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みんなのレビュー38件

みんなの評価3.5

評価内訳

38 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

罪の苦しみは「死ねない」ことで償え

2009/06/05 17:13

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

心療内科・精神科医の北嶋涼子の元に
発作を起こすと、奇声を上げながら腹部に痛みを訴え、
激しく手指を動かし、トランス状態となる、
9歳の少女・あや香が訪れます。

一方、涼子の学生時代の親友、浅倉祐美はアメリカ留学中。
そこで「死なない男」の死刑囚に会います。
「S16」とあだ名される男は1949年、
少女を暴行殺害した後、自殺しましたが失敗。
判決後、3度の死刑執行のいずれもが失敗。

その後、がんに侵され、現在はほとんどすべての細胞が
がん化しているにもかかわらず、生きています。
そして医師による密かな、数回にわたる安楽死も失敗。
S16には肉体的な苦痛のみが残されます。

この一見、全く無関係に思える二人の意外な繋がりを
この二人の医者が見出すのですが、
それに至るまでのストーリーテリングがうまい。

見た目も医師としての能力も一般的で、ものぐさな涼子と、
頭脳明晰、美貌と行動力にあふれた祐美の親友関係によって
うまく結びついていきます。

乾ルカらしいグロテスクな描写で彩られた「死なない男」S16の
容貌やがんの痛み、彼に与えられる苦痛はすさまじく、
その屍独特の腐臭さえ、本から漂ってきそう。

死刑という刑罰が、本当に犯人への罰となるか、
というのは難しい問題ですが
このように死に至る痛みを感じながら
「死ねない」というのが一番の苦痛ですね。



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紙の本

タイトルからも結末を想像できてしまう(のが、少々難点ですが)

2009/07/06 12:30

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カフェイン中毒 - この投稿者のレビュー一覧を見る

たとえば物語の中に謎があるとして。

本を置いてでも、自ら謎解きを楽しむタイプと、
ストーリーを追うことで謎がとかれるのを待つタイプがあるとするなら、
あきらかに私は後者のようです。

じつはこの物語、鈍い私でも(わざわざ本を置いて考えなくても)、
かなり先が想像できてしまうのでした。
小出しにされるパーツが匂うとでも言うのでしょうか。
読み始めてまもなく、大筋は読めてしまいました。
加えて徐々に細部の謎もとけてしまい、ただ結末を見届けるために読み進めたような気さえします。
いくら私でも、安易に先が読めてしまうのでは興ざめです。

それでもページを繰るスピードは、後半に加速します。
描写や話の転がり方のおもしろさを前にすると、私の場合、やはり謎ときは二の次のようです。

ふたりの精神科医の女性がいます。
ひとりは日本でクリニックを開業し、たまたま訪れたかつての同級生の娘を診ることになります。
発作を起こすと悲鳴や叫び声をあげ、意味不明な言葉と動作を繰り返すその子供は、
どの医療機関でも匙を投げられた状態でした。

クリニックの医師の親友でもある、もう一方の女性は、
アメリカの研究室を渡り歩く生活をしています。
彼女が刑務所の囚人たちのカウンセリングで出会ったのは、
犯行後にはかった自殺、その後の数回の死刑、それらのすべてを生き延びた男でした。
身体じゅうをがん細胞に侵され、痩せ衰え、死臭すら漂わせながら、
それでも余命宣告から20年を生きているのです。

奇妙な発作に悩まされる日本の小学生と、遠くアメリカの刑務所で死ねないでいる囚人。
精神科医である彼女たちに一石を投じる患者ではありますが、
ふたりが信頼のおける友人で、なおかつ同業でなかったならば、
けっしてリンクする存在ではなかったはずです。

理屈では考えられないことが、データとして次々と提示されます。
それをどう解釈するか、医療現場のスタッフとして受け入れることができるのか。
しかしながら、どちらの患者も待ったなしの状態なのです。

大筋が読めても思わず引き込まれたのは、描写がとても丁寧になされた文章だったからでしょう。
そこからは、さまざまなものが浮き上がってきます。
死刑囚の体臭、医師に不信感を抱く母親の苦悩、独立して大きな壁を前にした女医の挫折、
遠く離れた地で育む友情、医師としての使命感。

謎がある物語なので、核心に触れずに紹介するのは、とてもむずかしい。
このあと、著者のデビュー作も読んでみることにします。

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2009/07/22 16:51

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2009/07/23 17:01

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