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キリストの誕生 改版 みんなのレビュー

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40 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「逃げる」

2004/12/01 23:55

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:すなねずみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「宗教」っていうのは、あんまり格好いいものではない。というか、とても格好悪い。おまけに危険な臭いさえする。それは、たぶんある意味では正しい。「宗教」には人間の弱さを煮詰めたような醜悪さがあるし、空想的な狂気と危険性が充満している。
 そして、だからこそ、「宗教」というものを敬遠し、あるいはそれを一種の「逃げ」に過ぎないものとして斬って捨てるのは間違っている。

 小説家・遠藤周作がキリスト者・遠藤周作を対象化し、自らの信仰告白として書いたのが、『イエスの生涯』(国際ダグ・ハマーショルド賞受賞)と『キリストの誕生』(読売文学賞受賞)である。『イエスの生涯』は徹底的に無力な「生活」無能力者としてのイエスの「人生」を、さまざまな研究や先達のイエス伝(たとえばモーリヤックの『イエスの生涯』)を踏まえ、小説家的な想像力を駆使しながら描き出した本である。
 そして『キリストの誕生』は、イエスを裏切った弟子たち(裏切ったのはユダだけではなく、ペテロもヨハネも含めてすべての弟子たちが裏切ったのだ、というのが遠藤さんの考え方)の側から、そんな情けなくも弱すぎる人間がいかにして「キリスト教」を作り上げたかを描き出している。とくに「教会」の基礎を作ったペテロと「神学」の基礎を作ったポーロ(パウロ)このあまりに対照的なふたりを中心にすえながら。(『沈黙』のなかでロドリゴが踏み絵を踏むとき鶏が鳴く。ペテロが自らの命を守るために「イエスなんて知らねぇ」と言ったときに鶏が鳴いたように。そして遠藤さんの『沈黙』は当時、いくつかの教会で禁書扱いされた。で、遠藤さんの洗礼名はパウロである)。
 この二冊の本を読んで、クリスチャンの僕(ほとんど完全に「転んで」しまっている現状だが)が受け取ったメッセージを言葉にしてみる。

「宗教」を持っている人間は、「宗教」を持っていない人間の多くが「逃げ」として侮蔑する「宗教」から逃げようとするときに「信仰」に捉えられ、それを意識するのであって、彼らは決して「現実」から逃げようとしているのではない。「宗教」を持っている人間はむしろ「宗教」から、「神」から逃げようとしているのである。
 自らの意志とは無関係に「宗教」を持って生きることになった人間が、そのバカバカしさから逃げようとする。遠藤周作の作品(小説、エッセイ、戯曲)が、「宗教」を持たない多くの人間の心を捉え、その琴線をかき鳴らすのは、彼が一貫して「逃げようとする人間」を描き、それによって「人間の可能性」を伝えることに意を尽したからである。

 ニーチェが(あるいはヘーゲルが)言ったように「神は死んだ」かもしれない。でも、だからこそ、この二冊の本を読んでみてほしいと思う(どちらか一冊というなら『キリストの誕生』を)。一人の「人間」の「死」を出発点として作り上げられてきたものについて学ぶことは、「宗教」とか何とかを超えて心に響いてくるものだと思うから。

>(ジル・ドゥルーズ『ニーチェ』)

>(同書の訳者解説「ドゥルーズとニーチェ」湯浅博雄)

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紙の本

「彼とその弟子の物語」のX

2018/07/16 15:21

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る

「イエスの生涯」の続編。イエスの死後、どのようにしてキリスト教が形成されていったのかを、ペトロやパウロが死に至るまでの、使徒たちの足跡を辿り考察した本です。ユダヤ人の範囲にとどまっていたキリスト教が、いかに世界に広まっていったかが理解できました。神の配剤とも言うべき使徒のリレーにより、不屈のパウロに至ったという印象です。そして前著でも謎だった「なぜイエスは信仰の対象となったのか」については、結局解は得られませんでした。逆にだからこそ、今でも信仰は脈々と続いているのかもしれないと思ったのでした。

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2006/09/17 13:47

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