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プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか? みんなのレビュー

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みんなのレビュー78件

みんなの評価3.8

評価内訳

76 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

“読書脳”が用意する“奇跡のような体験”。

2008/10/09 19:34

11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:四月の旅人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

文字が読めない、読めても理解できない──。
ディスレクシア(失読症)は、
トム・クルーズがこの障害を抱えていたことを告白して注目された。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」で共演した
キーラ・ナイトレイ、オーランド・ブルームもそれぞれ
この症状を克服したことを公にしている。

日本語はひらがな・カタカナ五十音と、
常用漢字だけでもだけでも2,000字近い文字を持つ。
一方、わずか26文字ですべてを表現しなければならない言語もある。
そのせいか、英語圏──とくに米国では1割を超える人々が
程度の差こそあれディスレクシアであるともいわれている。
現大統領も例にもれない。

このとき文字を読み、理解するという基本的な能力が、
自然に身につくものではないことに思い当たる。

著者メアリアン・ウルフは、
米タフツ大学(村上春樹が一時、客員教授をつとめていた)小児発達学部教授で、
ディスレクシア研究の権威。
自身のお子さんも、この障害をもつという。

子どもが文字を読むようになると、
脳はシステムを組み替え劇的な変化を遂げていく。
そして、これは容易に想像がつくことだが、
5歳までにどれだけ文字に親しんだかがきわめて重要だという。
その後に永くつづく一生の“読書脳”の発達は、
このときに決められてしまうのだ。

眠りにつくまでのほんの短いひとときでも、
絵本を開いて子どもに読んで聞かせる。
ネットの掲示板や携帯メールの文章ばかりで成長してしまった世代は
不幸だったとするしかないのだろうが、
これからの子どもたちには可能な限り豊かな読書体験をさせたいものだ。

思えば、文字という単なる記号の連なりを読み、意味を理解し、
ときには感動できるとは・・・ウルフ教授は、それを
「奇跡のような体験」と表現している。

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紙の本

日本語が脳を鍛えてくれる

2009/12/13 06:46

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:k-kana - この投稿者のレビュー一覧を見る

サラリーマンの朝の様子は、TVのNHKニュースを見ながらパジャマをYシャツに着替えて出勤する……と、こんな文章になるだろうか。無い知恵を絞ったのだが、何気ない日本語に、漢字、平仮名、カタカナ、アルファベット、さらにはこれらが組み合わされた――Yシャツとか、のことばもある。こんなにいろいろな文字を読み取るのだから、どう考えたって、アルファベットだけの英語なんかより脳に負担がかりそうだなとは感じる。

人間の知能の発達に、読む行為ほど深く関わっているものはないと著者はいう。脳が文字を読むために構築する新しい回路(ニューロンのつながり)が、新しい革新的な考え方を可能にする基盤になると。

この珍妙なタイトルが気になるのだが、プルーストは別にして、イカとは、その長い中枢軸索のゆえに、かつてニューロンの情報伝達メカニズムを解明する絶好の研究対象となったことに由来するらしい。

脳が文字を読むことに深く関わり、さらに読字が脳の認知能力の発達に寄与するというダイナミクスの関係が成立する。読書こそ知力の源泉である。私たちの考え方や考えることの大半は、私たちが読んだものから生まれた見識や連想に基づいている。作家ジョセフ・エプスタインは「私たちを作り上げているのは、私たちが読んだものなのだ」と言っている。

人間が文字を読む能力を獲得したのは、たかだか数千年前である。生まれながらにして文字を読めたわけではない。人間の脳が、新しい知的機能を獲得するために自らを再編成する能力、を備えているからこそ読めるようになったのだ。

文字らしきものを見て、脳がそこになんらかの意味を認めると、たちまち複数の領域がつながり活発な認知活動を行うようになる。既存の視覚、言語・概念処理などの脳領域を利用しつつ、それらをつなぐ新たな回路を設ける。すなわち一群のニューロンのあいだに新しいつながりが生まれる。これが読むことの基本メカニズムだ。

日本語の読み手の脳は、複雑な読字回路を備えているそうだ。日本語を読むには、2種類の音節文字、つまり片仮名・平仮名と漢字、との間を行き来しながら読み進む能力が必要である。一人一人の脳が、まったく異なる2種類の書記体系(漢字と仮名)を習得しなければならないのだから。日本語の読み手は、漢字を読む時は、中国語の読み手と同じ脳の回路を使う。一方、仮名文字を読む時は、アルファベットの読み手に近い回路を使うそうだ。

2つの書記体系の読み手は、ほかのどんな言語を読む人よりも、左半球の特定領域(37野というらしい)を多用する。情報処理に多大な努力を要するほど脳は強く広い範囲にわたって活性化されるわけだ。漢字仮名交じりの日本語を読むほど、頭が良くなるということらしい。

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紙の本

読んでいるとき、脳全部がダイナミックに活動している。

2011/11/08 16:52

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 奇妙な題名は人をひきつけると同時に躊躇もさせるようだ。この本は出版当初から気になってはいたのだが、内容に想像がつかず、手を出さずにいた。 「ヒトは人のはじまり」 で言及されていて、かなり脳の事がしっかり書かれた本であるようなので手に取った次第である。
 「読む」という行為による脳の変化の、多方面からの考察。たしかにイカが泳ぐときと同様に、読むときにも神経が重要な役割を果たしている。「読む」行為がどれほど人間の活動の域を広げたのか、読むことだけで(肉体的な運動はほとんどないのに)どれだけ脳の中で変化が起こっているのか。読むほどにそのすごさを実感させられた。

 まずは読者の関心を引く巧妙な導入の方法に、感心させられる。プルーストの読書に関する文章を読むよう、指示されるのである。なぜ?と思いながら読み終わり、次の文章にかかると、もうそれで「読む間に何をしているのか?」と著者の世界にひきこまれていく。読者自身に参加させる方式はいろいろあるのだろうが、さりげなく本論に関心がむけさせられていくのだ。
 第一章で説明される文字の発生の歴史や違いは、脳での変化を示す要因として知っておく必要があるのだろうが、脳にたどりつくまでの路としてはかなり長く感じられる。それでも、どれだけ脳が複雑な処理をしているか、言語(文字)タイプごとに違う処理をしているのかの理解につながるのだろう、第6章の熟達した脳の説明を読む頃には、読書でどれだけ脳がフル回転しているか、その複雑さ、巧妙さへの驚きを深めてくれた気がする。
 言葉を聞く、見る、そして概念と結びつける。脳の幾つかの領域が文字を理解するためにつながることにより、「文字を読む」脳ができる。そしてある文字、言葉に対応する新しい回路を作ることで迅速に処理ができ、考える余裕ができる。考える余裕ができると、経験などで蓄積された記憶も利用され、さらに複雑に結びつく・・・。
 この複雑な、多数の領域のどこででも、つながりを形成するどの場所ででも、異常があれば「読字」の障害につながることを理解するのは難しくない。7章からのディスクレシア(読字障害)の話は、正常を理解するために異常を解析するという、ある意味自然科学研究の常道でもある。著者自身の家族にもディスクレシアの人がいることから、脳の機能解析よりも社会的な扱いにかなり重点がおかれている。障害に対する見方も大事な論点だということは否定しない。しかし文字の歴史の話と同様、読字の脳活動の理解の話からは少し離れてしまうので、本書の論点はどこなのかを分散してしまったように感じる。

 しっかり書かれているが大きな論点をいくつも抱えてしまったので、盛り込みすぎて少々損をしてしまったようなのがすこし勿体ないというのが読後の全般的な印象である。

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紙の本

読字脳

2021/01/12 10:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

訳書の副題は「読書は脳をどのように変えるのか?」であるが、原著のそれは「文字を読む脳の物語と科学」である。原著の方が本書の内容に沿っていて、内容が想像できる。また、巻末、真柴隆広氏の解説を初めに読んでおくと全体の内容がさらに明確になる。 
 書名が意味不明だったが、読字の意味するところを説く著者の象徴的表現なのだろうか。あのソクラテスは書記文字が一般化するときに、口承文化から読字文化へ移行することに反対の立場をとったという。読字文化の危険性を指摘しているのだが、読字能力がどのように人に影響するのか十分に予測ができなかったことも一因しているらしい。
 デジタル社会への変化の始まり、パソコンが一1人1台の時代が始まった平成の初期、当時の若い世代がパソコンを駆使して作成する資料に時代を感じたものだ。その後のインターネットの普及が進み、著者の言うデジタル脳をもつ著者が育っている。(デジタルネイティブ)というらしい。
 人類は熟達した読字ー文字を読むことによって深く思考する読字脳を獲得した。人類が造り出したAIは意味を理解することまではできない。読字脳が発達しない若者が増えた時代には進化させたAIに人類の脳は対抗することもできなくなるだろうか。

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紙の本

読むことが生きること

2017/05/09 03:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

当たり前のように文字を読むことが歴史を作ったり人間の脳の神秘を解き明かしていく。歴史上の偉人たちがディスクレジアだったことも興味深かった。

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2008/11/11 17:19

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2010/04/06 20:57

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2009/06/05 08:08

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2009/12/12 23:35

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2010/01/08 21:52

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2010/10/06 18:26

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2010/07/11 14:52

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2010/10/23 13:39

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2018/02/21 17:38

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2011/02/18 11:23

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