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投稿者:コルダ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大好きな角田光代先生の新作でしょうか?一気読みしてしまいました。年代的にも重なる部分があり人ごととは思えませんでした
一人の女性の成長物語
2024/02/18 16:39
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
一人の女性の成長物語です。さすが角田光代です。なかなか読ませます。大きな出来事があるわけではないが、ぐいぐいと物語の世界に引き込まれていきます。読後感もすごく良かったです。
古着が生まれ変わる
2020/06/30 23:55
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
母の遺品を整理していた主人公・ハナが、洋服をリサイクルしたフェルト本を思いつくシーンが秀逸です。世の中の流れにとらわれることなく、自分のやりたいことを追い求める生き方に共感できます。
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投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る
そんな平凡なことはいやだ、と言ってるうちに、時間だけたってしまい、ふと気がつくと何も自分にない、ということになってしまう。
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「どうしようチサト、わたしには何もないよ。」
前編を通して、この本の主人公、ハナはそう叫んでいる。
三十を超えて、女友達と二人でやってきた古着屋も軌道に乗っている。
しかしそんな日々に変化が訪れた。
共同経営者兼親友のチサトは中古ブランド品を扱うと言い出し、恋人のタケダくんは「結婚してやるよ」と言う。
ハナは反発した。
「したくない」ことを主張しているだけだと、それでは進めないとタケダくんに言われても。
本当は気付いているのだ。三十七年間、自分は何も守ってこなかったし、作ってこなかったということを。
でも今更どうこうできない。素直になれない。何かしたいとあがいて、あがいて、あがく女の姿を描いた物語。
とにかく主人公のハナがみっともなくてやるせなくて、かっこわるくなるまいと逃げるさま、が、溜息をつくほど見苦しい。
けれど何より憂鬱なのは、「ああ、わたしだってこうなる可能性は充分にある」と思ってしまうことだ。
何も持っていない。それはぞっとそるようなことだ。
でもじゃあ逆に問いたい。何をして、持っているといえるんだろう。
たとえばわたしには、大切な友人がいて、家族もいて、21年間培ってきた自分という人間の信念がある。これを「持っている」と思うのは、だめなのだろうか。
持っている持っていないって、そんなの意識の問題じゃないんだろうか。他人に決められることじゃなくて、いかに自分が満たされているか、という秤で決めるんじゃないだろうか。
わたしはやっぱりそう思う。
ハナはそのことにずーっと気付けなかった。ずっとほかの誰かになりたくて、誰かが羨ましかったのだ。
でもそれは誰でもなく、架空の、夢物語みたいな誰かだったのだ。
まあずいぶん夢見がちな37歳だよな、とは思う。
ただこの心の揺れや、女の弱さなんかを書くのは角田さんの得意分野といいますか、お見事。
親友のチサトがほんとーーーーーにいい人で、この人がいるのにお前は何を「持っていない」とわめくんだ、というレベル。
現在進路も何も見えないわたしは読んでる途中は泥のようにずんと沈んで、「これ今読まなきゃよかったわ・・・」と若干涙目になったりもしましたが
最後が予想もつかないほどポジティブなエンディングでちょっとだけ救われました
これを三十代の女の人が読んだら、精神的に楽になるだろうけどシャレにならないなあ
でも二十代の女の人が読むにはちょっと夢がないし、読者層どこなんだろうなあ・・・
あとやっぱり思うこと。最後にハナは、「キリエみたいな部屋にしたい」って思うことをやめるけど、それはどうなんだろう。
もちろんそっくり生き方やら何やらを真似るというのは違うと思うけど、色んな人から、いいなあと思うことをちょっとずつ集めてつぎはぎにして好きなものばっかりにする。
それってやっぱり選んだのは「自分」じゃないだろうか。
うまく言えないけど、それをすてきだと感じた感性とかそういうもの。
わたしはそういうのも、好きだよ。
どんなに真似をしようとしても、どこかに必ず自分とい���ものは入り込んでくるわけで、そこからのがれられない以上は、どうあってもいいじゃないか、と思うんですよね。
だって人生は90年くらいあるんだよ
と、図らずもこの本と似たような結論になってしまいました、以上です
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『対岸の彼女』などと同じジャンルの本と言える。
私は結構好んでこのトピックスのものを読む。
薄闇シルエット。ぼんやりと、自分の中にある理想の形を
くっきりさせていくことは、容易いことじゃなくて、
というような本。
最後の終わり方はべただけど、結構好き。
「結婚したいわけでもなかったし、したくないわけでもなかった。
チサトの中古ブランドの店に反対したい気持ちもなかったし、
協力したいとも思わなかった。チサトの結婚を裏切りだとも思わないし、
では何にも感じないかといえば、何かおもしろくない気持ちはあった。
ぜんぶおなじことだ。結婚に思うところがあるわけではない、
仕事に思うところがあるわけではない、私はただ、変わってしまう、
ということがこわかっただけなのだ。
金太郎飴の、外気に触れない真ん中に居続けたかった。」
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今回の主人公は
角田さん独特の、ちょっと陰鬱でクセのある女性っぽくなく
どちらかと言えば、普通の女性のような気がした。
女性に限らず、男でもこんな感じの人は
結構居るのではないかと思う。
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かなり身につまされる部分があるかもしれません。
登場人物の、だれに、というのでなく
全体的に・・あるときはこの人わかる、と思うし
あるときはこの人が正しい・・かも、とも思うし
しかし「独身(高齢で)」を売りにし、それが最大で最高と思うグループってのは
やっぱいろんな意味で痛い気がする。
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主人公の妹に強く共感した。
家庭の中にまみれ、小さな子どもの世話に明け暮れ、それでも失われない愛情。
慕ったかつての母の姿。
結婚を逆照射した作品。
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37歳が主人公のthe角田小説
オチまで含めてここまでリアルな微妙な女の生き様をフィクション出かけるというのはすごい。
滑らない小説家さんです。
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たったひとつを手に入れる。何をそれとするかはいつでもどこでもよくて、ただ決めるのがわたしであるだけでいい。
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状況や立場や年齢もまったく違うのだけれども
なぜか主人公に感情移入してしまった。
最近の私が立ち止まっているからだろうか?
引用した上の言葉がやけに響いて
私もまた少しずつ頑張ればいいじゃないか、そう励まされた。
いくつになっても色んなことに対して心は揺れるものだ。
そんな女性の迷いやはがいなさや、
それはちょっと違うんじゃないの?という思い。
それらをうまく絡められた一冊。
ゆるゆる揺られながら、
時には遠回りして、
人からなんていわれたって
結局自分の幸せなんて自分でしかわかんなくて
それは自分が責任を持って見つめていかなくてはならないもの。
迷うだけ迷って
また少し進めばいい。
読み終わったあとちょっと元気になる。
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30代も後半の微妙な年齢の女性
“したく無い事はしない”と確固たる思いはあるのに
能動的に選択していき、人生を進んでいく人たちに焦りを感じて。
プロポーズされたが断った恋人に先に結婚されたとき
二次会のファッションに見栄はって30万?使ったり
嫁さんを心の中でこき下ろしてみたりは
可愛らしい意地だと思って少し笑った
自分とは少し遠いところにいる女性だが
楽しく読めた
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角田さんはほんとに女の本性みたいなものを書くのが上手くて、読んでいて凹んだり嫌な気持になったりするんだけど読んでしまいます。
この本でもものすごく心当たりのある考え方とか感情が現実味たっぷりに書かれていて苦笑いしたくなる個所がいっぱいありました。
読む年代によって、受け止め方がすごく違うだろうなあというお話。
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既婚者と未婚者。
欲を出し上へ上へと進むチサトとキリエ
いまのままがいい、なんか違うと考えすぎてしまうハナ
いろんな女性がでてくるなか私はきっとハナに近いものはある
ただハナのように実力も経済力もない
結婚をつまらないものだとは21歳のわたしにはまだ思えない
37と言う微妙な年齢
37と言う年はわたしからみればものすごい大人に思える
だけどきっとこどもなんだ
小さい頃20歳になればなんでもできるのだと思った
だが実際20歳過ぎてもなにも変わらない、こどもだなって思う
いつからこどもじゃなくなるのかなといろんなことを考えさせてくれる角田光代さんらしい作品です