紙の本
惚れ惚れとする写真、愛情溢れる文章。
2011/05/01 18:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
脚や翅を一杯に広げて飛んでくる甲虫、青空を埋め尽くすチョウ・・・。たくさんの「すごい」昆虫写真を紹介してくれてきた著者には写真集も多数あります。本書はこれまでの数多くの中から厳選した40枚あまりの写真に著者の愛情溢れる文章がつけられた一冊です。
タイトルには「見つけかた」とありますが、「見つけかたのポイント」を書いたページはあっても、主体は写真集でしょう。
広い草原や山並みを遠景に昆虫が大写しになっている写真はどれも見事。なんでこんな?と思うような造形をしたツノゼミやどうしても擬人化してしまうカマキリの表情なども、これまでに見ていたはずなのにまた出会うとやっぱり感心してしまいます。
小型の写真集なので、迫力という点では物足りないかも知れませんが、とりあえず著者の写真を手元に置いておいて時々みていたい、という用途に適している一冊だと思います。
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とても楽しい本。特に擬態のところ。何でこんなにうまく隠れているのかしら。昆虫の美しさ、不思議さに脱帽.
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読書録「すごい虫の見つけかた」4
写真・文 海野和男
出版 草思社
P61より引用
“トノサマバッタを捕まえるのに良い方法が
あります。バッタの大きさと同じくらいの木
片に糸を結びつけ、棒につけてオスのバッタ
の前に投げるのです。そうすると、オスはメ
スと間違えて飛びついてきます。”
目次から抜粋引用
“美しさを楽しむ
飛んでいる姿を楽しむ
身近な昆虫を楽しむ
擬態を楽しむ
習性を楽しむ”
自然写真家である著者による、昆虫たちの
美しい姿を収めた一冊。
かの有名なモルフォ蝶から面白い角を持つ
セミまで、世界各地の昆虫写真に解説を添え
て書かれています。
上記の引用は、トノサマバッタの捕らえ方
を記した一文。一旦しがみつくと引き寄せて
も離れないとのこと、オスというのは悲しい
なと思いましたが、このくらい命がけでなけ
れば子孫を残すことは難しいのでしょうね。
穏やかな解説文は、どなたにでも読みやす
いのではないでしょうか。著者が昆虫につい
て学ばれたのは、略歴によると東京農工大学
の日高敏隆研究室とのこと。師である日高氏
のエッセイも、とても穏やかで優しい文章で
したので、その影響なのかなと思います。
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それぞれの種について、1枚の写真と1ページのコラム(エッセイ?)がミラ機にまとめられています。
構造としてはシンプルですっきりとまとめられています。
文章は生態や昆虫の特色について簡潔な解説といった印象で、凝った写真と合わせ、筆者の昆虫への情熱を感じることができます。
日本国内で見られる種から海外の珍しい昆虫まで幅広く取り上げていますが、ページ数の少ない書籍ですので、掲載されている虫に限りがある点が少し残念でもあります。
また、国外の珍しい種については、「見つけ方」を教えてもらえたとしてもなかなか実際に見つけにゆくことは難しく、もう少しテーマをしぼったり、あるいはそれぞれの種について掲載する写真を増やしたりするなどのサービスがあってもよかったかなと思います。