紙の本
モノづくりの現場をわくわくしてお読みください
2010/07/13 00:29
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
言わずと知れたトヨタのハイブリッドカー「プリウス」。その開発プロジェクト・ストーリーを描いた本。現在は3代目となったプリウスは「エコカー減税政策」という追い風もあり、大ヒット中。既に世界の同業他社とは「十年の長がある」プリウスは熟成期に入った。トヨタのハイブリッド・システム(THS)はプリウスに留まらず、ハリアー、レクサス等々の他車にも広がっている。
本書は大半が初代プリウスの開発物語だが、それはわずか2年間で量産にこぎつけるという「クレイジー・プロジェクト」であった。もう忘れた人も多いかも知れないが、初代が発売されたのは1997年12月のことだ。まだ20世紀だった。「21世紀に間にあいました」 とかいうCMがあったが、世界で初めて市販される量産ハイブリッドカーと注目された。私の住む信州でも今では頻繁に見かけるようになった。
21世紀に提案できる車として全くのゼロから作り始めたそうだが、当初は「ハイブリッドは検討対象でさえなかった」という。しかし「環境」というキーワードを重視し、燃費を二倍にすることが明確な目標になることでハイブリッド技術がクローズアップされた。実は当時、社内には勝手にハイブリッドを研究していた変わり者がいた、というのがトヨタの懐の深さだ。彼は実験部の担当役員という立場をフルに生かして、比較的自由に開発予算を使えたという。これが短期間での実用化に結び付いた大きな要因の一つとなった。
こういうクルマ作りはセクショナリズムのない小グループでの開発だから出来た、というようなことを当時のリーダーの一人が言っている。少数精鋭で、やる気も覚悟もある優秀な人たちのチームが、苦しみながらもやり遂げた、もう一つの「プロジェクトX」。これだからモノづくりは素晴らしい!
投稿元:
レビューを見る
トヨタ「プリウス」の開発物語。時系列に事象が並べられている。プロジェクトXを期待したら外す。ハイブリッドの考え方はよくわかった。
投稿元:
レビューを見る
ハイブリッド大ブームまでの伏線, 2009/6/14
4月の乗用車販売1位インサイト、5月プリウス、と今でこそハイブリッド車が当たり前のようになっていますが、初代プリウスが生み出されるまでの苦労が見えてきます
不可能だと思っていたことが可能になるという良い事例かもしれません
初代プリウスは正直な所、まだ完成度が低い(坂道加速やブレーキフィーリングなど)と思いましたが2代目は非常に良く、仕事でレンタカーではいつもプリウスを借りています
ただ、プリウスで作り上げてきた環境ブランドがややトヨタは一時北米市場でタンドラなどSUV系に走っておかしくなった感じなので、もう一度、まじめにこのような車を世に送り出して欲しいです
投稿元:
レビューを見る
感心した点
・自動車メーカーの品質に対する意識の高さは、他の製造業を圧倒するものがある。
・次世代を担うモノづくりへの取り組み姿勢、社のバックアップ体制
(というよりかは、キーパーソンの情熱と組織を動かすためのしたたかさ)
・長期スパンでの商品ロードマップを着実に描いている
投稿元:
レビューを見る
1つの Inovation が起きる過程を知ることができて
おもしろかった。
願わくば、自分もこうした開発に参加したいと思う。
この本にもあるように、
これからの自動車業界は「おもしろい」タイミングと感じるし、
エンジニアとしておもしろい仕事を開拓し続けていきたい。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
「クレイジー・プロジェクト」だったハイブリッド車「プリウス」開発を、トヨタの技術者たちはわずか二年で成し遂げた。
開発メンバーに取材し、“奇跡のクルマ”の誕生から現在をルポ。
[ 目次 ]
序章 三代目プリウス誕生
第1章 二十一世紀のクルマ
第2章 「燃費を二倍にしろ!」
第3章 ハイブリッド一本
第4章 「内製」にこだわった電池
第5章 「お客さんに育てていただいた」
第6章 世界の「環境ブランド」
終章 次世代のプラグインハイブリッド
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
プリウスが世に出てくるまでの紆余曲折に満ち満ちたお話。まったくの偶然のようにハイブリッドが採用されたこと。実はそういった研究地道にこつこつやってたこと。当時、会社の状態がさほど良くないにもかかわらず、このような冒険的なプロジェクトにゴーサインが出たこと。当時の経営者にそういう気概があったこと。当初は誰も実現可能だとは思っていなかったこと。まあ色々あります。プロジェクトは生き物で一度走り出しちゃうとこういう風に思わぬ形で結実することもあるのかなと。
投稿元:
レビューを見る
最初は不可能だといわれていたハイブリット車の開発をわずか2年でしてしまうトヨタの技術者たちの努力や情熱は大変なものだと感じた。21世紀にふさわしい車としてハイブリット車開発に決まり、当初の予定は1999年にラインオフの予定だったものが社長によって、2年前倒しされたが、一定の目標を置いてダメだったときには99年にしてもらう約束だったものが記者発表によって97年になってしまったことで後がなくなったが、動かない試作車など見切り発車の状態だったものをしっかりとまとめ上げて発売にこぎつけた。発売後はお客からの要望などによってよりよいものへと仕上げていく向上心は私も見習いたいと思いました。
どんなに無茶な要請を受けても諦めずに最後まで仕上げるように努力することは重要だということがわかりました。また、周りからの意見を柔軟に取り入れて行けるような社会人になりたいと感じました。
投稿元:
レビューを見る
大きなブレークスルーが起きる時には、時機や人を得るものなのだろう。
それにしてもプリウスのハイブリッドが実質2年程で開発から発売までにこぎ着いたのだとは。
いろいろ言われるトヨタだが、やはり車好き、物作り好きな人はいるのだな。
投稿元:
レビューを見る
神話がないトヨタの中で唯一語れる話がプリウス物語である。しかし本書はトヨタブランドを高めるほどの良エピソードやアクが強いキャラクター、そして文章力がない。ホンダ神話に叶わないのならば、技術論に徹してしまった方が興味を引いたのではと思う。ハイブリッドの機構を説明する部分では図などを用いて、より詳細に説明をした方が面白かったと思う。それを書かなかったのは恐らく筆者にそこまでの理解が及ばなかったからなのだろう。
投稿元:
レビューを見る
エンジン、電気モーター併用のハイブリッド・カー「プリウス」は、環境問題へのトヨタの答え。開発メンバー取材で挑戦の舞台裏を描く
「クレイジー・プロジェクト」だったハイブリッド車「プリウス」開発を、トヨタの技術者たちはわずか二年で成し遂げた。開発メンバーに取材し、“奇跡のクルマ”の誕生から現在をルポ。
投稿元:
レビューを見る
楽しく読めた。トヨタを褒めちぎっているだけにも見えるが、プリウス開発が優れたプロジェクトであったことに疑いはないだろう。
投稿元:
レビューを見る
自動車の環境対応に注目が集まる中、3代目プリウスが発売され、5月の新車販売台数ではトップに立った。本書は、そのプリウスの初代の開発ストーリーである。
プリウスの開発は、豊田英二会長(当時)の肝いりで「21世紀のクルマ」を提案するということで始まった。最初からハイブリッドカーを意図したものでもなかったし、短期間で量産しようとも考えられていなかった。しかし、時代の流れもあり、本格的な開発開始から実質2年程度で発売という「クレイジー・プロジェクト」となっていった。
そのプロジェクトを成功させたのは、トヨタが誇る技術陣だったのはもちろんだが、その力をフルに引き出したマネージメント力にあると感じた。例外的な開発手法を取り、そこに対して全社的にサポートしていく。そこには、縦割り組織で動きが取りにくい大企業のイメージはない。これだけの世界的大企業となっても、時としてこういうことができるのが、トヨタのすごいところだと思った。
投稿元:
レビューを見る
燃費や上市タイミングなど、とんでもない無理難題を指示し、かつ責任を持ってサポートする経営陣の覚悟が1番の成功要因だったのではないか。
しかもその無理難題も、将来を見据えてあるべき姿を深く分析して具体的に出したものでなければならない。
これが出来る人が本当に優秀な経営者なのだと思う。