紙の本
お武家の恋愛事情に思いを巡らせた作品集。
2019/02/12 08:22
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投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
お武家の恋愛・結婚事情は現代と違い、家柄や政治が介入してきて、意にそぐわぬ相手と結ばれないといけないのが多々あったと思います。
そのため、侍は外に女を求めたのでしょう。
この作品集は外の女のことまでは書いていませんが、好きになった女を娶ることの難しさは味わわせてくれます。
周五郎さんはだいたいハッピーエンドにしてくれていますが、現実の多くのお武家では、出世や家・一族の安泰のために、切ない思いに蓋をして前に進んだのでしょう。
そんなことを思い巡らせてしまった読後感でした。
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この時代もあの時代も人間は変わらないなぁと思った。せつなさもあさましさもうれしさもつらさといった感情は時代が変わっても何も変わらない。
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山本周五郎ファンとしては
あと読んでない作品が何冊あるのか気になる。
読みきってしまうのが、恐ろしく
毎回大事に大事に読んでいる。
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09/08/16★★★☆
短編集。最後の現代小説2作は読まず。
どーも時代小説以外の先生はいけねえや
・暗がりの乙松
珍しい盗人もの。
三次に泥棒に入る前に金の有る無しと事情位調べておけよ、と突っ込みたくなる。
しかし梅田屋の「世の中に「義」のつく泥棒はいねぇ」の啖呵は山本周五郎の人生観が溢れていて良い。
落ちも見事でやっぱ良い話になるんだなー
・山茶花帖
八重が新一郎にもう会わないように桑島に説得される際の
「人間には誰しも自分の好みの生き方がある。〜だが大多数の者は〜出来ずに終わってしまう、それが自然なんだ。〜
人間は独りで生きているのではない。〜支い合い援け合っているのだ。〜」
のセリフは秀逸。自分の大切にしたい価値観がここにある。
二人の思い出の花となる山茶花の描写とそこに添えられる短歌が物語の美しさを増す。
これええ話や 泣
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人間の温かさ、心がジ~ンとうする作品であった。
短編モノであり読みやすく、入りやすい本である。
今の時代には、必要な山本周五郎氏ですね
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夏休みに尾瀬に行った時に、山小屋で読んでた本。
恋の伝七郎
山茶花帖
いしが奢る
が良い感じ。
どうでもいいけど夕立がバッグに浸水して本がボロボロになりました。
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昭和10年代〜戦後に発表された短編を集めたもの。
『花咲かぬリラの話』『四年間』以外は時代小説。
個人的には表題作の『雨の山吹』よりも恋愛物の『山茶花帖』や『いしが奢る』、『彩虹』が好きです。
『半之助祝言』や『喧嘩主従』は主人公に特徴のあるタイプなので好き嫌いがハッキリしそう。
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再読
・暗がりの乙松
・喧嘩主従
・彩虹(にじ)
・恋の伝七郎
・山茶花帳
・半之助祝言
・雨の山吹
・いしが奢る
・花咲かぬリラの話
・四年間
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江戸時代の恋愛を描いた小説。
現代の小説でいうと、2人をさえぎるのは病気であったり、死であったりするけれど、
江戸時代は身分違いや格式だったりする。
時代で恋愛も変わるもんだね。
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愛をテーマとした作品を集めた短編集。
男女の愛だけでなく、師弟、主従、親子・・・いろいろな愛がある。
文庫の題名にもなっている「雨の山吹」の一節。
「自分が悲運になって、はじめて他人の苦しみがわかるというのは、たまらないことだな」
とても痛感する言葉だ。どんなに想像し同情しても、他人の心はわからない。苦しみや幸せはそれぞれなのだ。
そのことに気付いた主人公の最後のシーンがとても美しく表現されていて、思わず「ほうっ..」と、ため息を付いてしまった。
暗がりの乙松
喧嘩主従
彩虹
恋の伝七郎
山茶花帖
半之助祝言
雨の山吹
いしが奢る
花咲かぬリラの話 (現代小説)
四年間 (現代小説)
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「彩虹」「恋の伝七郎」「山茶花帖」「雨の山吹」「いしが奢る」が良かった。
江戸を背景とした物語の雰囲気が好き。味があって温かみもある綺麗な恋愛話。
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青空文庫で「四年間」のみ読んだ。
戦時中後の時代を背景としたとある男女の話で、死を宣告された男の鬱屈とした感情の描写が良かった。
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「山茶花帖」がよかったです。
八重に、人は1人で生きているのではない、って気づかせてくれるところで、ぼくも、ハッとしました。
自分の不幸を印籠のように振りかざして、周りと自分は違うのだと思う傲慢さが、自分にもあるような気がしました。
八重のように、見る景色はなかなか変わらないけど、でも、色々なことに感謝して生きることの大切さを改めて教えてもらえました。