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チェーホフ集結末のない話 みんなのレビュー
- アントン・チェーホフ (著), 松下 裕 (編訳)
- 税込価格:990円(9pt)
- 出版社:筑摩書房
- 発行年月:2010.12
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文庫
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紙の本
すばらしい短編集!
2010/12/16 12:55
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る
『チェーホフ集 結末のない話』を読み終わりました。
この短編集にはチェーホフの初期作品50編がおさめられています。
編訳は、松下裕さん。
僕はチェーホフを松下さんの訳で親しんでいるので、
今回も楽しむことができました。
本の紹介文には、「ブラックユーモア溢れる」とありますが、
俗なブラックユーモアというものがあるわけではなく、
例外的に今の人権感覚からすれば問題にされるような、
女性に対する小説もありますが、
それ以外は、人間の哀切に対するあたたかい目のようなものが、あると思います。
まあ、「あたたかい目」といっても、
すべての人間の行為を肯定するとか、そう単純なことではないんですけどね。
たとえば、表題作になっている、
「結末のない話」なんか、かなり不条理な作品で、
この短編集の中で一番「深い」短編だと思います。
でもそれでも全体として見た感じで、
人間に対する「信頼」のようなものがうかがえる。
もちろん人間の滑稽な場面などは容赦なく風刺しているのですが。
とにかく、僕はチェーホフの小説作法が好きだ、と改めて感じ、
チェーホフの短編を新訳で読めたことに感謝しました。
また、この本の巻末には、松下裕さん訳のチェーホフ本の一覧も載っていて、
親切ですよ。
この本を手にとって、チェーホフにさらに親しんで、
「中期~後期」の作品も読み進んでいくと、
そこにはさらに豊かな小説世界が広がっていることは僕が保証します。
おすすめ。
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