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みんなのレビュー187件

みんなの評価4.0

評価内訳

180 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

タイトルは著者の言葉の前半分。

2010/01/22 17:11

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者の書き方は生命科学の一般解説書としては独特だと思う。本書にもその特徴ははっきりでている。最初の2つの章などは学会の話とか膵臓の話をしているのに、美しい文章は「科学の説明」というより「文学作品」の雰囲気である。そして一見関係のなさそうな章が並び、最後の章でこれまでの章のキーワードがはめ込まれてまとめ上げられていく。
 この形式を「推理小説かジグソーパズルの面白さ」と評価するか、「論理的でなく散漫」と感じるか。最後のまとめ方を「斬新」とおもうか、「こじつけ」と思うか。このあたりで読者の反応が大きく変わる気がする。
 「福岡節」は読者を選ぶ。

 内容的には生物学のこの方面に少し携わった人にはそんなに目新しい着眼点でもないだろう。後半、8章からの数章で語られているのは、生命科学の最近の負の話題としてはわりに知られているデータ捏造問題である。その中、第9章では10数ページに渡り電気泳動のゲルの作成から結果の解析まで、原理ではなく操作手順が延々と書かれている。経験のある人の中には「いまさら思い出したくもない」と感じる人もいそうであるが、知らない人には面白く読めるところにもなるだろう。読んだり聞いたりするだけではカッコよさそうな職業も、実際は単調作業、地道な作業、汚れ作業が結構ある、という例に漏れない、と言うだけかもしれないが。

 表題の「世界は分けてもわからない」も、自然科学では随分とりあげられ、そんなに目新しい議論ではない。しかし、「わからない」で終わってしまうこのタイトルでは、少々自然科学への否定的な意見にとられかねないのが残念と思いつつ読み進んだ。
 じつは著者は、エピローグのあとのページ数もついていない最終頁を、以下のような言葉で終えている。

 「分けても分からないと知りつつ、今日もなお私は世界を分けようとしている。それは世界を認識することの契機がその往還にしかないからである。」

 世界を分け、切り取って理解するしかない、と言う意味では科学も言葉を使う人間の営みの一つである、という意味なのだと思う。yukkiebeerさんの書評も同様のことをさしているのだろう。(言葉という網で世界をすくうのだが、当然網の目からこぼれ落ちるものもある、と言うようなことを言っていたのはベイトソンだっただろうか。)
 タイトルは、著者の言葉の前半分だったようだ。著者の意見が最後の最後でやっと見えた気がした。ストレートには話を運ばない、一癖も二癖もある書き方をする著者である。

 著者の美しい文章で読むことで、生物学のやっていることをはじめて興味深く読んだ、それにより生き物をより理解できたと感じる人も多いようである。それで正しい理解が深まればそれに越したことはない。しかし、読み手が思っていたような面だけが強調されて読み取られてしまうことが少しこわい。著者も書いている通り、「人はみたいものしかみない」ものであるから。

 蛇足ながら、「帯」について一言。現在店頭に並んでいる版には、全体の4分の3に及ぶかと言う「帯」がついている。こうなるともう「帯ではなく」カバーがもう一枚ある、という感じである。そして「科学者たちはなぜ見誤るのか?」などの文字がちょっとセンセーショナルに並んでいる。帯には「こんな風に読んで欲しい」という出版側のメッセージが刻まれるものであると思っているが、この帯もタイトルと同様、内容の一面しか見ていない感を否めなかった。

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