紙の本
普遍的なだけ泣かされる
2015/10/09 14:14
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんだかわからないがココ最近で一番泣かされた。どこに、どのエピソードに涙したというワケじゃないんだが、女のそれぞれの人生の行間に描かれている辛さや切なさやちょっとした幸せに泣けてしまった。主人公の緑にはまだまだ縁遠い話なので、わたしの号泣をよそに笑ったり、嘆いたり、悩んだり。かわいいヤツめ。西さんはふつーの普遍的な話と思わせておいて、ぐっと人間のやるせない部分に切り込んでくるんだなあ。それを全面に押し出すわけでもなく。少しだけ14歳に戻りたくなった。おばあさんが名づける名前のセンスは二重丸。すてきです。
紙の本
こんな風景が確かにありました
2017/07/14 00:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんな風景が確かにありました。
どこどこのおっちゃんやどこどこのおばちゃんに世話になったり怒られたり。
同じ学年でなくても近所やいうだけでみんな一緒に遊んだり、悪いことしたり。
確かに何さん家の子供ではあるけれど、同時にその町内の子供でもあって町内みんなが育ててくれたみたいなところがありました。
それが普通やと思っているうちに大阪もTVドラマの中で見るのと同じのなんの取り柄もない町になってしまったような気がして、なんか寂しい。
西加奈子さんが育った大阪は私が育った大阪でもあると共鳴した作品でした。
大阪弁のリズムがわからん人には読みにくい作品かもしれませんね。(笑)
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脇役がすごくいい。カウボーイハット被ってて声がでかくて毎日なにしてるのかようわからんぶらぶらしてるおっちゃんとか、クラスの、目立ちたがりのアホの男子とか、残念な においがするほど愛おしくなる。
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えがった〜。
まさか猪木伏線にここまでやられるとは思わなかった。泣けるー。
サイドストーリー的な手紙も話に厚みを持たせてた。
よかった。オススメ。
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今までの西さんの中で1番好きな物語になりました。
西さんの物語は結構関西を舞台にしたものが多いけど、とりわけこの作品に地域とか土地の匂いを感じました。
心地よかった。
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主人公がお母さんのことや、恋愛のことで悩み、最後にはふっきれていく物語。恋愛について深く語られている。
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いやぁ〜さすがというか
なんというか
やっぱこの人の小説はいい♪
読み進めるうちに
だんだんと
登場人物たちの世界が繋がっていき
切なくて泣き出したくなる。
どこまでも真っ直ぐで純粋な緑を
誰もが応援したくなるハズ。
14歳の緑が語る
思春期だからこその
甘酸っぱい初恋と
なんでもない日常を描いた話なんやけど、
章の間に効果的に挟まれる
誰が誰に書いたのは分からない
様々な人の告白文により、
緑も知らない
辰巳家の秘密が明らかになり、
物語はピリリと引き締まり
深みを増して
より心に迫ってきます。
自分は女ではないし
思春期だって遥か昔だけど、
いちいち
緑のもやもやした想いに
共感してしまったなぁ〜(^_^;)
近所の人たちがみんな何かと言うと
辰巳家に集まり、
藍ちゃんの料理を食べたり、
おばあちゃんの声を聞いたり、
お母さんのだらしない姿を見て、
安心して帰っていく。
「誰かに心の内を言うことは、
それだけでしんどいことを減らせるのや」と言う
おばあちゃんのセリフがまたいいねんなぁ〜☆
しかしホンマ家族ってスゴい。
家族ってものを知らない自分にしてみれば
良くも悪くも
切っても切れない血や絆が
うらやましかったです。
西さんの小説の特徴である
映像は勿論、
匂いや音までも鮮やかに感じられる
みずみずしい感性と、
表現力の豊かさにも
ますます磨きがかかってます。
正直人生には
いいことよりも悪いことの方がずっと多い。
だからこそ時には
流されるままじゃ悔しいから
人間は抗っていく。
本当は悪いことばかりだからこそ、
日々の中で埋もれそうな
小さな幸せ探しをしながら生きていく。
どんな人生も
笑って受け入れる逞しさや、
ただただ生きていくための強さを
物語のチカラで教えてくれる、
切なくて
あったかい
「吉本新喜劇」のような小説です♪
姉妹編の
「こうふく あかの」
も併せてオススメします(^_^)
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http://sgk.me/hvLAou祖母、母、いとこ、その娘という女ばかりの辰巳家で暮らす14歳の緑。彼女の初恋を中心に、周囲の女性たちの物語が描かれていきます。
痛みを抱えながらも笑って生きていくそれぞれの姿は、「幸せは自分で決めるものなのだ」と教えてくれます。
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「緑ちゃん、て呼ばれるたび、馴れ馴れしくすんな阿呆、て思う。でも、もう一回呼んでほしい、て思う。」に、むぎゅってなった。
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何となく書店で購入。前情報がなく読み始めたので、冒頭ではもっと軽い話なのかなと思った。
読み進めていくと、関西の少女「緑」の軽快な口調で語られる彼女の物語の合間に、時折大人の女性のものと思われる独白が挟まる。
物語の「表」を彩る緑の物語は少女らしく明るいが、「裏」にあたるその独白はどれも悲哀の影を帯び、その対比がいい。
その意味することを考えるにつれ、本当の意味で「底抜けに明るい」人生なんてないんだなと改めて感じる。
文章は平易でとても読みやすく、読後感もいい。同著者の別作品も手にとってみようと思う。
作品とは関係ないが、出版社が書いたあらすじにネタバレがあるのはいただけない。
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女は強い。そう思う。
なぜなら、
人間を作れるから。
男がいないと作れない、
そんなことはわかってるけど、でも、
なんと言われようとも、
子どもは、「私の子だ」と、思う。きっと。
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大阪弁が心地よい小説。
中学生の緑が主人公。おばあちゃんとお母さんと
いとこのお姉さんとその子供と猫と犬と暮らしてる。
みーんな女。女系家族。ペットも女。
中学生の淡い恋心や大阪の濃い目の近所付き合いや
家族の絆など色々なことがとても上手に絡まりあって
展開されている物語。気持ちよく読める。
そこにちょこっとだけ謎も絡むからどうなるの?
なんなの?とどんどん読み進めてしまう。
読後感もとてもよく、どんな人にもお勧めかも。
大阪弁が心地よく何度でも読み返したくなる本。
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やっぱり、西加奈子の作品って温かいなぁ❤
「緑」ちゃんの目線で話は進むけど、
途中で入ってくる女性の話にもぐいぐい引き込まれてしまい。
最後、ちゃんと繋がった。
それにしても女性は強いなぁ。
そして、おばあちゃん、犯した罪は大きかったけど、
心も大きかったな。
カバーイラストがいくえみ稜なのもステキ❤
このタッチと西加奈子の世界観がばっちり合ってる!
「こうふく あかの」も読もう♪
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大好きな西加奈子作品。
彼女の文章ってすごく日常で、物語もすごく日常で、だから心に入ってくるの。
作られた世界を読んでる感じがしない。
しかも今回の話は今の自分の感情と重なる部分があってね。
アップダウンはそんなにないけど、あぁ、2種類のストーリーがそうやってつながるんだ!っていう構成だった。
少し時間をおいてまた読み返したいな。
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14歳の辰巳緑の家はお母さんにおばあちゃん、そしてバツイチ子持ちの藍ちゃんとその娘の桃ちゃん、と女だらけ。なぜかいつも人が集まってくる辰巳家を中心に、女たちの過去と生き様、そしてそれぞれの「こうふく」を描き出す。
関西弁の文章で、14歳中学生の緑の日常や心情が自然にテンポ良く描かれていて、とても読みやすく、話に入りこむことができました。
コジマケンをめぐっての恋物語は、胸がキュンとしたり、締め付けられたり、読んでいて楽しかったです。
突然出てくる看板や街中のポスターの文章が、緑の視点を共有しているようで、物語の中でアクセントになっていて良かったな。