紙の本
数々の話題作を発表しておられる今邑彩氏の傑作推理小説です!
2020/08/20 10:47
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「警視庁捜査一課・貴島柊志」シリーズや「蛇神」シリーズ、さらに『ブラディ・ローズ』、『通りゃんせ殺人事件』、『金雀枝荘の殺人』といった推理小説でお馴染みの今邑彩(いまむらあや)氏の作品です。同書は、クリスマスイヴを控え、ペンション「春風」に集った7人の客の周囲に起こった怪事件を中心に物語が進行していきます。オーナー・晶子のもとに、21年前に起きた医者一家虐殺事件の復讐予告が届きます。刻々と迫る殺人者の足音を前に、常連客の知られざる一面があらわになっていきます。復讐を心に秘めているのは誰なのでしょうか?葬ったはずの悪夢から、晶子は家族を守ることができるのでしょうか?続きは、ぜひ、同書をお読みください。
紙の本
今邑流クローズドサークル『七人の中にいる』
2010/10/27 20:38
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今、今邑彩が熱いっ!!!!(たぶん)
このところ今邑作品の復刊または改版をよく目にする。注目が高まっているということか。理由はわからないが、読めないと思っていたものが読めるようになることは有難い。
ペンション「春風」オーナー晶子と同シェフの郁夫の結婚祝いを兼ねて、春風に集まった4組の常連客。そこに晶子の娘のあずさとその知人で作家の見城を加えた計10名がクリスマスイヴを共に過ごすこととなった。楽しいクリスマスを控え幸せいっぱいの晶子の元に、21年前の一家惨殺事件の復讐予告が届く。予告の送り主は晶子とその家族を殺すと記した上で、「イヴに会うのを楽しみにしているよ」と書いて寄こした。晶子は家族と共にイヴを生き残ることができるのだろうか…。
大好きなクローズドサークルものを想定していたのだけれど、本書はクローズドサークルではない。どこがどう違うのかという点はネタばれになるので書かないが、本書はクローズドサークルではない。
10名という設定、ペンションに集まる人々の接点のなさなどは『そして誰もいなくなった』を連想させられるが、根本的なところで大きく違う。ただ、著者は『そして誰もいなくなった』を意識はしているとは思う。宿泊客の意外な正体の明かされ方もよく似ている。しかしやはり、根本的なところで違うのだ。これはどちらが良くてどちらが劣る、ということではない。
今邑作品の長編では「大どんでん返し」を用いられることが多いようなのだけれど、本書ではそれはない。
真犯人については中盤で「こいつだ!」となんとなくの確信が持てるのだけれど、それでも最後まで読ませる力がある。中だるみもなく、真相が知りたくてページを繰る手が止まらない。これまでならばそうやってスピードをあげて読んできたあとに蛇足としか思えない「大どんでん返し」が登場するのだけれど、今邑さんにしては割と「まとも」(=「ふつう」)なラストで好感がもてた。ただそれでももっと削れる部分はあると思うし、削ったほうがよいとは思うのだけれど。
やはり今邑さんは短編の方が面白い。
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投稿者:ぷわち - この投稿者のレビュー一覧を見る
今邑彩作品は初めて読みました。
三津田信三作品がとても好きで、全作品読破してしまったので、似たような作風の作家さんがいないかネットで調べてみたところ、今邑彩さんの名前が挙がっていたので。
はい!全然似てないですね(笑)。
一体どこが似た作風なのか・・・。
三津田信三作品の特徴といえば、「作品全体に薄気味悪い雰囲気が漂い、起こる事件のどこからどこまでが人間の仕業で、どこからどこまでが人ならざるものの仕業なのか・・・」、「方言や風習で、不気味さを倍増させる」みたいなことが挙げられると思うのですが、今邑彩作品にはそれは全くないですね。
まあ、三津田信三作品とは全く似ていなかった、と結論づけた上で、この作品の感想を。
うーん・・・何だろう。
主人公が「犯人はあの人じゃ・・・?」と疑うのが、次から次に変わって、結局全員を疑うんですね。
まあ、それだけ疑心暗鬼になっているのでしょうが。
でもなぜか、ハラハラ感がない。
あまり臨場感のある文章ではないですね。
あと、犯人が犯行の過程で犬を殺します。
犯人の狂気や残虐性を表すために、犬や猫、兎といった動物を殺す描写を入れる作家さん、結構多いですが、私大の動物好きなもので、作り話とわかっていてもそういう描写が嫌いなんです。
安直にそういう描写を用いなくても、他の表現方法は出来ないのかと思ってしまう。
他の作品も読みたいと思える作家さんではないです。
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初期作品だからか今邑さんらしさが少ないような。
でも最後はまさか…ああなるとはね!
文章の書き方が好きだから読みやすい。
もっと流行ればいいのにー新刊また出てくることを祈るるる!
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2時間サスペンスを見ているようでおもしろかったです。
タイトルの“七人”とはいったいどの七人なのか・・・後半まで理解できていませんでした。
他のかたが読んだら、そうは思わないかと思いますが。。
クリスマスの出来事なので、この時期に読むとより楽しめるかも!
ありがちな展開ですが深く考えず、流れに身をまかせて読むと良いです。
ただ、ラストが好きではないです。
残念。。
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さくさく読めます。読み終わってあとがきを読んでから、携帯電話が普及してない時に書かれたものだったことに気づく。この作品は、携帯電話があったら台無し。最後ハッピーエンドでよかったけど、もうちょっと最後がじっくり描かれてたほうが個人的には好きでした。
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今邑さんの著書は本作が初めてでした。
21年前の事件のあまりの残忍さに、初めは少したじろいでしまいましたが、文章の読みやすさとぐんと引き込まれるストーリー展開のおかげで、約6日間で読破することができました。
皆さんのレビューを拝見していると、初盤で真犯人が分かってしまったという方が多くいらっしゃったようですが、わたしの勘が鈍いせいか、晶子や佐竹さんと同じ視点で、あの人かこの人かと推理する事ができたので、その点でも充分に楽しめたように思います。
ペンションの常連客皆が怪しく感じられ、特に影山夫妻は絶対に脅迫状に関与していると確信したほど。北村さんに睡眠薬を仕込む下りは腑に落ちない気がしましたが。しかしまんまと郁夫のもくろみ通り転がされた気分です。面白かった。
ただ、所々文章に不自由さが感じられたことと、晶子に同情できなかったこと、事件について知った後のあずさの対応があまりに冷静であったことなど、多少の違和感が随所に見られたので星は一つ減らさせていただきました。
しかし…三枝夫妻のその後が気になるところですね。ぜひ長生きしてほしい。それと最終的に、わたし個人としては明代が一番好きな登場人物かもしれません。
この物語に登場する人々の中で最も幸せだったのは、実は村上洋一だったんじゃないかな。
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冒頭からすんなりストーリーに入れた。
読みやすく、4日間で読了。
作者曰く、サスペンス。
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あれ、いい話になっちゃったよ。
真犯人が分かりやすく書いてあるため、途中からは「この犯人はどんな気持ちでここにいるんだろうな」と愛憎でぐっちゃぐちゃであろう内面をイメージしながら読んでいました。
主人公たちのその後より、常連客の老夫婦のその後の方が、想像すると、やるせないね。
それともう、いい加減シェフはどこかから雇えよ。
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他の作品も読んだせいか、最初の段階で『ああ、犯人はこの人なんだろうな』って想像がついてしまった。
でも、ストーリーの展開は文句なく面白かったし、疑心暗鬼にとらわれた主人公の心情がよく伝わって来て本当に面白かったです。
犯人の目星がついたところで話が面白い事には変わりなく、最後まで楽しく読む事が出来ました。
というわけで、星5つ。
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クリスマスイブを控え、ペンション「春風」に集った7人の客。そんな折、オーナー・晶子のもとに、21年前に起きた医者一家虐殺事件の復讐予告が届く。刻々と迫る殺人者の足音を前に、常連客の知られざる一面があらわになっていき…。復讐を心に秘めているのは誰か。葬ったはずの悪夢から、晶子は家族を守ることができるのか。(紹介文参照)
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今邑さんはやっぱり面白い!
あの人でもない、この人でもない、と考えが移り変わっていくたびにハラハラドキドキするのが楽しかった。
けれど犯人の予想がかなり序盤からついてしまう点が今回は残念かなぁと思うので星3つ。ただ怪しそうに見える工夫や元刑事の活躍もあって、躍動感には溢れていたと思った。
郁夫が最後に死んでしまう&元刑事の秘めた想いのオチは弱いかなと思うし、いつも恐怖の中で終わる今邑さんの作品にしてはちょっと残念だった…。
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21年前に起こった惨劇。凄まじいまでの主犯の狂気と、惨たらしい殺戮から、物語が始まります。
そして、主人公の晶子は、その共犯者である事を前提に、話が進みます。
クリスマス・イヴを目前に、送られてきた脅迫状じみた予告状。
同封された、主犯の男の嬲り殺す様をうつした写真群。
晶子は今の幸せを守る為、主人や娘に打ち明けられないまま、元刑事の佐竹に協力してもらい、自らを狙う殺人者の正体を見破ろうとするが……。
読みやすい文章に、次の展開が気になる話の運び。
そこそこの厚さがありますが、一気に読んでしまいました。面白い。
唯一残念だったのは、最初の事件が凄惨過ぎて、主人公に同調も同情も出来なかった事でしょうか。
その後、彼女は「必死に止めようとした」といったことを主張していますが、そんな記述は見られないんですよね、文章の中では。
なので、どうしても言い訳がましく聞こえてしまって、最後の最後で白けてしまったと言うか、図々しい自意識過剰な女に思えてしまったのですが……僕だけかなぁ?
携帯電話のない時代の話ですが、それに違和感を感じる事もなく、緊迫感や焦燥感も巧く伝わってきました。
とても面白く、他の作品も読んでみたいと思いました。
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今邑彩の作品を読んだのは2作目です。犯人がだいたい予測出来ていたつもりでいたけど僕が思っていたのとは違っていました。僕としては意外な結末でした。設定が公衆電話であったことで話がなりたっていますが今回一番話を盛り立てているのは元刑事の佐竹さんではないかとおもいます。それとまた何年かして忘れたころにもう一度読みたいと思います。
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読みやすいので2日で読破しました。
内容としては全員が犯人に思えるような進み方です。
やっぱりこの人が犯人か~と思わせといて
やっぱり違うとゆう展開が多いです。
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好きなタイプのサスペンス小説だったので、サクサクと読めました。
犯人かと思わせて実は違った。というドキドキとさせて、読み進めさせる展開はリズミカルで読みやすかった。
今のように携帯電話がない時代の話ならではの展開で、そこも雰囲気作りに一役かっていると思います。
最後の最後の晶子の開き直りと思えるような態度はどうも好きになれませんでした。
【クリスマスイヴを控え、ペンション「春風」に集った七人の客。そんな折、オーナー・晶子のもとに、二十一年前に起きた医者一家虐殺事件の復讐予告が届く。刻々と迫る殺人者の足音を前に、常連客の知られざる一面があらわになっていき…。復讐を心に秘めているのは誰か。葬ったはずの悪夢から、晶子は家族を守ることができるのか。 】