紙の本
著者のバイタリティーに脱帽
2022/04/30 16:34
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投稿者:ひでくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノンフイクションだが 題名は冗談と思っていたら、戦時中の激戦地に実在した部隊である事に驚いた。著者がラバウルを訪れ宇奈月温泉の存在を知り、ツテを頼って隊長を見つけ出す。日本の夏を遥かに超える暑さのジャングルを歩いて行く、そのバイタリティに脱帽します。内容も浮ついたものでなく戦争の爪あと、悲惨さも伝わってきます。
紀行文を読むとその場所を訪れたくなりますが、ラバウルの宇奈月温泉は、本で読むだけで充分な気がします。
それにしても「マラリアにかかっても温泉に入りたい」「敵に見つかっても温泉に入りたい」という日本人の温泉好きは 凄いと思いました。
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これはまたユニークな、新手の戦争物ユーモア小説の出現かと手にしましたが、な、なんとノンフィクションで、実際に
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ラバウルの温泉を探る旅。
テルマエ・ロマエの太平洋戦争バージョンってところかな。
すばらしい着眼点なんだけど、いまいち掘り下げが足りないのは、「温泉」そのものの戦後史と近代史に着眼せずに、21世紀現在の温泉のイメージを60年前までさかのぼらせているからだと思う。
・近代の衛生・健康概念。これには海水浴やラジオ体操が出てくるだろう。
・戦後の温泉マーク。ラブホテルや連れ込み宿、芸者、赤線廃止。
・高度成長と温泉旅行の大衆化。
・その後の、高度消費社会での温泉の復活とバブル期のリゾート。
・そして現代の、新貧困層の手軽な娯楽としてのスパ。
いわばそういう現代日本の裏面史を、彼ら復員兵の戦後と重ねないといかんだろうと思う。
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戦時中、パプアニューギニアのラバウルにあったという日本軍の温泉について調査した記録。
ふとしたきっかけで知った、ラバウルの「宇奈月温泉」は本当にあったのか、入った人物がいたのか。
当時の生き残りの方々を訪ね、温泉の謎を追う。
温泉の謎を追う中で、著者は多くの人々と出会う。
誰も記録せずにいたことを聞ける、最後のチャンスだったのかもしれない。多くの方が重い口を開いてくれた、貴重な記録の一つ。
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2010/2/1 読み始める
先日読んだ本に紹介されていたので、ちょっと興味を持ちました。
ニューギニア関連の本を読んでいるところ。
表紙の写真からして、お気楽な本だと思った。
実際、初めの部分はたいくつで・・・がまんして読み進めた。
著者が、戦争についてあまりにも知らなさすぎ! とあきれていたが、
その後の展開のすごいこと! まさにパワー一直線。
やがて多くの人と知り合い貴重な情報をあつめ、危険と思われる地に実際に行ってしまう!
これくらいバイタリティにあふれて、まっすぐ突き進んでいけば、読む方も驚き感動してしまう。
内容 :
「戦場の温泉」をテーマに、太平洋戦争有数の激戦地・ラバウルに幻の部隊の足跡を追う。
戦争をまったく知らない世代の温泉ライターがジャングルの奥で見た光景とは?
『週刊ポスト』連載に加筆修正し、単行本化。
著者 :
1970年新潟県生まれ。駒沢大学文学部卒。
新聞、雑誌、TV、ラジオなどで温泉の魅力を紹介するフリーライター。
国土交通省が任命する「YOKOSO!JAPAN大使」の一人。
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戦争のさなか、日本軍兵士の束の間の休息。ラバウルにあったという「宇奈月温泉」を61年の歳月を経て探る旅。
温泉ライターの筆者。ふとしたことから太平洋戦争の激戦地だったラバウルに温泉があったことを知る。戦争を全く知らない世代の筆者ではあるが、持ち前のパワーで当時の関係者への取材を開始する。当時で戦国61年。高齢の関係者たち。さらに10年以上経過した今思うと最後のチャンスを物にしたことが分かる。
激戦の合間、温泉にひたる日本兵の脳裏に去来するものは何だったのだろう。また何人が祖国に帰国を果たしたのか。
ジャングルの奥深く、河原に湧く温泉は由来は不明だが「宇奈月温泉」と呼ばれていたという。長い取材の末ようやく見つけた聖地。入浴する筆者は宇奈月の黒薙温泉の風景を思い出す。宇奈月付近からラバウル方面へ出征した兵士で分かったのは3人。故郷の風景を思い名付けたのだろうか。
風化した戦争の歴史を手繰りつつ、関係者や現地の人々と心の交流を広げていく過程が感動的。
温泉ライターの執念の取材が実った一冊。終始明るい展開の楽しい紀行、ノンフィクションでした。
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温泉遊撃隊。なんかほのぼのした名前ですが戦時中実在した部隊であった。
ラバウルの温泉について取材していくうち、その隊長だった人にたどり着く著者。
戦時中に作成されたラバウルの地図に見つけた宇奈月温泉の文字。
その周辺で作戦中だったという温泉遊撃隊。
元隊長の話を頼りに再度ラバウルへ。
そしてワイは水木しげるのラバウル戦記をぽちり。