電子書籍
途中からぐんぐん面白くなった
2017/12/31 13:13
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投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめは、嫌悪感が匂い立つような、読むのがいやになるような空気だったのが、だんだん続きがきになるようになる。ヒトの嫌らしさが随所に現れ、ユラユラ揺れてる川のような話だったのに、意表をつく物語だった。この作家の他の作品をもっと読んでみたいと思った。
紙の本
自分の凄い好きな作品です
2013/04/23 02:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たびびと - この投稿者のレビュー一覧を見る
中盤までは読んでて不快感を覚えるような作品なのですがラストは本当に凄いです。
最後の1ページでここまで泣かされる作品は中々ないと思われます。
興味がある方は是非ご一読を
電子書籍
恋や愛の概念が覆る1冊
2020/05/01 16:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タラ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あとがきにもあるように、「これを恋というならば、私はまだ本当の恋を知らない」その言葉が読後じわ〜と沁みてくるすごい作品だった。
主人公十和子が一緒に住む陣治という男は不潔で下品で誰がこんな男性を好きになれるのかというひどい有様で描かれている。しかしどれだけ十和子から罵られ蔑まれようが決して陣治は十和子から離れない。最初その執着を不気味に感じるが読み進めていくうちに見えていた世界が徐々に変化していく。果たして本当に異常なのは誰なのか。
著者の作品ではいつも社会的地位や見た目に騙されてはいけない、邪悪な顔を隠すために仮面をつけた人間が普通に暮らしていることを教えられる。けれどもそんなどうしようもない世の中で、著者はいつも苦しくなるほど綺麗な光景を見せて希望を持たせてくれる。そんな著者の作品が私は大好きだ。
この究極の愛の物語は一生私の心に残り続けると思う。
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少し難しい内容だが
2021/06/30 23:35
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投稿者:akb49484800 - この投稿者のレビュー一覧を見る
少し難しい内容だが、とても面白く読めました。壊れた女性の怖さが、一文字一文字にすごく出ていました。
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うわぁ...これは凹むなぁ...。登場人物の全てがデフォルメした
人の弱さ、狡さ、穢さ、不器用さを持ち合わせ...etcを
撒き散らかしてくれます。活字なのに読んでいて、
精神的に参るような臭いを放ってます...。
こりゃ...重たい。
なのに目を逸らすことなくページを捲り続けるのは...
何か救いが待っているから...という期待と、
この嫌悪感は人間の放つものだから...自分も
持っているものだからやめられないのか...。
淡く持った救いに対する期待にこの結末で
迎えられたら...凹みます(笑)。
黒い...黒すぎる!湊かなえの比じゃねぇっす。
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一言で言えば、99%不愉快で、生理的に不快な、けれど間違いなく最高傑作。
働くこともせず、ただ手ひどくだまされた男の影を引きずりながら、
自分が蔑むしみったれた醜悪な年上の男の世話になって一日一日、
ただ惰性で生を浪費する主人公の十和子。
15歳年上の同居人陣治は、かつて一流企業に勤めた栄光の残滓にすがりながらも、
今は肉体労働をしながらその日暮らしで十和子を食わせている。
十和子の独白で綴られる前半は正直、かなりつらい。
基本的に現在形で吐露される十和子の、陣治への嫌悪感に満ちた呪詛はおぞましい。
陣治を傷つけたい。この男から逃れたい。
だらだらと心の中で呪い、怒鳴る十和子は醜い女の感情のわだかまりそのものだ。
うるさい、黙れ、お前が死ね。
そう心の中で思いながらも、この救いようのない女の独白から読者は逃れられない。
昔の男・黒崎のような優男の水島にだまされ、また身体と金をむしり取られながら、
十和子はいつしか、陣治が黒崎を殺し、そうして今度は嫉妬から、
水島を狙っているのではないかという妄想にとらわれる。
しだいに壊れてゆく十和子。
陣治を殺すしかない、自分の幸せのために。
そう決意してその前にもう一度水島に会う十和子。
しかし実際に水島に会った十和子のとった行動とは・・
最後のページを閉じて、本当に手がふるえた。
解説を読み、またもう一度、ページをめくる手が止まらない。
苦しい。気持ち悪い。息が出来ない。
本にもし温度があるのならこの本は、間違いなく灼熱だ。
喉からぐいぐい、熱い棒を押し込まれて涙が止まらなくなって、
ようやく解放されたような脱力感。
気持ちよい読後感とはほど遠い。
初めてだ。本で悪酔できるなんて。
読み終わって自分がちゃんと現実に帰ってこられた、それに感謝した。
覚悟を持って読むべし。
そして読んだら絶対に、最後まで読め。
最後の最後に来る衝撃は、超・ド級の切なさだ。
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登場人物の全てが理解出来ずに読み終わった。 全員身勝手な愛のカタチを求めているようで。
個人的には読み疲れ違和感だけが引きずりました。
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目に映るもの、心を過るなんともいえないような感情の動き、ありとあらゆるものを完璧な言葉に置き換え、文章にしていく筆力に脱帽。妄想癖があって、少し精神的に壊れているような主人公十和子を通して見た世界をも緻密に描写されるため、読んでいる間中閉塞感で窒息しそうでした。
この後、残った十和子はどうするのでしょう。ラストシーンも彼女お得意の白昼夢であったら、と思わずにいられません。
どちらにしても彼女は救われませんが…。
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恐ろしいぐらいの愛情というか執着というか。
無償の愛なのでしょうか。
男性陣の描写は細かく
「あぁ、この人はこんな感じなのね」と読みながら
目に浮かぶのだが
主人公の女性に関しては「九月~」と同じで
なぜかあまり見た目なんかが書かれていない。
「それぞれが想像して」って事なのかな。
ラスト、胸が痛くなった。
主人公とその姉の会話はなぜかイライラした。
同居の男には高圧的な態度をとるくせに
姉の前ではもぞもぞする主人公に
たぶんむかついた部分があるのかも(笑)
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内田百閒の「ノラや」でしか泣いたことのない私が、
この小説には泣かされた。
ただ、二度目を読むのを躊躇っている。
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昔の男がいつまでたっても忘れられない十和子。下品でだらしなくてうだつのあがらない中年男の陣治。陣治を激しく嫌悪しながらも一緒に暮らしている。
働きもせずDVDを見ては現実逃避する毎日。十和子の陣治への罵倒の表現がとんでもなくて読んでてイヤな気持ちになる。
ダメ女が磁石のようにダメ男を吸い寄せてくる。
他に出てくる男もダメな男ばかりで不快な気分は増殖する。
途中で真相はなんとなくわかったんですがそれはたいした問題じゃない。
陣治の理解を超えた十和子への愛。
気持ち悪さを通りこして恐ろしさを覚えてしまう。
救われたようで救いのないラスト。
息苦しくなる小説でした。
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どーしようもない女と男の物語。だから、内容は嫌悪、不快きわまりない。でも、圧倒的なリアリティに惹かれて読まずにいられない。ラストは感動というより哀しい…99%の狂気と1%の純愛みたいな感じ。
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これが愛なのかどうなのかはわかりませんが、生臭い人間の営み、どうしようもなくへばりついた暮らしが文字から滲んで、時々飲み込まれそうでした。
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内容は
数年前に酷い仕打ちを受け別れた男の空白を
埋めるようにして、同居することになった年上の中年男は
野暮ったくて下品で……食事の後に爪楊枝を使う様や
何から何までイヤな習慣を描写しつつ、
酷い仕打ちを受けた男と同タイプの男と不倫をし始めることにより
実は彼女に「あの時」何が起こったのかが、わかってくる。
横にはいつも野暮な中年男がいてくれた……そして、という話。
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前半はとくに事件も無く、主人公の十和子と同居人の陣治の自堕落で清潔とは言えない生活が2人の過去と共に書かれている。中盤、十和子が自分を苦しめた過去の恋人が行方不明だということを知り、陣治に疑いの目を向けるところから少しずつ動きが出て来る。
ラストは「へーそうだったのか」という感じだけど、特に強いショックも無かった。