投稿元:
レビューを見る
「センセイの鞄」のときもそうだったけど、この作家さんはアタシには合わないみたいっす。まったりかと思いきや、実は理知的な文章かつ構成なところが、アンポンたーんなアタシにはムリ目なんだと。
投稿元:
レビューを見る
古ぼけた映画をそのまま文章にしたような。
どこかにある日常をそのまま切り取ったような感じ。
少し湿っぽくて薄暗いかもしれないけど。
決して、寒くも悲しくもない不思議な感じ。
生温い温度とせつなさが混じり合って。
茫洋とした色を放っているイメージです。
登場人物全員が自分の色を持っているのですが。
くすんでいるけど、自分の意志はしっかり持っていて。
誰の色も違う色なのに似たような匂いがします。
温度は低くもないけど、決して高くもなくて。
でも、心のどこかが鈍く痛むような。
それでも、絶望とかいう感情とは違うもの。
何度も読むたびに印象が変わっていきそうです。
老いるということについて考えてしまう一冊です。
投稿元:
レビューを見る
恋愛というよりも、結局は中心人物たちの成長物語かもしれません。
どうやら直接的な性の描写が私は好きではないようです。
投稿元:
レビューを見る
年の離れた4人というのは、古道具屋を営む中野さんというおじさんと、中野さんのお姉さんで50代のマサヨさん、中野商店でバイトというか手伝いをしているタケオと、私ことヒトミさん、の4人。マサヨさんが、なんというか細かい面倒くさいことはすっとばして本質をひょいっと上からずるしてつかんでしまうようなさばけた感じのおばさま(おばさんではない)で、いい感じでした。二十代のヒトミが自分のことを「女の子」と語るのを聞いて、「三十代だと、自分のこと女の子って言っちゃいけないのかな」とつぶやき、ヒトミがいいんじゃないですか、本人がその気なら、と答えると、「五十代はどうかな」といい、五十代はちょっと、と、ヒトミが正直に答えると、そっか、とため息をついたりします。
ヒトミが計画的でなくタケオを食事に誘い、家においでよ、今夜でもいいよ、と言って約束してから部屋が散らかったままだったことに気づいてあわててかたしたりするときの心情。なんだかとても良くわかる気がします。恋愛なんて考えてするものではないと思いながら、一所懸命に考えている感じ。
とてもおもしろかったです。
投稿元:
レビューを見る
呼吸をしないで生活しているみたいな人たちのお話だと感じました。こういうふうにたんたんとした文章すき。
投稿元:
レビューを見る
川上弘美さんの書くダメな男の人は、本当にダメなのに素敵です。
話としては、いつものようにぐだぐだと日常が続いていく内容。
でも、その日常の中で起こるスケールの小さい事件がいいです。
やっぱり川上さんは、食べ物をとてもおいしそうに書かれます…
投稿元:
レビューを見る
生協3冊で15%オフ。川上さんの新刊!(文庫の・・・)と思い、即購入。おだやかな感じで、ぼんやりとふるぼけた情景が目に浮かぶような。[08/04/17]
投稿元:
レビューを見る
中野さんって変な人ですね。
なんだか子どもみたい。
淡々と進んでいくストーリー。
その中で少しづつ変わってく人々。
そんな中で、私には中野さんだけが変わらない
(わざと変わろうとしていないのかな?)存在に思えました。
でも、それが中野さんらしくて、そのままで居て欲しいなと思いました。
投稿元:
レビューを見る
特になにか事件が起こるわけでもなく、たんたんと日常が描かれているのだけど、どうにも続きが気になる。そんな感じで読み進んでいました。主人公の恋なのか執着なのか分らない、じれったい感情がとうとう爆発するところは泣けました。女子なら一度はこういう思いに泣いた日々があると思います。
投稿元:
レビューを見る
東京近郊の古道具屋「中野商店」。
バイトの「わたし」と「タケオ」。店主の「中野さん」と「サキ子さん」。中野さんの姉「マサヨさん」と「丸山氏」。
小さな古道具商店を舞台に繰り広げられる、じれったい恋と友情のおはなし。
久しぶりに川上弘美。
「パレード」で「ツキコさん」に再会したばかりで、感覚が混ざって変な感じがしました。
やっぱり川上弘美は長編より、「龍宮」のような短編のほうが好きかもしれません。
川上弘美の文章はしめっぽいような、ざらっとしているような、麻の布のようなものだと感じます。
投稿元:
レビューを見る
やっぱり、いい味を出してるなぁ。この淡々としていて、クスリと笑えるような、それでいてちょっと寂しい雰囲気は、川上さん独特。ときどき、無性に読みたくなる方です。
投稿元:
レビューを見る
登場人物それぞれに魅力的。読後感も爽やかだった。
恋愛と携帯について、母と話した事があったが、この時の結論をうまく表現して
くれている部分があった。
『携帯なんか、嫌いだ、とわたしは思う。いったいぜんたい、誰がこんな不便な
ものを発明したのだろう。どんな場所どんな状況にあっても、かなりな高率で受
けることのできる電話なんて、恋愛ーうまくいっている恋愛も、うまくいってい
ない恋愛もーにとっては、害悪以外のなにものでもない。』
投稿元:
レビューを見る
テイスト的には コンビニ・ララバイ(池永 陽) に似ている。
淡々とした日常の中で起こる(当人たちには)大きな出来事とからむ人間模様の短編連載。
抑揚のない文体は川上氏カラーで、密やかなドキドキ感を充分味わえる。
余計な装飾のない空間の説明は、古道具屋を体感したことのある人にはたまらないものがあるだろう。
しかし、その経験のない人には埃の匂いさえ理解できないかも知れない。
ドラマティックなことだけが是とも思わないが、あまりにあっさりとした物語ゆえに物足りなさが否めない。
投稿元:
レビューを見る
中野商店っていう、骨董じゃなく古道具を扱っている店を舞台に、主の中野さんとその姉、アルバイト店員等、個性的面々が過ごした日々を淡々と描く。最後ちょっと丸く収まり過ぎな感じもするけど。
投稿元:
レビューを見る
川上弘美らしさはあまり出てなかったけど、
登場人物の設定がすごく好きだった。
場面転換も軽快。
ただ考えさせられることが少なかったかなぁ。
大衆文学としては秀逸だと思いますけど。
この人には叙情詩を書いてて欲しい。
「恋愛を自分がしたいんだかそうでないんだかまず見極めるのが難しいのだ」
「好きを突き詰めるとからっぽな世界になってしまうんだな」
「なんかこう自分のこと小出しにしてたなぁ」