も掲載されている。
中学受験の国語で頻出の物語でもあるそうだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2008/03/11 12:32

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/01/06 14:44

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/02/12 09:26

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/02/23 22:00

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/03/25 21:58

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/04/07 19:58

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/04/29 12:26

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2009/11/12 18:35

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/03/07 08:00

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/03/14 13:11

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/03/25 01:09

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/11/11 16:25

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/02/20 15:40

投稿元:ブクログ

レビューを見る

19 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。