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14 件中 1 件~ 14 件を表示

紙の本

技術の話から政治の話へ

2008/12/23 00:36

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 オンリーワンの技術を持った会社の御曹司であり、才能ある技術者でもある祐機は、十二歳の時に会社の買収という憂き目に会う。仕掛けたのは、世界生産に関する一般協定事務局(GAWP)。彼らは世界の生産性を向上させるための国際機関であり、親会社の生産性を向上させるために、祐機の実家の買収を促したのであった。それから5年、少女投資家のジスレーヌからの支援を受けることに成功した祐機は、自己複製機能を持つ作業ロボットの製造に成功する。彼の夢は、人類を義務的生産から開放し、自由な創造活動を行える社会を実現することである。
 GAWPの推進するグローバル化や、生産性の向上の名の下に行われる資本の集中に批判的な祐機だが、新しい技術を導入することは古いシステムを淘汰することにつながり、古いシステムに従って生きている人の生活を圧迫するし、新しい技術を開発するためにはお金を集めなくてはならないので、やっていることはGAWPの活動と大差ない。このため、中盤くらいまでは気分悪い感じで読み進めていたのだが、終盤に近くなり、GAWPの失敗に学んで少しやり方が変わってきてからは、さわやかに読めた。そうなるとこの作品は、「導きの星」や「風の邦、星の渚」で描かれた超越者が社会のあり方に干渉する構造を、対等の立場で、現代社会に置き換えたように見えてくる。ちょっとの違いなのに、非常に生々しく、国際支援のあり方を問うた物語に変わってしまう。

 結局、人類社会を変革するような活動には、莫大なお金がいる。そのお金を、GAWPは民間企業から集めるし、祐機はジスレーヌの投資活動から得る。現実の社会で各国政府が行う活動は、税金という形で国民から徴収する。投資者はROIの向上を求めるから、活動から何らかの利益を得る必要がある。逆に言うと、(短期的)利益が得られない活動はできない。だから、拙速に、押し付けがましい行動になってしまうのだと思う。
 ただ、長期的視野にたって行動することが出来れば、短期的には損をするかもしれないけれど、いずれは利益を得ることが出来るはず。そのように考えることが出来るならば、これまでにはない様な活動が出来るのだろう。最後に祐機が行った活動は正にそうだと思うし、ジスレーヌの母親のオービーヌが行った投資はそういう活動から利益を得ようとする選択だと思う。

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紙の本

世界を作る一人一人

2009/01/04 23:29

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る

非常に深いテーマを持つ興味深い物語です
まず結末から書き、そこに至る展開を描き出したような感じ
世界を変えるということ・世界が変わるということの、善悪やその意義ではなく、ただ方法論的な形を見せようとしている気がします
政治的・経済的な問題点を描きつつも、それらはある意味根底から覆さなければどうにもならないほど行き詰ったモノでしかないのでしょう
人のあり方・個人のモチベーション・好奇心を持つこと・自分に自信が持てること・自分を変えようと思えること・可能性を信じれること・スタートラインに立つこと、そういったものに帰っていくのかもしれません
ただ食料問題は、収穫できる食料が増えても人口も増えるので土地が痩せる一方で解決しないという面もあるでしょうし、一方的な「善」ではなく色々考えさせられる物語です

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紙の本

小川としては下の出来。子供を扱う、っていうことで話が甘めになっています。とくに男女の描き方が・・・

2009/06/16 22:09

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

神林長平の登場後、私が最も期待する小川一水の朝日本。この手の話が朝日新聞社から?なんて思う必要はありません。朝日ソノラマを吸収した関係で、出るようになった、そう思うのが健全な青少年でしょう。

こいでたく描くイラストは最近のアニメ風で、さほど上手さは感じられない平均的なもの。同じく、こいで描くカバー画も挿絵も平均的。二階堂能吏(くまくま団)が担当したブックデザインも、これ、というきらめきは感じられません。まだソノラマ文庫のときのほうが、スタイルが決まっていたかな、っていう感じ。

カバー後の案内文は

物作りを愛する少年・祐機の夢は、自分で自分を複製するフォン・ノイ
マン・マシンの実現。地方都市で才能をもてあます彼の前に天才投資
家の娘・ジスレーヌが現れた。「あなたの力と未来に投資させて」。
――二人は強力なマシンと資金を武器にして、世界生産を支配する国
際組織「GAWP」に立ち向かう。創造性に満ちた、真に豊かな地球は
誰が造るのか? リアルSFの旗手が書き下ろす、近未来青春物語。

です。話はわかるんですが、すこし戸田祐樹の造形がいい加減。確かに理工バカという言葉はあるんですが、ちょっと行き過ぎかな、って思います。男女の機微に鈍感、っていうのもここまで来れば犯罪ものでしょう。それと身長の低さ、これもアブナイ。彼にもう少し魅力があればな、とは思います。

主人公である祐樹について、もう少し詳しく書けば、彼は「戸田特鋼」の経営者の息子です。小さい時から小柄で、高校生二年になっても身長が150台、でも、というか、だから天才児。自己増殖型フォン・ノイマン・マシンを自ら制作します。人類と生産のありかたを模索する、というか生産性から人間を解放し、もの作りに楽しさを求めるべきだと考えるというのですが、それを人に伝えるという努力をしません。嫌われるわ、こういう男・・・

主人公の他人を馬鹿にしたような尊大さに対して、対極にいるのが祐樹の唯一の友人?深沢大夜です。長身のイケメンで、ラクして女と遊んでいればいい、というノーテンキ。当然、もてます。それも高校生レベルのそれではありません。完全なスケコマシ。バンバンやっちゃってます。で、彼が選ぶのが祐樹にたかって生きること。ま、どこまでものを考えているかは不明ですが、私は嫌いです、こういうコバンザメ男。

で、ヒロインがジスレーヌ・サン=ティエール。ハザリー社の社長令嬢で、母の会社の買収を夢見る16歳の少女です。美少女、っていう印象がないのは、金儲けの才能ゆえかもしれません。成長性がわかるという母の能力を受け継いでいますが、成長性だけでものごとを判断し、人間をもそれでしか評価しようとしない母に反発しています。

娘に嫌われた母親というのがオービーヌ・サン=ティエール。カナダのサスカチュワン州サスカトゥーンに本部を置く世界最大の投資持株会社サスカチュワン・ハザリー社の女社長で、米フォーブス誌の長者番付で1位。総資産810億ドル、八兆円というお金持ち。ものの成長性がわかる、という才能を持つそうですが、娘同様美人という感じがしません。

その点、色っぽい脇役と言えるのが、ジスレーヌの使用人タレイナ・エモーネです。大柄なブロンドの30歳くらいの美女とあって、殆どお色気を感じさせる場面はないのですが、水着がとっても似合いそうな美貌のキャリア、っていう雰囲気に溢れています。存在感から言えば、映画ミッション・インポッシブル3 に出演した Maggie Q みたいな存在。男性ファンがつきそうです。ベイリアルはレイナの同僚で、40代の男ですが、彼女ほどの迫力はありません。

で、悪役がジャクソン・“BBB”・グーテンベルガー。GAWP(世界生産に関する一般協定事務局)に所属する男です。彼の提言で、戸田特鋼は買収され、祐樹が愛していた工場は解体されてしまいました。GAWPが掲げるのは生産効率の向上、うーん、日本のトヨタを連想しちゃいけないんでしょうか?。目的のために企業買収だけではなくロビイストの買収、官憲の利用も行います。

話については、さほど感心はしませんでしたが、小川がカバー折り返しで書いている

地球はもういっぱいだ。やることなんて残ってない。
そう感じている人は、この本を読んでください。
行く場所もやることも、まだまだたくさんあります。
ここには今より楽しい明日があります。
                    
っていうのは正しいと思います。楽しい未来を信じて、明るく考えて生きるのが一番。最後に目次のタイトル。

プロローグ
Invest-1 創造手と錬金術師
Invest-2 世界を変える奇跡の子馬
Invest-3 百億ドルより大事なこと
Invest-4 砂漠を越えて
エピローグ
あとがき

以上です。最後はカバー折り返しの言葉。

地球はもういっぱいだ。やることなんて残ってない。
そう感じている人は、この本を読んでください。
行く場所もやることも、まだまだたくさんあります。
ここには今より楽しい明日があります。
                    (著者)

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2008/12/20 19:34

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