紙の本
殺人事件に絡む謎解き
2020/08/10 22:37
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投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は宮部みゆきが初めて世に出した単行本である。実はこの本の登場人物はすでに読んでいた『心とろかすような マサの事件簿』のそれと同じであった。つまり、シリーズものであった。蓮見探偵事務所の活躍譚である。先に後から出たシリーズモノを読むのは、やはり順序が逆なので何となくぎくしゃくしてしまう。
マサの事件簿は、蓮見探偵事務所の面々が関係する事件の記録とでもいうような短編集である。しかし、本編は一つの事件で前頁を費やしている長編である。マサの事件簿ではそれほどの露出度のなかった諸岡進也が大活躍である。どこにでもいそうだが、きわめて頭の回転が速く、行動的な性格である。
ストーリーについては読めば分かるので、差し控えるが、作者宮部みゆきのそれ以降の重要な作品について、なるほどと納得させられる点がある。そのような端緒があちこちにちりばめられているということである。ストーリーの進行は、『模倣犯』を想起させるし、少年や糸子のやり取りなどは中学生が活躍する『ソロモンの偽証』を思い浮かべることができた。
いずれの作品も殺人事件が絡んでいるが、本書でも殺人事件の解決に探偵事務所の面々が活躍する。もちろん、武器も何もない民間人ではあるので、実際にはありえないと思うのだが、小説の中の出来事なので、納得してしまう。被害者を含めて、登場人物には意外な人物が驚かされてしまった。含まれている。製薬会社の社員が絡んでくる。
その登場振りに意外性があり、現代であればそれほどではなかったかも知れないが、発表当時の世相では、読者には想像外のプロットであったかも知れない。いずれにしてもその先見性に驚かされてしまった。
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題名が判らず探していた本です(笑)犬が主人公の探偵事務所、「心とろかすような」の前作。単行本デヴュー作だったんですね〜
初期だからでしょう、最近の作品に比べると落ちます。好きだった探偵姉妹も、ほとんどいい子以外に肉付けなし。もっと、シリーズ化して欲しかったなぁ〜、ストーリー的には二転三転しながらまとまっています。
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時代を感じる。携帯電話がある今だったら話は違ってくるだろうな。でも、冒頭から話に強烈に引き込んでくるのはさすが。今になって親の気持ちってやつが分かって泣けてきたり。でも、克彦が死んだ原因が安直すぎる気がするな〜。後味は悪くなかったから良かった。
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宮部みゆきのデビュー作。
人間関係やことの成り行きがわかりやすく、話の展開がテンポいい。
いい意味でも悪い意味でも爽快な感じを受けた。
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犬に惹かれて読んだ王道の推理物
宮部みゆきってこんな作品もあるんですね
近年の作品とはだいぶちがった(良い意味で)
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宮部さんの、比較的初期の作品。
主人公が犬、と断言していいものかは謎ですが、
犬の視点で描かれたというミステリものです。
某探偵事務所の女の子と犬が、
家出少年の捜索に当たる。
その少年が見つかった矢先、彼の兄である
高校野球のスター選手が、火だるまに
なって殺される。
そして、犯人と思われていた彼の元友人が
直後に自殺。しかし真犯人は…?
高校野球の闇とか、製薬会社の薬物実験とか、
家出少年のバイト先を含めた軽い裏社会とか、
お犬事情(!?)とか、いろいろ盛りだくさんです。
でも盛りだくさん過ぎて、逆に犬の視点で
描いたメリットが生かされてなかったり……
薬物実験など、科学的なアリバイがかなり
綿密に練られてる感じがします。
本作に限ったことでも、小説という媒体に
限ったことでもないけれど、
トリックが複雑であればあるほど、
最後の種明かしを加害者なり探偵役なり、
ある一人の視点から「こうこうこうだ」と
語られるのが、私はどうも苦手で。
せっかくのトリックの巧妙さに、
水をさされたかんじがして。
だから、ミステリ小説は読んでも、
『名探偵コナン』とか『金田一少年〜』を
読んだり、火曜サスペンス劇場を観ようと
いう気になれないのだろうか???
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【書評じゃないよ】
倖田來未の羊水失言
倖田來未自体には特に悪意も好意も持っていないので、発言自体には特に言うことはありません。ただ、実際問題、高齢になればなるほど自然妊娠の確率も、人口的手段での着床率も下がり、逆に流産の危険性、ダウン症の発生率は上がります。このことが意外と認知されていないような気もしますし、この少子化の時代にこの辺につっこんだ話があってもいいような気もします。
例えば会社で働いていて、結婚したら退社しようと考えている女性が、「会社は仕事上でなんらかの成果を残してから辞めよう、そして子だくさんな家庭を築きたい」と人生設計を組んでいた場合、望みの前半に時間をかけ過ぎると、後半が実現しにくくなります。しかし「女性を産む機械に例えると〜」という発言がいつの間にか「女性は産む機械だ!」に歪曲されているこの社会では、例えそれが医学的事実であっても、うかつに「子供をたくさん産みたきゃ早く会社辞めなきゃ」なんてアドバイスはできないでしょう(実際この発言も、言い方によっては十分セクハラや女性差別になるでしょうし)。確かに極めてプライベートな問題ではありますが、少子化という社会問題として考える際には、「ライフスタイルは人それぞれ」というスタンスからもう一歩だけ踏み込んで話す必要があるように(いい年して独身の身で)思いました。
高齢出産について
http://www.welcomebaby21.com/kourei.htm
「高齢出産ほどダウン症の発生率が上がる」という統計データを「だから早く産め」というような脅迫に使うもアレだし、またダウン症の子のご両親を「自分たちの責任だ」という心理に追い詰めることになってもいけないとは思うけど、それでもやっぱり医学的な事実を周知せしめることは大切かと。知った上での選択でないと、自分の人生に責任取れないし。
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使われている話し言葉に違和感を覚える部分がありました。
犬の視線から見たように書かなくても、ストーリー的には十分におもしろい小説になったような気がします。
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犬目線で語られる。
犬含め登場人物が魅力的だ。
だんだんごちゃごちゃしていってしまった。
もう一度ゆっくり読みたい。
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元警察犬で現探偵事務所勤務(笑)のマサを語り手に、進められるお話。
真相を知った後、エピローグの進也と加代ちゃんの会話はポロッときました。
結果的にこうなってしまったけれど、恨みつらみで兄さんが殺されてしまったんじゃなくて良かったと思います。私は。
宮部さんの1番最初の本だったんですね。
1番最初でこれなんてさすが過ぎます。
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宮部みゆきの現代ミステリーは本当、えぐいんだけど上手いなぁといつも感動する。
良い意味でトラウマになるというか。
単行本デビュー作なんですねー。
この本はwow wowでドラマ化したときに
見たいけどwow wow見れないよーーー><
と思っていつか読もうリストに挙げてたんですが。
原作先に読んでよかったなぁと思います^^
ドラマだと進也のビジュアルが設定と違うのが…むーん。
そして個人的には進也は是非s野kzm!と勝手にキャスティングして読んでました。
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高校野球、期待のエースが焼死体に。
元・警察犬で探偵の家に暮らす犬の視点で描かれる、ちょっとかわった設定になっている。
あえて犬目線なのが、着眼点の違いを感じられて面白い。
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元警察犬で、今は探偵事務所の犬であるマサが語り手になっているのが面白かった。野球好きで、人間にしたらもうおじさんで、ちょっとシニカルで、でも、いざという時はとっても頼りになる犬なのだ。
ただ、事件としてはいまいち納得できないところが多かった。
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将来有望な高校野球の投手、諸岡克彦の衝撃の死。彼の周辺、過去に何があったのか。元警察犬マサと薬品会社社員木原の目線から交互に物語は語られてる・・。克彦の弟進也と蓮見探偵事務所が事件を追う。パーフェクトブルーとも呼ばれるナンバーエイトなる薬剤の人体実験に知らぬ間に巻き込まれる子どもたち。衝撃的な事件だが、マサの老刑事さながらの語り口でしんどくなりすぎず読める。作者の初期の作品だが、期待以上の読み応えだった。
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高校球児エースピッチャーの焼死体を事件の発端として、元警察犬が所属する探偵事務所が活躍する話
犬を視点として進められる話が案外とっつきやすくて面白い。