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別々のところへ引っ越すその前夜、それまでお互いに確かめられずにいた、一年前の旅行で起きたガイドの転落死に相手が関わっていたのではないか?という暗い疑惑を胸に、一組の男女がガランとした部屋で語り合うという2人芝居のようなお話。忘れていた記憶を呼び覚ますと、過去の出来事も人間関係もまったく別の形で浮かび上がり、立っていたはずの地面が突如として液状化したような不安定な気持ちになりました。でも読後感は爽やか。さすが恩田陸。
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一組の男女の話。
章ごとに男女の視点が交互に代わりながら進んで行きます。
次々に出てくる事実、二転三転する状況が面白かった。
恩田さんの作品では謎が曖昧なまま終わる作品が多いなか、珍しく謎が明らかになってスッキリ。
だけど、なんか読了後『うーん・・・(゜-゜)』となってしまった。
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上質な舞台を見ているよう。
一人の男と一人の女が、一つの部屋で一晩過ごす。ただ、それだけ。
少しずつ色々なことが明らかになって、でもそれが真実かどうかはわからない。
途切れない緊張感と濃密な空気を味わって、何年分もの想いをいっぺんに共有したような感じ。
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表紙に描かれている掌は一見爽やか、だけどよく見ると何となくぞわぞわ〜。
物語の感じもそんな感じ。
一組の男女が迎えた最後の夜、それぞれの側から語られる現在と過去。二人の関係、出会い、子どもの頃の思い出、二人で行った1年前の登山旅行、二人の父と思しきガイドとその死亡事故。
小出しに明らかになっていく二人の正体、事故の真相。
ただ、謎を解く話でもなく、二人の間で出された解も真実かはどうかは杳とせず…。
話がどのように展開されようと、常に曝け出されるのは、強かで激しい女の怜悧さと受け身で小賢しい男の卑小さで、結局は、二人の腹の探り合いから醸し出される、掛け違えたシャツの釦のようなひんやりとした違和感を楽しめるかどうかが好き嫌いへの分かれ道。
私はダメでした。
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恩田陸ワールド。
でもちょっと私好みではないかも…
引越しを明日に控えて、何も無くなった部屋で過ごす、双子の兄妹。
二人の会話から、その関係が少しずつ見えてきて、殺人事件をも連想させたりする…
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話の展開は好みじゃないけど
二転三転する人間の心理描写はすごい!
死は生の対極にあるわけじゃない
死は生の選択肢のひとつ
生と死と恋愛は作家にとっての永遠のテーマなのかもしれない
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別れることを決意した二人の男女が最後の会話をする中で、次々と生じる違和感。次第に、過去の謎が明らかになっていく。
テンポが良く読みやすいのだが、流れの割に頭にメッセージが入ってこない。「会話形式」という必然的に尺が短くなる構成の中に、色々と詰め込みすぎた印象を受ける。
ただ楽しむ分にはいいが、本を読むことから何かを見出したいときには不向きな気がした。
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引っ越しの前日、なにもない部屋に充満した重苦しい事実と真実。
二人のこれからを迎えるための最後の夜に明かされる互いの疑惑と心情。
頭の中に叩きこまれる言葉の数だけ、ぞっとする感覚が増していく作品。
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先が気になって一気に読めた。
読み終わってみると、最初のサスペンス感はなんだったのだろう?こじんまりとしたお話だったなと思った。
単発ドラマでさらっと映像化できそうな感じくらい、内容がわかりやすかったから、読了後の余韻もあまりない。
けれどその分、スッキリ!感があった。
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最初の数ページで一気に引き込まれた。男女の双子と生き別れていたその父の話。女の正しさと鋭さがこわくって、男のずる賢さが醜かった。
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小説の長さのわりに展開が全然ないのが少しイライラした
また途中から兄弟だったっていうのが勘違いってのがわかっちゃったからつまんなくなっちゃった・・・・・・
もうすこしテンポ良かったら話おもしろくなったと思う
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長い一晩。じわりじわり進む展開に手に汗握る感じ。心理描写に自分を重ね、いろいろと考えた。面白かったです。
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別れの決まった男女が狭いアパートで最後の夜をすごす。
互いの静寂と言葉、密室の中で記憶は少しずつ蘇る。
「真実を教えて」
「大切なのは真実だ」
「真実は曲げられない」
「真実は重い」
本当だろうか。真実は何よりも大切なのだろうか。
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同棲していた男女がそれぞれの生活へ踏み出す引越し前夜,彼/彼女は思い出話,記憶を頼りに,見ないようにしていた謎に向かって思考をめぐらす・・
いろんな”事実”が紐解かれてく過程で,章ごとに変わる視点とともに彼/彼女の気持ち(心情)が変化していくのが面白い。
本当の気持ち”真実”があらわにされていくようで,物語の最初と最後では関係性も人間性も変わっているかのよう。
個人的には,作者が謎解きをしているかどうかは?だと思う。
ひとつの形は提示されている。だけどそれが唯一の解ではない。
なぜなら,根拠となる”事実”が記憶に頼りすぎだから。
その記憶は本当に正しいのか?
記憶なんていくらでも上書きできる,都合よくも解釈できる。
主観の入った一側面の情報で成り立つ推理は他作品の解を示さないグレーゾーンにも通じる気がした。
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とある二人の恋愛話・別れ話にミステリーが入る?それとも結局近親相姦という禁断の愛の話?とストーリーだけでなくそもそものテーマ自体が二転三転してしまう気がした。
でも記憶の中には何人も出てくるにしても大まかな話自体は主人公である二人の男女だけで展開していくのは面白かった。どちらの視点もあるから展開に置いていかれることはないけど、理解はしても共感が出来ない点が幾つかあった。結局、真相はどれなのか分からないし、あくまでも憶測でしかないし人間の、しかも忘れていた曖昧な記憶を頼りにしただけでは納得しにくい。
物語の始めでは重要視されていた謎解きは終わりに近付くにつれてどうても良くなってしまっている、二人の男女にとっては。真実と多少の違いがあってもそれでも良い。この二人の間ではこれが真実だから、これで綺麗に別れられるね、良かったね、という感じ。
ミステリーの下りはスパイス程度に留めておいてあくまでも恋愛小説として捉えたら良いかもしれない。