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みんなのレビュー65件

みんなの評価3.4

評価内訳

64 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

最近コーラを飲んでいない

2009/04/27 08:28

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 どうして、これ、あ、山崎ナオコーラさんの『手』のことですが、芥川賞(第140回)をとれなかったんだろう、というか、津村記久子さんの『ポトスライムの舟』に負けちゃったんだろう。
 二つの作品はたいへんよく似ている。
 一方、津村さんの方、がワーキングプアの世界だし、他方、山崎さんの方、は「やる気が皆無」な世界だし、どちらにしても積極的に社会と関わっているという印象の少ない若い女性が主人公の作品だ。
 でも、とってつけたような津村さんの主人公ではなく、あくまでも自然に描かれている山崎さんの方が、数歩、じゃんけんケンパ遊びでいえば、チョキで勝って、トントンとふたつ、前に進んだくらい、いいように思う。

 「書物は他人から声をかけられないための、防御壁」として会社で本を読んだり、働いているのも「給料がなくては生活できない」し「家族に対しての体裁が悪い」からという二十五歳の「私」。
 生きがいといえるものは、「おじさんコレクション」で、会社や街で「おじさん」を盗撮して楽しんでいる。「皆が女の子に対してやっていることを、私はおじさんに対してやっている」だけ、ということなのだが、盗撮趣味のおじさんたちがそうすることで社会とつながっているように、「私」もそうして社会につながっているのだろう。
 会社の上司の「おじさん」大河内さんとはそういうつながりのひとつとして京都旅行に行ったが、セックスはしない。元同僚の森さんとは「推定三十一回」セックスはしたが、それ以上のもの、例えば結婚とかそういうわずらわしいもの、に進むことなく別れる。
 
 「私」は思うのだ。「パートナーはいらない。それよりも、この世界の仕組みが知りたい」と。
 このあたりは津村さんの主人公に本当によく似ている。
 関係性を結ぶのが苦手なくせに、本当の社会とのつながりを求めている。それなのに、流されている。
 あきらめではないが、生気に乏しい生き物。だけど、それは、生きている。生きようともがいている。それを誰も否定できない。

 芥川賞の選評で村上龍氏は「コントロールできそうにないものを何とかコントロールしたいという意思を持っているように思った」と書いているし、川上弘美氏は「繊細に揺れているようで、けれども確かだ」としている。
 その一方で、「今後において氏(山崎さんのこと)がなにも芥川賞にこだわることはないのではないか」と宮本輝氏は書いているが、別に山崎さんがこだわっている訳がないのに、それはないでしょ、とコラコーラと云いたくなる。

 ◆この書評のこぼれ話はblog「ほん☆たす」で。

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紙の本

手と手 重なり合うと仕合わせ

2009/02/08 00:22

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ろでむ - この投稿者のレビュー一覧を見る

四半世紀も私にくっ付いたまま離れない指が、今日もキーボードを叩いていた。
昔、ユーラシア大陸の右端に、小さな国があった。
私は昔、狩をしていたことがある。
「いたわり」という感覚が全ての人間に備わっているのは不思議だ。



山崎ナオコーラの新作「手」の中に収められている、4つの物語の出だし。 いつも思うのだが、彼女の小説は僕にとって読みやすい。かなり読みやすい。年齢が近いからか?はたまた登場人物が僕にとって身近な存在だからか?やはり、年代が近い=感覚が近いような気がする。

今回の小説では特に、「手」の中の25歳の女性。似ているような気がする。
きっと僕だけ感じる感覚ではなくて、この年齢の人は強く感じていると思う。どこか、現実逃避をしているのだ。
仕事にせよ、趣味にせよ、攻めているようで、逃げている。きっと寂しがり屋が多い。この25歳女性寅井さんは、寂しがり屋。けれども、気づいていないのだろう、本人は。

好きな一文を書いて、締めくくりたい。



京浜東北線の社内は、ほど良い混み具合で、皆でビル群を抜ける。そんな中、隣りで吊革をつかんでいる二十七歳の男が泣き出すのを眺める、というのは素敵な体験だ。

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2009/02/15 14:57

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2009/02/15 19:05

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2009/02/20 19:05

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2009/03/27 13:20

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2009/03/25 10:46

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2009/05/10 20:50

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2009/05/20 11:49

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2009/06/06 15:43

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2009/06/19 02:32

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2009/06/30 17:03

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2009/08/02 20:56

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