紙の本
歯にかける
2017/10/26 04:06
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
自らの自我を奥歯に見出すヒロインの思考回路が斬新でした。妄想の先に僅かな希望を感じることができました。
紙の本
長い詩のよう
2016/10/06 00:16
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投稿者:Chocolat - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう冒険が出来るのは、やはり作者が詩人でもあるからなのか…
他人が何気なく見過ごした物に面白みを見出し表現する
正に、詩やら、俳句やらのセンスかと
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"私"とはなんなのか、どこの、どの部分が、どこ部が"私"、"わたし"なのか。
終盤での、私の叫びと化粧お化けの罵りのシーンが強いです。
さらさら渓流のように文章が流れます。川上さんの文章が大好きです。
MVP:なし
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何を言っているのか全然わからない。のに頁をめくってしまうこの人の吸引力は一体何者なんだろう。表紙が青木稜子で嬉しい。
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文庫化ということで購入&読了。
半年位前、著者の川上未映子さんを偶然、池袋のリブロで見かけた。最近の著作「ヘブン」のサイン会だった。めちゃめちゃ、めちゃちゃちゃ美しかった!!!!当然ながら僕は整理券を持っておらずその場で立ち尽くしました・・・
著者の容姿が美しかったり強烈な場合、更に小説が一人称の語りの場合、どうしても主人公には著者の姿を重ねてしまいます。この小説も例外ではなく、主人公は美しい歯科助手だと勝手に想像していたのですけど・・・・
基本「私」の思考でずらずらと流れていきますが、その思考の中に一気に現実が切り込んでいく後半の描写は圧倒的で、苦しくって痛くって悲しくって、この悲しさはどっから来るのかと思い、胸がぎゅんぎゅんになりました。
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独特の文体。
日々思う、すぐ忘れてしまうことをズラズラ綴り、ああそうそうそう、そう思うよたまにと思わせる。
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ずがーーーん!!!
ぐさぐさ。。
独特濃厚な思い込み世界。
私私わたし!!!
勢いとテンポ
そしてすこし悲しい。
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単行本で読んだ時は川上未映子さんが芥川賞受賞されたとき、
そのときはさっぱり意味わからなかったし、まず読めなかった。息つく暇もないその文章に圧倒されただけだった。だけど今は川上未映子さんの文章にもなれ、その句読点の使いかたもすき。
選考で川上弘美さんが妄想話で終えて欲しくなかったとあったけど、わたしは好きです。このぐちゃぐちゃな感じ。過去にしがみついておかしくなっちゃった感じ。わかるなー。
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2010/08/17
乳と卵をすでに読んでいたので、川上節は抵抗なく読めると思っていたのに!
なんじゃこりゃー!笑
めくるめく川上ワールド。
何だって?口の中に頭突っ込んで出し入れする?妄想の中の彼氏やら子供やらに手紙を書く?麻酔無しで奥歯を抜く?
川上未映子の文学は爆発だ。
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虫歯になったことのない、体で一番硬い奥歯に自我を見出した女性が、恋をし、未来の我が子に宛てた手紙を書くが、全ては頭の中の妄想であった。結局、強い自我を求めた弱い女性は、弱い人間らしい結末を迎える。そして、新たな一歩を踏み出したところで物語は終わる。
昔であれば生死をかけて悩みぬいたであろう自意識の問題をふざけた感じで小説にするのはいかにも現代的。ただ、その主題、表現方法、物語の展開と、特に特筆するようなところはない。 特に、前半で情報を与えず、後半になって唐突に「実はこうだったんです」的な暴露で物語を展開させる手法は稚拙。
一緒に収録されている短篇「感じる専門家 採用試験」は、妊婦、主婦の生活を、滑稽で独創的な言葉や視点をもって、それにもかかわらずリアリティをもって、紡いでいっていて、なかなかおもしろかった。
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感受、知覚したものが、
網や審査、器官を経ることなく、
無時間モデルで言葉に変換され吐かれている、そんな印象。
かといって脈絡がないわけでは決してなく、比喩表現は卓越。
コマ送りで映像が頭に流れこんでくる、読んでいる時自分はそんな世界にいた。
歯を私と言っちゃうあたり、かつそれが抜くのに最も痛みを伴う奥歯で表現しちゃうあたり、
まさに天才だなぁと思う。
これが私です!を宣言、限定、名前付けしてる時、必ずどこかで世界は矛盾する。
いや、こんな説明いらわこの本には。
とにかく文章の力、芸術としての文学がここにはありました。
「言葉にすれば象もこんなに小さくなるのやよ」
「これからのことでなくてこれまでのことを思いだしてしまうしかないものにはあんまり良いことは詰まってない」
「私の終わりには着かんのや」
「私をこえて、わたしをぬけて、してるものがあって、それがきっと、それがきっと、雪国のあのはじまりの、わたくし率が限りなく無いに近づいてどうじに宇宙に膨らんでゆくこと自体、愉快も不快もないこれじたい、何の主語のない場所、それがそれじたいであるだけでいい世界、それじたいでしかない世界、純粋経験、思うものが思うもの、思うゆえに思うがあって、私もわたしもおらん一瞬だけのこの世界、思うう、それ」
「今は待つしかないのです。とこれまで何度もしてかた返事を先週と同じようにした。歯が生えてくるということに関しては、どのような力によって歯が生えてくるかということも含め、専門家にとってもわからないことが少なくないのだから、焦らすに安心してお待ちになるべきですよ」
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タイトルは好みじゃないのだが、少し前に作者がテレビに出ているのを見て、変わった人だなぁ、読んでみようかなぁとか思っていたのだった。私には絶対書けない文章。すごい。
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読んでいた時ちょうど歯医者にいたので歯医者さんの診察室の舌の件が怖かった。そして私も実際舌に座らなければならなかった。医師が来るまで舌の上でその件が出て来る度に身震いしていた。気持ち悪いもの。それからオチは最初同感できなかったけれどよくよくかんがえたら妄想ってその道への第一歩だからあたしありえるじゃんと思った。そしたら何かが沸き上がって来て吐き出そうと思っても吐き出す相手がいないしどうしようもないのでとりあえず溜めてある。感動した。やばい、この感覚を残す為に二度と読まないかも知れない。
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独特の文体。関西弁の話し言葉調。でもぜんぜん読みにくくなく、テンポよく気持ちよい。わたしと三年子の手紙の掛け合いとか秀逸。
気持ちよくないことも書いてあるが、なぜだかぼやっと夢の中のような、霧に包まれたような感じでそんなに気持ちよくなくない。
ひたすら妄想的な心の声が続くかと思いきや、ちゃんとストーリーがあって、途中から急展開。ラストはちょっと悲しくなってしまった。
個人的名言:『これからのことでなくてこれまでのことを思い出してしまうしかないものにはあんまり良いことは詰まってない』
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自我?主体?のようなものは脳髄以外の部分に宿るという
そんな思想にとりつかれた女の話
にもかかわらず「人間の性的な部分」に関する言及は一言もない
それがこの小説のキモである、ような気もする
ようわからん