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動的平衡 1 生命はなぜそこに宿るのか みんなのレビュー

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みんなのレビュー229件

みんなの評価4.2

評価内訳

228 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

福岡伸一の「流れ」と「淀み」

2009/03/07 21:54

17人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ひと頃、著者の連載コラム「エレメント・フラグメント・モーメント─等身大の科学へ─」を読むためだけに、毎月『ソトコト』を購入していたことがある。たかだか見開き二頁に綴られた文章なのに、奥深く広大な思考世界がその背後に息づいているのが伝わってきた。いつか単行本になったらまとめて読みたいと思っていた。
 本書は、その連載記事に再編集と加筆をほどこし、別の雑誌に執筆した文章も取り込んで、プロローグと八つの章に仕立て直したものだ。「汝とは「汝の食べた物」である」「人間は考える管である」「生命活動とはアミノ酸の並び替え」「「飢餓」こそが人類七○○万年の歴史」「全体は部分の総和ではない」「生命は分子の「淀み」」「なぜ、人は渦巻きに惹かれるのか」──目次からいくつかの章名や見出しを引いてみるだけで、短い文章のうちに結晶した著者の「思考細片」ともいうべきものの感触が蘇ってくる。
 著者はあとがきにこう書いている。「それら[思考細片]はいずれも、文字通り、要素[エレメント]であり、断片[フラグメント]であり、揺らぎ[モーメント]であった様々な思いが言葉となった何かであり、私の思考のすべてはここから生まれた」。たとえば次の文章を読むと、そこで語られているのは生命現象一般についてというより、福岡伸一の思考そのものであるかのようだ。

《…私たちの身体は分子的な実体としては、数ヶ月前の自分とはまったく別物になっている。分子は環境からやってきて、一時、淀みとしての私たちを作り出し、次の瞬間にはまた環境へと解き放たれていく。
 つまり、環境は常に私たちの身体の中を通り抜けている。いや「通り抜ける」という表現も正確ではない。なぜなら、そこには分子が「通り過ぎる」べき容れ物があったわけではなく、ここで容れ物と呼んでいる私たちの身体自体も「通り過ぎつつある」分子が、一時的に形作っているにすぎないからである。
 つまり、そこにあるのは、流れそのものでしかない。その流れ自体が「生きている」ということなのである。シェーンハイマーは、この生命の特異的なありように「動的な平衡」という素敵な名前をつけた。
 ここで私たちは改めて「生命とは何か?」という問いに答えることができる。「生命とは動的な平衡状態にあるシステムである」という回答である。
 そして、ここにはもう一つの重要な啓示がある。それは可変的でサスティナブルを特徴とする生命というシステムは、その物質的構造基盤、つまり構成分子そのものに依存しているのではなく、その流れがもたらす「効果」であるということだ。生命現象とは構造ではなく「効果」なのである。(略)
 サスティナブルなものは、一見、不変のように見えて、実は常に動きながら平衡を保ち、かつわずかながら変化し続けている。その軌跡と運動のあり方を、ずっと後になって「進化」と呼べることに、私たちは気づくのだ。》

 ひとつ成果があった。「自然は歌に満ちている」と「豚は思考しているか」という素敵な見出しを付された文章に、ライアル・ワトソンの二つの近著が紹介されていて、それらは著者の翻訳によって今年中に木楽舎から刊行される予定だという(邦題『エレファントム』『思考する豚』)。


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紙の本

ミクロの世界に生命のダイナミズムを見る醍醐味

2009/02/27 16:58

11人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 生命現象とは何なのか。分子生物学者である著者は、それに対してこう答えています。
 生命とは、機械論的なパーツの集合体ではなく、タンパク質の絶え間ない合成と分解のサイクル、その流れがもたらす効果のことである。あるいは、こういうふうに言うこともできるだろう。生命とは、動的な平衡状態にあるシステムであると。

 本書は、著者のこの考えを中心テーマとして、以下の八つの章から構成されています。

◆第1章 脳にかけられた「バイアス」・・・・・・人はなぜ「錯誤」するか
◆第2章 汝とは「汝の食べた物」である・・・・・・「消化」とは情報の解体
◆第3章 ダイエットの科学・・・・・・分子生物学が示す「太らない食べ方」
◆第4章 その食品を食べますか?・・・・・・部分しか見ない者たちの危険
◆第5章 生命は時計仕掛けか?・・・・・・ES細胞の不思議
◆第6章 ヒトと病原体の戦い・・・・・・イタチごっこは終わらない
◆第7章 ミトコンドリア・ミステリー・・・・・・母系だけで継承されるエネルギー産出の源
◆第8章 生命は分子の「淀み」・・・・・・シェーンハイマーは何を示唆したか

 子どもの頃は一年は長かったのに、大人になると一年があっという間に過ぎるように感じるのはなぜか。この問いに対して、「体内時計」の観点から合理的な説明を加える箇所が、第1章の途中にあります。ここにまず、「なるほど。確かにそれは言えてるかも」と、頷かされましたね。論理的で明快な著者の思考は、説得力が強いです。ほかにも、「コラーゲン添加食品の空虚」だとか、「現代人の栄養失調」だとか、思わず納得。

 本書で一番感動したのは、第8章の中、ライアル・ワトソンの近著『エレファントム』の美しいシーンを紹介した件り。陸上で最も大きな生き物と、海で最も大きな生き物が向かい合うところ。生命の神秘、生命の不思議に触れ得た思い。胸が熱くなりました。

 ひとつ、残念だったのは、写真の切り取り方というか掲載の仕方が、いかにも杓子定規的で、古いタイプの科学書を思わせるものだったこと。もう少し、図版としてのアクセントを利かせて掲載してほしかったです。

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紙の本

難しい内容を簡単に

2016/10/29 17:17

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:てけちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

途中で脱線?と勘違いしますが、本当は難しいであろう生物の話をサスティナブルの単語を中心に書いていることが、わかりやすくしていると思います

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2009/02/28 23:55

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2009/03/20 16:19

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2009/04/09 21:54

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2009/04/12 17:38

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2010/07/01 12:07

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2009/05/14 01:54

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2009/05/26 23:15

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2009/05/29 14:04

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2009/06/17 01:33

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2009/07/02 23:01

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