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缶ジュース一本よりも賃金の少ない世界の人達・・・
日本に住んでる自分では想像もできない程の世界を、決して大袈裟に誇張しているのではない『リアル』な内容として読み解きことができた。
『貧困の中でも恋は生まれる』『売春している女性達は皆で協力して子供を育てている』といった、人の美しい側面も描いてくれたのが嬉しい。
著者にはこれからも取材を続け、良質なノンフィクションを生み出していって欲しい。
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サブタイ通り、描かれているのは世界の人々のリアルな姿。思ったよりもうまく回っている部分、どうしようもなく深刻な部分、両方垣間見ることができる良本。PTSDで苦しむストリートチルドレンの子どもの描写が、一番印象に残った。
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目からウロコ、物の見方をおしえてくれる本。ここに書かれている「貧困」のことだけでなく、世の中の事象はすべて見るところ変われば…なのだろうと自省。
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メディアで語られる貧困像に疑問を持った著者が、彼らと同じ体験をして、同じ目線に立って描いた本当の貧困生活。
一番ハッとしたのは、貧困生活をおくる子どもたちの精神的健康について。
日本には当たり前のようにカウンセリングがあり鬱病などもよく問題されるので、なんだか都会病のような気がしていた。
でも絶対貧困にある人は精神的健康以前の問題でいっぱいいっぱいなだけで、やっぱりそういった問題は多いんだとわかる。
『世界がもし100人の村だったら』の大ヒットも、私たちが貧困問題を現実的に感じられないことが理由なんじゃないだろうか。
ただのデータとしてではなく、そこに生きる人間の心を想像することが必要なのだと思う。
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【読書リスト11】石井光太『絶対貧困』新潮文庫。世界各国の貧困地域を歩いた著者による14の講義。スラムの成り立ちやそこで暮らす人々の仕事や性、路上生活者の物乞いや物売り、結婚、出産、葬儀、犯罪そして売春の実態が生々しく語られており、否応なく自分はどう生きるべきか考えさせられます。
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3:現実に 震える
ここにかかれているのは「かわいそうな人」ではなく、「私たちと同じように怒ったり恋をする人間」です。
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日本以外に住むと、貧困は日常的に目にするが、それは外から見た風景でしかない。
実際の彼らの生活実態を、著者自ら体験取材しているので、リアル貧困がわかる。
各講義ぐっと考えさせられ、今日から彼らに対する接し方が変わります。
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私がタイで住んでた外国人のための高級マンションのすぐ斜め前にはだだっ広いスラム居住区がありました。色んな記憶が消えてく中、そのスラムが大きな炎に包まれてゆく火事の光景が今でも忘れられない。逃げまどう人々の合間を逆走してく人々。
街中で物売りや物乞いに話しかけられることは小学校の私にとって日常の一片。でも、あれから十数年たった今、彼らの日常や生い立ちを初めて知ることができました。同じ国に住んでいても、偏見/先入観から彼らのリアルな生活は何も見えてこなかったけど、著者のように同じ目線に立って実際に同じように暮らしてみたからこそ見えてきた現実。とても貴重な情報が詰まった一冊。
恥ずかしながらこの歳にして、物乞いや売春婦に対する新しい見方を指南してもらえた気がします。
お金を渡してもキリがない、マフィアにお金がわたる、逆に子どもがもっと働かせられる...確かにアパートに帰宅していくような裕福な物乞いも、収入を根こそぎ奪い取るマフィアもいるけれど、たった数十円でその日初めてになるかもしれない食事にありつける人が大半であるのならば、その目の前の人を助けない理由がない。
一度はぜひ読んでほしい一冊。特に物乞いと宗教の関係性が面白かった。けども、所々に出現する著者のtoo much info的な体験談はちょっといらなかったかなぁ。
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世界の歪み。
人間が人間らしく生きられる世界に作用できる、
その影響力はわずかなれど、
責任を持っていたい。全世界に。
日本に生まれ、上智を出たその意味。
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世界のスラムに焦点をあててる。
鉄錆の入った酒を飲まされるところがコミカルだった。本人はとんでもない経験だっただろうけど。
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スラムに人々、立場、考え方。
日本に住んでると普段考える必要な事項だか、現在進行で起こってる事に気づきます。
特にバックパッカーで旅しようと思ってる人には一度読んでおくと良い。
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かつては自分も貧困問題にチャレンジしたことあったが、
こちらのルポルタージュを読み、浅はかであったと反省。
いくら統計上の数字で国際開発論をぶったところで、
生身の人間にどれだけの影響を与えられるものなのだろうか。
具体と抽象の、それぞれの思考のバランスが大事なんだろう。
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貧困を「かわいそう」という決まりきった視点ではなく、著者が実際にスラム街などで生活することでわかる貧困の中で暮らす人々の視点を知ることができる。
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語り口調が面白く、内容も学問的と言うよりは現場の知、といった所。普段の学習だけでは知ることのできない貧困の現状、裏側などを知ることができる。開発を学び始める初心者にとくにオススメ。
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途上国の貧困問題。それは、あまりにも巨大すぎて、到底一人の人間の手に負えるものではない。著者は、絶対的貧困の中に生きる人たちの実生活を、ただありのままに、あっけらかんと記すという方法によって、この問題と対峙する。
路上で暮らす物乞いだって、セックスもすれば出産もする。庶民の中に溶け込んで暮らすアジアの路上生活者はほほえましくもあるし、そこには人情味溢れる世界が広がっている。けれどもそこは、強盗や強姦、麻薬売買や人身売買などの犯罪がはびこる、世の不条理が集まった汚い世界でもある。
劣悪な衛生状態の中で、下痢や肺炎によって多くの子供たちの命が失われていく。ストリートチルドレンは寂しさからシンナーに手を出し、やがてシンナー欲しさに盗みを働くようになる。歯は抜け落ち、身体はボロボロになるが、施設に保護されることもない。若い女性のほとんどは売春業に関わっている。子供を誘拐して、目をつぶしたり手足を切断したりして障害児に仕立てた挙げ句、物乞いをさせ、稼がせたカネは全部巻き上げるという残酷極まりない犯罪組織もある。
このような絶対的貧困は、我々のすぐ隣に、厳然と存在している。たまたま日本に生まれたか、途上国のスラムに生まれたか、その違いによって圧倒的な不公平がもたらされるのだ。
この救いのない現実に向き合ったとき、私たちは一体どうすべきなのだろうか?その答えはどこにも書かれていないし、著者は、それに答えようともしない。でも、なにもしなくても、ただ知ろうとする努力をするだけでもいいのかもしれない。
途上国を旅した人がしたり顔で、「物乞いにお金を与えてもキリがないし、なんの解決にもならないから、あげるべきではない」などと言う。あるいは、「日本人はすぐにお金をくれると思われてナメられるから、他の日本人が迷惑する」とまで言う人もいる。でも著者は、そんな理屈を並べ立てて数十円かそこらをケチってどうする、という。どっちみち解決なんかできっこないのだから、もっと簡単に考えればいい。「頑張ってるな」と思ったら、ティッシュでもお菓子でも買ってやればいいのだ。ちょっとぼられたところで、大した金額ではないのだから。