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陸軍戸山流で検証する日本刀真剣斬り 新装版 みんなのレビュー
- 兵頭 二十八 (著), 籏谷 嘉辰 (著)
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:並木書房
- 発行年月:2008.10
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紙の本
大津事件、永田鉄山暗殺事件、三島由紀夫籠城事件に対する筆者の評価・・・曰く「修行が足らん」
2009/06/27 02:20
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ももんじゃ05号 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1 本書は、陸軍戸山流居合に関する本である。
陸軍戸山流ってなんだ? と思われる方がほとんどだと思うが、昔、戸山学校という旧日本陸軍の教育施設があり、そこでやってた居合である。当該流派の特徴は、真剣使って物を切るところである(普通の居合は模造刀である、ただ、某道場の知人は、道場の新年会で、真剣持ちだして、壁に傷をつけたそうだが…)。
2 本書をかいているのは、軍学者こと、兵頭氏と、本職は、研ぎ師で、戸山流の籏谷氏である。私も多少、武道に心得があるのだが、戸山流って何やってんだかよくわからんので、興味があって読んだ。
そしたら、まあ、この籏谷氏という方、相当の武道(武術)好きで、戸山流のほかにも、弓に、馬術、小太刀さらに、スポーツチャンバラの黎明期にもかかわったそうで、本書には、その辺の話もある。
特に、現代剣道に対しては、かなり物を言っている。
他方、一番初めにした方がいい武道として、剣道をあげている(これは私もそう思う、闘争心の涵養、競技人口のすそ野の広さを考えると、得物を使うなら剣道、徒手空拳なら柔道か、空手がいいと思う)。
これ矛盾しているのでは、というとそういうわけではない。どっちがいいとかいう問題ではなく、根本的にルール(質)が違うのである。
居合というのは、刀の操作の方法についての技術である。どうやったら安全にモノが切れるかというところに主眼が置かれる(「安全に」とはかなり重要、先大戦中も自傷事故が結構あったとか。古流と全剣連だと、結構、構え方が違うが、これは真剣使うと何が危ないかということでもある)。
一方、剣道というのは、面、胴、籠手、突きという各箇所をどう打つかというところに主眼が置かれる武道であり、相手もいるため、駆け引き、体のさばきが大事にされていると思う。
ポイントになるところがまったく違うので、どっちがいいとかそういう問題ではない。強いて言うなら、両方やった方がいいし、できればいろんな武道(得物、徒手問わず)をやってみた方がいいと思う(あんまり1つの武道で高段になるといろいろ煩わしいことあるしねえ、どの業界も)。
3 また、本職の研ぎ師らしく、軍刀や日本刀に関しても、いろいろいっておられる。戸山流は、本当に切るので、刀の扱い方はうるさい。これは当たり前で、気を抜くと自損事故、さらには、周りに迷惑がかかるからである(乱心を起こさなくても、刀は十分危ない)。また、血が付いた刀をどう処理するかとか、脂がついた刀はどうなるか、贋作はどういうもんかとか、刀の研磨の仕方ということにも言及がある。
4 思想的には、ライトウィングな言説が見られるが、技術的な面からみると結構面白かった。
ただ、昔の剣術家のような生活って、相当暇じゃないとできないなあ。忙しい現代人には、無理みたいである。
あと、なんか撃剣興業(明治の頃にあったのである、今のK1の剣術版みたいなのが)みたいなことをやっておられるが、これは非常に楽しそうなので、ぜひとももっとやっていただきたい。できれば地上波で流してとかいうと、関係各所から怒られるかなあ。
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