紙の本
富永昌敬監督映画化原作
2016/03/21 17:15
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
赤の他人に「お兄ちゃん」と呼び掛ける女と、妄想の妹に復讐を計画する男。愛でも憎しみでもない奇妙な感情が湧き上がってくる1冊だ。
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あずさちゃんは、小池栄子しかありえなくて、
こんなセリフ言いそー、なんて読んでいるときも小池栄子が浮かんできた。
それはさておき、この人の本は、
今まで考えたこともないし、
こんなひとに遭遇したこともないんだけど、
読んでみるとよく「わかんないなー」という気持ちにさせない。
本谷さんてなんとなく、高くて遠いところにいそうなのに不思議。
才能のある人の本という印象。
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本谷さんの作品(舞台も含め)は、とってもキモチワル。
そのキモチワルさがタマラナイ。ヤミツキだ。
中毒性が御座居ます。
用法・容量を守って正しく読んでゆこう。
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閉じた世界観と漂うエロティシズムがなんとも言えず魅力ではあります。
ただ小説としてはやや中途半端な作品にも感じていました。元々が劇だったことを知ってしまえば納得ではあるんですけど。
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自意識過剰で残念な人がたくさん出てくる。
その自意識過剰さは本当に異常で、読みながら引いたが引きながら読んだ。
引きながらも読んでしまったのは自分の中にも自意識過剰な人格がいて、登場人物を完全否定できなかったからだろう。と推測してみる。
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文庫化した本谷作品の中で一番好き!
案の定(やっぱり)出てくるのは異常なほど自意識過剰な人たちばっかりだけど、なんとなく自分にとってはちょうど良い(気持ちの良い)気持ち悪さだった。
だからこそ、終盤の「最後だから思ってもないこと言うか?」に心揺さぶられたし、奈々瀬の家族に対する態度や山根の「最高の復讐」にも納得でがいった。
ぜひ舞台で見てみたい作品。
あと、『幸せ最高ありがとうマジで!』を文庫化してほしい。(表紙はあのままで)
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いやー、やっぱ本谷さん好きや。
コミュニケーション不全で奔放すぎる人物たちを、奔放すぎる書き口で描く本谷作品は、内容も文章も人を選ぶと思う。「めっちゃ嫌い!」って言う人がいても、さもありなんと同意する。
でもでもでも、イカれた現代、頭や心のネジの1本や2本、抜け落ちてたって誰も責められないじゃない♪ っていう、この「♪」のノリであらゆる異常を書ききるところが、本谷さんの真骨頂だと思うのです。
ここで「異常」という言葉を使うのは構わないと思う。
だってたいてい、異常であれ正常であれその境目はどこにもないのに、「わたしは異常だ」って信じてる人たちのお話だからね。あるいは「正常だと思うけど異常だって思われてることは知ってる」とか。
『乱暴と待機』は、人に嫌われることを何よりも恐れる女の子が、幼馴染の「お兄ちゃん」と一つ屋根の下、天井裏から監視されながら毎日「お兄ちゃん」に「復讐」されるのを待っているお話。
ね、異常でしょ!
本谷さんの作品はハッピーかアンハッピーか決めかねる終わりが多いけど、今回はハッピーエンドで良かった。
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幼馴染を軟禁して復讐しようとしている男、灰色のスェットと伊達めがねで復讐を待つ女、そんな二人に巻き込まれるカップル。
中盤の気持ち悪さが最後には納得できるようになっていた。
関係性の希薄な現在じゃないと生まれない話だと思います。
ある意味、究極の関係なんだろうな。自分はなりたくないけど……
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読み進めていくとだんだん登場人物の秘密がわかっていく。本谷さんのほかの小説や舞台に出てくる人物のエッセンスがここにもちらほらあるなあと思う。
良くも悪くも本谷さんっぽい。
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異常に思える登場人物の感情も行動も、きっと自分たちのそれとそう遠くない延長線上にあって、論理的で納得できる。それを平凡なラブストーリーとしてではなくエキセントリックな世界に変えて伝えてくれることが、俺がこの人を好きな理由。
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これ映画になるのかーと思いながら面接待ち中に一気に読んだ。奈々瀬と山根さんはほんとに歪んでるけど、なんかすこしだけわかるかもしれないって思ったところがちらほら。
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あー面白かった。。こんなにも見事に現代人の内側を表現されると焦ります...。いやー笑った♪そして深い。。映画も観たいし、劇団本谷有希子も行って観たいな。。
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奇妙な話。でもとても面白かった。こうすることしか出来なかった"お兄ちゃん"と奈々瀬の痛さ(いろんな意味での)が突き刺さりました。映画も楽しみです。
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最後の練られ込まれた展開がすごくテンポが良くていい読み応えがあった。
途中ぐだるとこもあるけど、それはそれでこの作品の一部だと思うことができる。
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本谷ちゃん版ラブストーリー。
こうでもしないと、愛にならないのかという偏屈曲がったナイスな一冊。
とにかく出てくる人みんなめんどくさくって、頭おかしくて、自意識丸出し。でもどこか愛くるしい。
終わり方はすごく好き。
キレる七々瀬の独白のシーンは特に良い。
むせるような閉塞した世界でも、それが二人の望んだ場所ならば。