紙の本
肉体の限界
2012/05/17 15:11
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投稿者:ぽかぽか - この投稿者のレビュー一覧を見る
地上2万メートルに達すると人間の血が体温で沸騰するだとか、深海で気圧の変化に耐えられないとシャンパンみたいに血から泡が出るとか、ビックリするような話がわかりやすく、かつ科学的に説明されているのが読んでいてとても面白かった。ちなみに、深海については日本の海女さんについても簡単に紹介されていて、これまた面白いです。
紙の本
科学史でもある
2022/10/11 18:22
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒトという哺乳類の一種がどのような環境に耐えうるかを、科学史も交えてわかりやすく、あまり感情を交えずに淡々と述べた本である。感情が表に出ないぶん、過去の科学者たちが自らの身体を危険にさらして、限界を知る実験を行った という事実がしっかりとした迫力を持って迫ってくる。
紙の本
人間の限界はエベレスト
2021/03/31 17:43
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
極限の環境における命の理論としての生理学的反応の説明と科学の推測を現実の世界に当てはめるときの限界をドーピング疑惑に至るまで、理科好き・冒険好きの子どもでも興味を持って読める内容に仕上げた書。
紙の本
一流科学者による、多分野にわたる科学的知見を駆使した一級の科学読み物である。
2016/11/15 23:27
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一流科学者による、多分野にわたる科学的知見を駆使した一級の科学読み物である。恥ずかしいことに題名から、テレビなどでよくやる熱い風呂に何分とか、大食い・早食いとかといった類いの本と勘違いして買ってしまった。読み始めて直ぐに大きな間違いに気づくことになる。ただ難点は、かなりの専門知識が無いと理解が追い付かない部分が結構あることである。引用文献をも辿りながら、大学の講義などに用いて、じっくりと時間をかけて読むべき本である。特に、4章以降は生命活動の詳細な記述に踏み込んだ箇所が出てくるため、本当なら時間をかけてじっくりと読み込んで理解を深めたいところである。
著者であるフランセス・アッシュクロフトは、1952年イギリス生まれで、現在はオックスフォード大学生理学部教授であり、インシュリンの分泌に関する研究の第一人者だという。1999年よりロイヤル・ソサエティーのフェローに選ばれている。
第1章;どのくらい高く登れるのか=高山病、第2章;どのくらい深く潜れるのか=潜水病、第3章;どのくらいの暑さに耐えられるのか=熱中症、第4章;どのくらいの寒さに耐えられるのか=体感温度・凍傷、第5章;どのくらい早く走れるのか=筋肉の機能、第6章;宇宙では生きていけるのか=無重力や真空、第7章;生命はどこまで耐えられるのか=生命自体について。
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第1章 どのくらい高く登れるのか/第2章 どのくらい深く潜れるのか/第3章 どのくらいの暑さに耐えられるのか/第4章どのくらいの寒さに耐えられるのか/第5章 どのくらい速く走れるのか/第6章 宇宙では生きていけるのか/第7章 生命はどこまで耐えられるのか
‥‥という7章から成る本書の著者はオックスフォード大学の生理学部教授で、書籍の執筆はこれが最初っぽい。しかし丁寧な語り口で読者を惹き付ける技量はなかなかのもので、ポピュラーサイエンスはかくあるべしと思わせる。
タイトルの問いは、換言すれば「何によって人間の限界が決まるか」ということであり、限界を少しでも高めるために人間(あるいは生物一般)がどんな生理的メカニズムを有するか、さらにはどんな道具や行動が効果的かという問題に繋がっていく。
覚えておけばサバイバルに役立つかもしれない知識もあるが、ほとんどの人にとっては単なる雑学に過ぎないだろう。是非読むべきと人に勧めるような本ではないが、科学の面白さを知らない人に読んでほしい1冊だ。
余談ですが、本書の原題は「Life at the Extremes(極限の生命)」。邦題の方が秀逸だと思います。
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タイトルから,完全自殺マニュアルとかそーゆー系の,あるいはトンデモ本系を想像して買ったら,とてもマジメな,生物学的にヒトの限界を熱さや冷たさや高度(気圧)とかについてそれぞれ解説してある本だった。
普通に面白くてためになる。
普通の人でも,意外と日常生活でヒトの限界状況とニアミスしているかもしれない。
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深い海、高い空、極寒、灼熱。人が生きていける環境はどんなところか!ちょっと怖いですが人体の限界に迫る科学的な本です。
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「人間はどこまで耐えられるか」だけではなく、微生物など人間以外の生命の存在限界についても触れられていて、大変興味深い。発見のエピソードも面白い。
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極限的な環境に人間または生物がどのように適応するか,あるいは適応できないかを学問的に検証した本. 生体が保っているバランスというのは非常に微妙なものであることを実感する.
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生理学者が人間の限界についていろいろな環境で考察しています。高い山や深い海、宇宙空間・どんな暑さ・どんな寒さいろいろな環境でも生物はいきています。けっこう、宇宙開発などで問題となる極限状態について知らないことがありました。けっこう、酸素をちゃんと摂取するのはむづかしいようです
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おもしろい生理学の本
どれくらい速く走れるかの項はいまいち覚えていないが、どれだけ深く潜れるか、高く登れるかというトピックはかなり興味ひかれた
窒素の必要性、吸引する空気の圧力など、極限状況での人の生理が当時の実験を解説する形で提示される
後の章で、前の章の内容が引用されたりするので、ちょこちょこ読むよりは一気に読んだほうがいいかも
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本書を見たのは、ちょうどオリンピックたけなわの頃でした。
どれくらい潜水できるかの事例として、海女、日本の女猟師の紹介をしています。
女性の方が、潜水に向いているのは、男性よりも長く生きを止められることと、寒さに強いことからとのことである。
さまざまな面での人間の限界について、生理学者らしい視点で論点をまとめている。
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子どもの頃の好んで観ていたテレビ番組の一つに、『世界まる見え!テレビ特捜部』があります。凶悪犯罪や自然災害など、およそ国内では想像できない事件がそこにはあり、事件や事故、災害のメカニズムについて専門家が説明を加えてくれるところが、僕の子ども心を鷲掴みにしていました。教室の中で学んだことが教室の中で完結しているようではいけない。普段の生活の何気ない瞬間に学ぶことの楽しみを感じて欲しい。これまで学んできた生物、物理、化学の基礎的な知識を感じながら楽しく読める本です。教室の外で、一歩踏み込んだ理科的な思考を感じ取ってほしいオモシロ本!
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人間の体がどれだけの暑さ・寒さに耐えれるか、どれだけ高く登れる、どれだけ深く潜れるかといったことを科学的に解説した本です。
具体的な数値が出てこないのが残念ですが、途中で挟まれている小話がおもしろかったです。
最後の方は人類に限らず、極限状態で生活することのできる生物(原子菌など)についても書いてあります。
そこそこ面白かったです。
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これはタイトルそのままに、人は極限状態で、一体どこまで耐えられるのかを生理学的に解説した本です。
科学技術が進歩した現代でさえ、人は深海や宇宙などの極地では容易に生きていけません。そういった場所で人を生かすため、国家や企業は莫大な労力とお金をかけていますが、そこでは過去から学んだ科学的な知見が、大いに役立っているようです。
対照的に、危険な場所にあえて挑むことで、生きがいを感じる冒険家もいます。彼らは自分の命を危険にさらし、その引き換えにスリルを求めます。エベレスト登山などでは、このようなチャレンジャーたちの多くが犠牲になっていますが、いまだに冒険者が絶えることはありません。
本書では、昔からの言い伝えや歴史上の出来事を交え、人間生理学の観点から極地でのサバイバル方法と生存可能性を探っています。エピソードの数々がなかなか面白く、ためになるので、読み進めるのが苦になりません。
命のことを淡々と語られるのが少し不気味ですが、その分、極限状態のことをイメージしやすいと思います。ちょっとした冒険気分にもなれる、お得な一冊です。