紙の本
勝手に硬派詩人と読んでいる方の、硬派なエッセイ集
2020/09/11 23:10
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
生まれも国籍もアメリカ人にして、現在は日本在住。肩書きは詩人・俳人・翻訳家とあることが多いが、エッセイストとしても只者じゃないアーサー・ビナード氏のエッセイ。
本書は、たった1000字程度の面白話でひきつけておいて、ある時点でいままで見えなかった深い意味を読者に気づかせる。そのスタンスは、詩人というより、もっと硬派な仕事、例えば、今や数少ないペンで戦うジャーナリストのようだ。
職業変えては?と思うほどだが、よく考えると詩人というものは、実は硬派な仕事なのかもしれないという学びもある。
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日本人より日本通かもしれない、アーサービナードさんの
エッセー本。
日本語のことやアメリカのこと、果ては環境問題や
政治のことまで、独自の視点で書かれていて面白い。
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古本屋で購入。面白かったです。
アメリカの方なのに日本語お上手だなあ~とまずそれに感嘆。そして話題の取り上げ方が上手だなあ~とそこに又感心。
私は昔教員免許を取った時、小学校からの英語教育を推進するべし、と答案に書かずBを取ったことがあります。それと言うのも自国の言葉や文化を知らずして他の国の言葉を訳すことができるのか?と言う問いがあるからです。
自分の経験で申し訳ないですが高校生ぐらいの時に出会ったアメリカ人の方でとても流暢な日本語を話され、更に私が説明できない日本の風習や歴史をさらり、と説明された時の恥ずかしさと言ったら本当に筆舌しがたいものでした。
反対に興味と熱意さえあればオトナになってからでも他国の文化・言葉を習得できるということではないでしょうか?
と、思うんですけれどもねえ~
まあ日本の人は恥ずかしがりが多いので子供の頃から英語を学んでおいたほうが実際に海外に行った時、恥ずかしがらずに英語をしゃべれるということもあるのかもれません。
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『出世ミミズ』のアーサー・ビナードのエッセイです。外国人なのに(外国人だから)日本のいろいろなことに気づき、それを外国語である日本語で見事に表現するその技術の高さ繊細さに脱帽。贅沢を言えば、エッセイなので文字数が決まっているものの、もう少し余裕を持ってのびのびと表現されたものを読みたかったです。
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日本に長い事住んでるアメリカ詩人のエッセイ。言葉、文化、面白い。すっげー面白いわけじゃないけど、読んじゃう。
永江さんの解説も良かった。自転車に乗ってる人のエッセイ、30ページ書けそうなことを2ページで終わらせてるエッセイ、だってさ。
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2011年5月13日(金)、いくつかの章をつまみ読み。
内容だけでなく、語り口もふふっと笑ってしまうところがあって、隙間の時間にちょっと良い読みもの。今回は図書館で借りたけれど、そのうちに手許に置いておいてちょこちょこつまみ読みしようかな。
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日本通の外国人による、日本案内。
複数の言語を、もしくは、複数の文化を、知っているというのは、なんと面白いことか。比較できるというのは、幸せな子とだと思う。著者は日本を愛してくれている。そして、もちろん、母国も愛している。だから、この本は面白い。
ハロー注意報は同じような経験がある。単数・複数問題や、兄弟姉妹問題も。
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日本在住のアメリカ人の詩人のエッセイ。
有名な方のようだが、全然知らず、日本語で詩を書いておられるということをこの本を読んで知る。
日本人より日本語がうまいし、日本通なのではないか。
在日外国人の方々に聞いてみたかったけど、失礼じゃないかとか、政治的な話して対立するのは嫌だし・・・と聞けなかったことが、書いてあったりしてかなり興味深い。
日本で「月極」の読み方に悩んだとあるが、私も中学生くらいまで「げっきょく」と読んでいて、なぜ駐車場の南極、北極の「極」ってつくのか悩んだくちである。「極め」って、使い方これ以外に知らないし。
ブッシュがキリスト教原理主義者(神が万物を創造したのであって、ダーウィンの進化論を否定している人たち、キリスト教信者には結構な数いる)だというのを、知識人はどう思ってるんかと前々から疑問だったが、やっぱ、「あいつは何もわかってない。そんなやつが科学について偉そうなことを言うな」という認識なのね。
アメリカ人は自分たちが攻撃されたことにはひどく怒って反応するが、イラクの人たちを大量虐殺したり、劣化ウラン弾使ったりするのは、平気なんだと思ってたけれど、ちゃんと心を痛めてる人もいるんだとわかって、少し、ほっとする。いや、アーサー・ビナードが多数派と思っているわけではないけれど、ちゃんとそういう人もいるんだね。
英語の翻訳についてや、日本語や英語の使い方についても目から鱗。おもしろいー。出世ミミズやこの人の書いた詩も読んでみようっと。こういう出会いはほんとうにうれしい。
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アーサーさんを初めて知ったのは一時期通勤時に聴いていたラジオで。ちょうどオバマさんが大統領になる直前だったから4年前か。その頃から著作を読みたいなと思っていたが、なかなか巡り会えず。やっと出会ったのが、本業の詩ではなく、エッセイのこの本。
エッセイのせいか、ラジオで聴いていたことに近く、アメリカ人から見た日本の日常の不思議さがよくわかった。特に西東京市のくだり。確かに変な命名だ。他にも目からウロコで面白かった。次は是非、詩集を読んでみたい。
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そういう風に話がつながるのか!と、著者の視点や筆捌きの新鮮さが面白く、あとちょっとだけと思いつつどんどん読み進めたくなる一冊でした。
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アーサービナードってイケメンだよね・・・
車の中で読むから、字面をただ追えるようなエッセイを選択。深く考えることなくほほー。とかふーん。とか、そんな感じで、彼の日常を覗き見。「ゲッキョク駐車場」に激しく共感。
ところで大阪で生まれた私は、小学生くらいまで、駐車場の地下には温水プールがあるのだと思ってましたよ。モータープール。
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言葉オタクだなぁ、作者は(笑)と読み終わって思いました。
でも独自の視点が掛けあわさると、こうしてエッセイになるんだなぁ。
作者の故郷は私にとっての第二の故郷のミシガン。フランクリン町の水車とりんごの香り、空港に降り立った時のでっぷりした人たち(失礼!でも本人が言ってることだから許して)…その空気に触れられたノスタルジーも、味わい深かったです。
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作者の移動手段は自転車だ。どこへでも自転車でいく。
だから気づくことも多いのか。
二八蕎麦屋の水車に実は青いホースが奥に潜んでいたことを見つけることができたのか。
「水に乞う」という項で、飼い猫が、嬉しくない場面でものどをゴロゴロ震わせているのを聞いて、「自分の中に眠っている幸福感を揺り起こしている」と作者は思う。嬉しくなれば、嬉しいことに出会おうとする、と。
そういうことも、「日々の非常口」に向かう術の一つなのではないかなとわたしは思う。
作者は、そういった、物事を表面的にではなく、実態を探ろうとする力、視点に長けている。
簡潔な文章で読みやすく、それでいて日常は、矛盾に満ちたたくさんのおもしろいものがあると気づかせてくれるエッセイ。
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タイトル通り、日常生活でおこる些細な出来事からもっと大きな事柄へ視点を移動できるヒントのつまった本です。ボリュームが少ない割に中身がぎっしりでした。
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「もったいない」の話から、九条改正の話へ。
「満載喫水線」の話から、規制緩和の危うさへ。
何気ない事柄からグローバルな話に展開していくのが面白い。
とあるお話会で、「長崎は最後の被爆地ではない。日本人は日本しか見ていない」と話していて、はっとさせられたのを思い出す。