紙の本
桶狭間奇襲戦は不思議なことばかり。
2009/04/18 21:42
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
桶狭間奇襲戦は不思議なことばかり。
歴史上まれに見る大逆転勝利は、陰謀のにおいがします。
なぜ、信長は勝てたのか?
数々の資料は不自然なものばかり。
本書は、「信長の棺」「秀吉の枷」の歴史感、人物感が引き続き採用されています。
信長ファンには少々納得いかない内容となっています。本書では、秀吉のさまざまな策略の結果、謀殺に近い形で決着がつけられています。
信長の棺の最後の種明かしである、「秀吉の出生の秘密」が全面に出された内容です。
本書での読みどころは、信長と秀吉の対話の場面。
手打ちにされる寸前のところで主君を説得する様は、緊張とともに秀吉のずば抜けた才能を描いています。
惜しむらくは、義元の謀殺場面。少し設定に無理があるようです。
歴史上のミステリーといえる桶狭間。
今後、このような独自の解釈による本がまだまだ生まれる可能性が感じられます。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
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いわゆる本能寺三部作以来の久々の時代スペクトラル本。時代の寵児の一生涯的ストリーとは内容を異にして、寵児の挙動のズーミングアップ的描写は読む者を(ぼくだけか?)ハラハラドキドキワクワクさせる。
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【図書館】
2万5千の今川義元軍を、暴雨の虚をついて、
わずか2千の織田信長軍の精鋭が破ったと言われる
桶狭間の戦い。「小よく大を制す」の事例としても有名。
この戦いの後、織田勢が一挙に勢力を拡大していき、
日本史上の転換点の一つとも言われる。
織田信長の戦いの上手さや神がかりっぷりが
取り上げられることの多い戦いだが、
実際どのように戦ったのかは、諸説がある。
その中に、まさに独自の解釈を示すのが本書。
通常、桶狭間の戦いでは、目立った戦功のない
秀吉(木下藤吉郎)が、実は裏で糸を引いていたという説だ。
異端ながら、魅力的な筋書きではある。
虚構にしか思えないようなとっぴなストーリーではあるが、
ほんの少し、「いや、でも、まさかね?」を感じさせるあたり、
加藤廣って上手い。
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織田信長を尾張の名もなき一大名から一気に有力大名へと駆け上がらせるきっかけとなった桶狭間の戦い。
圧倒的劣勢の中で情報を重んじ、気候を読み、迅速な行軍によって今川を破ったと思われている戦いだが、実は真の戦いはその裏舞台で行われていた!
秀吉が密約を結んで影の人間を動かし、その不気味な暗躍によって得た勝利の事実を捏造する信長。
義元は暗愚で油断したために襲われたのではないことを認識させる一作。
(2009/9/28 読了)
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2005年、75歳のとき、「信長の棺」で作家デビューした
加藤廣氏の新作。
桶狭間の合戦については、さまざまに書かれているが、本書では秀吉による「山の民」による謀略説。
清洲城そのものが、当時海抜0メートル地帯にあり、毎年水浸しになった。
桑(根が深く台風に耐えられる)を植えて蚕を飼い、絹織物を生産する繊維産業に傾斜。尾張の男子が兵として通年利用可能、最大5000人まで。
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本能寺三部作の前提となる内容で、秀吉がメイン。史実の解釈というより正に創作、桶狭間の謀略論に合わせて人物像を当てはめている。それなら、もっと娯楽要素を入れてもいいと思う(笑)個人的に信長が卑小に扱われるのは抵抗あり。作者の好みもあるんだろうな~
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うーーん。よくできてるんだけど小説だから
しょうがないけど裏づけ資料とかないからかなりの
眉唾だな。。
信長の棺と同じで秀吉の出自が丹波の道のものを
押し続けるなら少し裏づけがほしいなあ。
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棺や枷を未読で、この本を初めに読みました。
”山の民”については全くの無知だったため、秀吉が山の民出身でしかも~という内容には当初ぽかーんとなってしまいましたが、すぐに調べてみたところ山の民(サンカ)とは確かに存在していたものと分かり、ひとつ勉強になりました。
とは言っても、やはり荒唐無稽に感じてしまいます。異説というものは、もしかしたらそうだったかもしれない、とわくわくさせてくれるので好きなのですが、あまりに馴染みの無い説なだけに、読了まで釈然としないものを感じ続けました。
私自身の想像力の幅が狭いからだ……というのも理由であるように感じます。私がもう少し柔軟であったなら、もっと楽しめたと思います。
物語としては面白かったです。
有名な桶狭間ですが、斬新すぎる内容だけに、初めて読むお話のように先が気になりました。
一冊で完成されているお話ではないので、棺と枷も読んでみたいと思います。最初に読んだのがこれでなければ、もう少し違った感想になっていたかもしれません。
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棺もこれも、秀吉が大好きになってしまう。
加藤廣を加藤鷹と読み間違えて買ったのは俺だけなのだろうか…。
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加藤氏の本は今まで3冊読んできましたが、個人的には本能寺の変よりも興味をもっていた「桶狭間」を話題にした小説であり、一気に読み終えてしまいました。
奇襲攻撃で織田氏が今川に格好良く勝利した、今川方は油断していたというのが定説のようですが、昔から何かおかしいのではと思っていましたので、この小説で書かれているようなこと(織田のだまし討ち)もあったかも知れません。それはともかく楽しく読むことができました。
以下は面白かったポイントです。
・人は皆、その地位よりひとつ上のことをさせれば、目の色が変わる(p29)
・尾張が水浸しになるエリアであったため、尾張の政治と地域経済に特異な性格を与えた、1)領内の産業が繊維産業(根が深い)に傾斜し、楽市楽座へ発展、2)女子労働が多く、男は比較的自由があり、兵の通年採用が可能(p107)
・当時の信長の動員兵力は4000人、清洲城守備兵:1500-2000人、那古野城:1500人とすると、2000人程度が動員できる限界(p109)
・100対80の兵が戦うと、80の部隊は全滅し、相手の部隊には致命傷を与えることができない、100の二乗と80の二乗の差である3600(60の二乗)のため(p136)
・源平の戦いの「一の谷の戦い」も、謀略の可能性がある(p143)
・桶狭間に参加した織田の20騎は、最終的には800となっていった(p221)
・今川氏真は、江戸の家康の元で、わずかな知行をもらって77歳まで品川に在住した、徳川から禄をもらっているので家康の陰謀参加は門外不出となった(p223)
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小説の終わり方は様々ですが,この小説の終わり方はもっとも良い点で終わっているように思いました。終わると考えられるべき点で終わらず,少しエピローグが長く続いて唐突に終わる感じです。
有名な桶狭間の戦いについて,確かに2万5千の今川に対し,その10分の1とする織田が奇襲をかけたとするにはあまりにも無謀で,その後様々な策略をもって覇王となる信長がこの戦だけは一か八かというのは少し不自然な感じはあります。
それだからこそ,桶狭間の戦いの内実には様々な説があるのだとは思いますが,この小説は異端な説として面白く読めました。
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織田信長が今川義元を破った桶狭間の戦いについての話で、主人公は羽柴秀吉です。
この本では、秀吉は「山の民」の出身で、「山の民」の訓練により、小さい頃から投石や火打などの特殊技術を覚え、「山の民」である父からは算術を習うなど、こういう努力をしたおかげで、後年の活躍があった、としています。
桶狭間までは非常におもしろい感じでしたが、その後もいろいろと話があり、何だかわからなくなりました。
秀吉は優秀、家康はまあまあ、信長や今川義元はちょっとだめ、今川氏真は全然ダメ(これは定説だが)、ということで、秀吉よりも信長の方を買っている自分としては、ちょっといまいちな感じでした。
↓ ブログも書いています。
http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-a1d4.html
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加藤廣先生の歴史観が際立つ作品です
1)秀吉=山の民 やや上から目線で分析してる
2)信長=三白眼 後世から過剰に評価されてる
地域環境からの行動が先進性あるやに!
で、史実と異なる桶狭間の真相を見せてくれます♪
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謎と言われている桶狭間の戦い。新しい視点で見てみると面白い。実際のところは謎のままだが、本当の話のようにも感じる。サンガの存在に興味あり。
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桶狭間って謎が多いけど、そうだったのかも。
家康、信長、秀吉のそれぞれの特徴と想いがわかりやすく、スピーディに展開されるので、読みやすい。