紙の本
小学生から中学生になる女の子の野球愛のお話です。
2018/11/30 00:44
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投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
北村薫さんは野球観戦が好きなのでしょうか。たぶん違います。
はじめにで、物語を書く心がまえを読み取れる文章があります。
心がまえに従って野球をいろいろと調べた結果、
野球に興味がある人と同じレベルまで知ってしまったという
ことなのでしょう。
博覧強記と言われる人です。
秘密を教えてもらった気がして嬉しいです。
わたしが子どもだったころというあとがきで、北村薫さんの
子ども時代の思い出がつづられています。
はじめにとあとがき、どちらも特別な内容で得をした
気分になりました。
この作品は児童書です。北村薫さんはたまに書くのですよね。
不思議の国のアリスのエッセンスを散りばめながら、
子どものころの憧れを書いた作品です。
憧れを、夢、目標、想像・妄想と言い換えてもいいかもしれません。
アリスは少年野球のピッチャーです。
三月に隣町のチームと卒業試合をしました。
四月からは中学生です。
男の子はクラブチームや野球部に入ったりして野球を続けます。
いまは中学校でも女子の野球部入部が認められています。
制度的には。
アリスのいる地区では女子部員の前例がなく、
更衣室の準備もなく、色々と問題があるうえ
技術向上の妨げにもなる ────── まあ、そんなところです。
知っていましたか? いまだに高校野球だけは
女子部員が認められていないのですよ。
中学校はハードルが高いものの部員になれるし、
大学にもチームがあるし、さらにプロ女子野球もある時代です。
しかし高校の壁があるために、門戸を開かない中学校が
多くあっても不思議ではない状況です。
現実的には、中学校で男子は体がどんどん大きくなり、
女子との差は開いていきます。
だからといって、女子を締め出す制度には違和感を覚えます。
小学校から中学校に上がる時。
女子と男子が一緒に野球をできる最後のチャンスが、
鏡の国の魔法の空間によって特別な時間になるのです。
野球をあまり知らなくても楽しめます。
女の子が子どもから卒業するという成長物語ですから。
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北村先生、YAを意識して書かれましたね。講談社のこのシリーズだからなのでしょうが、
面白いのにどこか物足りない、もったいない。
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ウサギならぬ宇佐木さんの後を追った小6のアリス。
鏡の向こうはさまざまなものが逆になっていた。
全体にあっさり。
【図書館・初読・9/7読了】
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いかにもミステリーランドらしい、さわやかで微笑ましく気持ちのいい青春物語。久しぶりに「素直な北村薫」を読んだような気がします。
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北村薫さんの本を読むのは久々。
この話好き。一気読み☆野球ってほんといいな。
アリス、五堂くんがすてき♪
2008.10.13
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野球のことはよく解らないのですが、それでもワクワクする楽しい物語でした。最初の「慣れているからこその挫折」は、北村さんらしい「丁寧でありながら容赦なく事実を突きつける」描写で、だからこそその後のアリスたちの活躍はその場にいるような高揚感を感じました。五堂くんとの仄かなロマンス(?)も素敵です。「お前が惚れてんだろ?」とつついてやりたい(笑)(2008.10.11読了)
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10/2読了。講談社ミステリーランド最新刊。
ミステリーというよりも青春小説だな、と思いこのカテゴリにしました。
不思議なお話ですが、最後には心温まる。素敵な小説。
北村薫さんの文章は、流石、元国語教師といった感じかな。
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不思議の国のアリスよろしく、鏡を通ってもう一つの世界へ。そこは、鏡に映ったごとく、すべてが反対の世界。
そこで、少女アリスは野球の試合をすることに。アリスはもともと野球チームのエースピッチャー。
理不尽な大会をやめさせるために、こちらの世界の仲間2人とともに・・・・・。
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カバーがないと物足りないのだがね〜アリスは小学校で野球チームのエースピッチャーで,明日に中学校入学を控えているが,中学以降に野球をやる望みは薄い。以前取材に来た新聞記者の宇佐木氏を尾行して,時計屋の前の鏡に寄りかかろうとしたら,そのまま左右あべこべの世界に迷い込んだが,鏡の国では日本一弱い中学野球チームを決める裏トーナメントが行われていて,自分の母校となる中学が,その最終戦に出ると聞く。ピッチャーが怪我をしたチームで,表の世界では本の虫だった優等生がキャプテンを務めており,頼み込んで急遽出場が決まった。一番バッターでヒットを飛ばしたはずのアリスは一塁に走ったつもりで,三塁に走ってアウトになり,チームからも追放され,試合は負けてしまう。宇佐木氏は新聞社主と掛け合い,最強のチームとの練習試合を組んでいた。鏡の世界では柔道をやっているキャッチャーと,天才サッカープレイヤーである隣町の最強バッターに相談し,裏の世界に連れてきて,最強チームとの対戦に臨む。控えの控えを出してきた最強チームはあわやコールドゲームのピンチにレギュラーを起用し,あと1点のまで追いついてきて,ワンアウト・13塁,アリスのボールはセンターに上がり,相手ランナーはタッチアップ・・・〜作家は1949年生まれ,早大文学部から母校の教師となり,作家デビュー。1993年に早期退職して専業。15年前の良い所の高校生と今の高校生では違うよなぁ・・・。皮肉なんて通じない・・・ストレートな表現をしないと真意を読みとってはくれない・・・。そうだねえ。7つも上だけど,「解決ハリマオ」や「月光仮面」,「ロボット三等兵」というのは思い出が被ってくる・・・小学校の時に大学生でしょ・幼くない?
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子供向け、と侮るなかれ。子供も大人も楽しめる本で、多分大人になってからでないと分からない部分すらあります。しかし逆に子どもでないと楽しめないところだってあったはずで、小学生の時にこの本に出会えた子をほんのちょっぴりうらやましくも思います。
コミカルな語り口と登場人物ながら、テーマの大好きなものとの“さよなら”を爽やかに描いています。色々な物を両手一杯に抱えて立ち往生してしまう人の背中を、とん、と軽く押してくれる一冊。
ただし、ミステリーというよりはファンタジーであること、子ども向けを意識した書きぶりが若干人を選ぶように思ったことから、星4つとしました。
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ミステリーじゃないんかい!って思ったけれど、かわいくって好き。皮肉が利いてる。野球少女だいすき。天才かっこよすぎます。
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野球が大好きな少女アリスの不思議な物語! 現代のアリスが語る、不思議な不思議な物語。一体どんな世界に連れて行ってくれるのか。北村薫が紡ぎ出す、珠玉の物語がついに登場です!
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鏡の国のアリス+王道少年野球漫画=ファンタジーといった印象。
分量はさほど多くないが、主人公のアリスの思いや、人との交流、試合場面での盛り上がりなど、盛りだくさんの内容が、すっきりとまとめられている。
アリスという一人の野球少女の、青春+成長物語でもあって、読後感もとてもさわやか。
ぜひいろんな人に読んでもらいたい。
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ちょっと子供向けを意識したのかなぁ?
元々北村さんはスピード感や起伏の激しさのようなものがない作家さんだと思うけど、
これは特に平らーーな感じだった。
場面は盛り上がっているはずなのに、読んでいてのっぺりした気分になるのは何でかしら。
悪くはないんだけど、期待が上回っちゃったかな。
北村ワールドというとありきたりな言い回しだけど、
そういうのが私にはあまり感じられなかったのが残念だった。
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野球+鏡の国のアリス?な児童向けっぽい物語。
野球が大好きなアリス。中学生になったら野球部には入れない。
でも、全て反対な鏡の国で、もう一度試合ができる!
鏡の国の、負け続けたチームでアリス達大活躍。
全体的にはさくっと読めるけど、描写的には少しわかりにくところもあったかなぁ。
オマージュ的なところもあって、野球っていうテーマも面白い。
でも、ちょっと物足りない