投稿元:
レビューを見る
待ってましたの森見節。
なぜにここまで固執するかという程の四畳半話。
しかし男汁が染みこんだ畳と水玉ブリーフをはじめとする森見ワールドは安心する。
四畳半という狭い空間の話で1冊の本を、なんならこれまでにも2冊目3冊目の本を書いてしまうというこの事実そのものが四畳半世界広さの証明なんじゃないかと思います。
投稿元:
レビューを見る
11.02.01購入。
11.02.21読み始め。
「蝸牛の角」の真ん中で折り返す構成はおお~と思った。
この話は文句なしに星5つ。
(11.03.15)
投稿元:
レビューを見る
この物語に登場するものたちはことごとく阿呆である。
妄想的数式で恋人の存在を証明しようとする阿呆。
マンドンリを奏で人の心を観る阿呆。
桃色映像のモザイクを自由自在に操る阿呆。
心が凹むと空間まで凹ませる阿呆。
真夏の四畳半で鮨詰め鍋パーティーを催す阿呆ども。
この世は四畳半そのものである。
見事なまでの妄想的物語。
投稿元:
レビューを見る
面白かったけど、改めて思うのが登場人物の多さ(笑)一人一人に詳細が書かれてるわけじゃないので忘れやすい(笑)でも樋口師匠や小津さん、たぶん明石さんが出て来たのにはにやけた。京都に帰ったら聖地巡りをしたい。むしろ京大行きたい(笑)
投稿元:
レビューを見る
阿呆文学の集大成、なぜここまでに作者は四畳半にこだわり四畳半を無限の世界に広げられるのか。夜は短し、有頂天家族、四畳半神話大系、新釈走れメロス、今までのキャラクターが至る所に現れる。
投稿元:
レビューを見る
この本に出てくる男達の住む四畳半は、どれも世の中の平均的な四畳半に比べてずっとテレビとインターネットの存在感が希薄な気がする。いや、桃色映像を鑑賞したり掲示板に書き込みしてるぐらいだから存在はしてるんだろうけど。この本の部屋に篭る男達はみんなある意味魅力的に描かれてるけど、その魅力は部屋の中で過ごす時間をテレビやネットのような他人のコンテンツの消費でなく、自分の世界の追求に費やしてるからこそのものなんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
全短編のうち、大日本凡人會のような物語がある数話以外は、映像的だったり四畳半の男の妄想世界だったりなので、読み切るのが難しかったです。
雑誌に1話読み切り短編で載ってるのはいいですが、次の単行本は短編集ではない、全体で物語のあるものが読みたいと思いました。(ストーリーBOXのホラーの連載は、ぜひ単行本にまとめてほしいですが…!)
投稿元:
レビューを見る
四畳半神話大系のスピンオフのような小説。
四畳半に住まう神様とか異能力者とかが活躍するかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
法然院学生ハイツの四畳半の中で
内へ内へと拡張していく王国を築く
「四畳半王国建国史」
下鴨幽水荘の一室から阿呆神に
親不知の痛みを直してもらうよう電話する
「蝸牛の角」
水玉のブリーフ一丁でいる男を目撃した三浦さん、
三浦さんに呼び出された鈴木君、楓さんと柊君のデート、
研究中の桃谷さんと詭弁論部の芽野と芹名の一日
「真夏のブリーフ」
自らの力を世のために使わないことを決意した
数学氏、モザイク氏、凹氏、丹波氏に対して無名君が反旗を翻す
「大日本凡人會」
世界中の四畳半を傘下におさめる活動をしているらしい
委員会に脅かされる学生たちの
「四畳半統括委員会」
三浦さん、芽野・芹名、初音さん、丹波、楓さんに
あっさりと別れを告げて回る
「グッド・バイ」
四畳半王国の国王となり阿呆神から神の座を譲られるが
四畳半の外に出ることを決意する
「四畳半王国開国史」
装画:古屋兎丸 装丁:新潮社装丁室
四畳半を舞台に繰り広げられる森見さんお得意の大学生物語です。
SF大賞を受賞しただけあるなぁと思ったのは「蝸牛の角」。
風が吹けば桶屋が儲かる、のように
ミクロの世界とマクロの世界の因果関係のこじつけがすごい。
阿呆神のダンスがマンドリンを震わせ、
その演奏を聴いた人の嗚咽がヤモリの足裏に伝わり、
学生生活の甘い汁があふれて猫の額に流れ、
阿呆神の祠には器が供えられ、
器の大きくなった図書館警察の幹事が大忘年会を開き、
林道に爽快な風が吹き渡ったことで
親不知の痛みが治るのです。
むちゃくちゃな世界のつながりなのだけれどそれが面白い。
一番ストーリー性があるのは「大日本凡人會」です。
数学氏には幸せになってもらいたいものです。
様々な断片が集められている「四畳半統括委員会」
人々に別れを告げながら二人称で物語が進められる「グッド・バイ」など
いろいろな手法が使われていて実験的な感じもします。
投稿元:
レビューを見る
7つの短編が、1つずつ緩やかな繋がりを持ちつつも独自の世界観を構成している。現実世界とファンタジー世界が共存しているのは、『宵山万華鏡』のよう。似た名前のの『四畳半神話大系』をはじめとした同氏の他の小説に出てくる小道具・登場人物も多々出てくるが、それらが持つ他小説での役割を頭に入れていなくても、単品として楽しむことに問題は無いかと思う。以下、ねたばれ。
1話・5話など、主人公がひたすら独白を続ける小説がまず特徴的。一人しかいないので、何を論じても自己完結してしまう。やたらとハイテンションに自分を正当化しているので、あぁ、そんな考え方も悪くないかも・・・と思ったところに初音さん(4話参照)のような人物がやってきて、幻想世界を無残にも打ち砕いてゆく。どこまでマジで読めば良いのか分からないのもまた一つの面白さかもしれない。マジで読んではいけない物なのかも知れない。
個人的に好きだったのは、3話「真夏のブリーフ」と4話「大日本凡人會」。4話については、初音さんに揺さぶられ慌てふためく凡人會の面々がツボだった。3話は、冬の夜寒い部屋の中で読んでいたにもかかわらず、まるで若い学生時代(今も学生だけど)に感じた夏の暑さが甦ってくるかのようだった。交差点で止まっていて魂が抜けかけてしまうところとか、厚さを和らげてくれる午後のにわか雨とか。車に乗るようになってからは夏の街を歩く経験がめっきり減っており、とても懐かしかった。
最後にもう1つ。『四畳半神話大系』の「私」など、これに類似するテイストの同氏の小説の主人公は、いずれも最後には四畳半的(うまく言葉にできないが、どろどろしたアレ)な世界を突き破り、ちょっとだけ変わった主人公になってフィナーレを迎えてきた。爽やかな読後感の反面、抜け殻となた四畳半の部屋が少し寂しく見えたと言うのも正直な感想だった(おしゃぶりを離さない幼児見たいな発想だけど)。この小説ではどうなるかなぁと思ったら、7話のような終わり方。随分と意地っ張りな語り手だな、と笑ってしまった。
投稿元:
レビューを見る
妄想ここに極まれり!
四畳半という狭い空間に充満した妄想がやがて世界を飲み込んだ、っていう話。かどうかは知らないけれども、とめどなく溢れてくる妄想達が、不可解な秩序の元に整列している、不思議な感覚。
さすがです!
投稿元:
レビューを見る
装丁から作者の妄想全開の物語であることが読み取れる。もちろん、ページをめくれば期待通りの世界、それなのに、覚悟しているのに面白いのは何故。その中でも「蝸牛の角」は見事、読んでいて身体ごと飛行機ほどの高度から猫の額の毛いっぽんにまでぶんぶん飛ばされる感じ。
投稿元:
レビューを見る
+++
数式による恋人の存在証明に挑む阿呆。桃色映像のモザイクを自由自在に操る阿呆。心が凹むと空間まで凹ませる阿呆。否!彼らを阿呆と呼ぶなかれ!狭小な正方形に立て篭もる彼らの妄想は壮大な王国を築き上げ、やがて世界に通じる扉となり…。徹底して純粋な阿呆たち。7つの宇宙規模的妄想が、京の都を跋扈する。
+++
ひとつ前の読書とのこのかけ離れ具合はどうだろう。あまりの落差で思考もきっちり切り替えることができたが。著者の四畳半世界の妄想が凝縮されたような一冊である。いままですでにこの世界のあちこちで見かけた人物たちの姿やアイテム(?)も見られ、彼らがやっていることはといえば平凡であるようで非凡なことごとである。京都という街に抱く印象は男臭く変えられること必至でもある。だが、以前にも書いたような気がするが、物語の中身に比してこの挿画はさわやか過ぎやしないだろうか。挿画のさわやかさで騙して物語に引っ張り込もうという魂胆であろうか。森見ワールド全開の一冊である。
投稿元:
レビューを見る
またこの世界に戻ってきたか。大学生の四畳半の世界。それぞれ描き方も違うし下げも付いているので短編集っぽいけど、それぞれ連関しているので1つの世界観を描き出している。
でもなぁ。やっぱ、もういいんじゃない?という気持ちはあるかなぁ。面白いけどね。
投稿元:
レビューを見る
一人の男が全裸にはちまきだけという格好で、畳の上にペタリと生尻で座り、高らかに自らの「四畳半王国」について語ります。
阿呆です♪
阿呆ばっかり(笑)
桃色映像のモザイクを操ったり、水玉ブリーフ男が現れたり、京都の四畳半を舞台にさまざまな愛すべき阿呆たちが奏でる狂想曲♪
あー、面白かった☆