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あー面白かった!田丸さんの表現力、切り返しには本当に楽しませてもらえる。子育てに関する考え方も共感する部分が多くて、より楽しむことができました。
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イタリア語通訳、田丸久公美子の3作目。
主人公は著者の息子ユウタ君で、開成→東大→弁護士と超エリートコースを進んでいく過程をユーモアたっぷりに書いている。
帯を見たとき、「なんて嫌味な・・・、顰蹙買うんじゃないか?」とちょっと引いたが、田丸公美子の前2作がとても面白かったため、ただの教育ママの息子自慢記ではあるまいと、買って読んでみた。
ユウタ君は、ガリ勉ではなく、遊びに部活に彼女に体育祭に・・・と、いろいろなことに打ち込んだうえで短期集中の勉強で成功していった。重要なのはかけた時間ではなく、モチベーションと集中力なのだ。
親の命令で行きたくもない学校に行かされ、夏休みも朝から晩まで毎日夏期講習を受けさせられるよその家の子どもに、著者が嘆く場面がある。「もしH君が医学部にいるとしたら、私はこんなお医者さまにはかかりたくないし、法学部に入ったとしたら、こんな人には裁かれたくない。人間は、他者との関わりと遊びから内面を豊かにし、人への思いやりを学ぶのだから。」
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シモネッタの異名を取る筆者が綴る子育て記です。ご子息は開成、東大、弁護士とエリートコースを歩んでいますが、必ずしもガリ勉ではなくしっかりと青春をエンジョイしているということに本当の頭のよさを感じます。
ご子息は現在、弁護士として活躍しており、本書は「シモネッタ」の異名を取る筆者が彼の成長を記録した子育てエッセイです。タイトルは見てもわかるとおり、某マンガを思いっきりもじっています。概要はというと、息子さんは開成→東大→在学中に司法試験に合格→弁護士というエリートコースをひた走っているかのような存在ですが、決して彼は机にしがみついていたわけではなく、開成時代にはサッカー部に入ったり、応援団の団長を勤めたりと必ずしもガリ勉タイプではないんですね。
しかも、これは一番うらやましかったんですけれど、彼は女の子にモテモテだったんですね。ここまで十代の思春期を謳歌しながら、なおかつ東大、さらに在学中に旧司法試験に合格する。しかし、母親である筆者は仕事に忙しいので、他の半狂乱のように開成→東大に固執するのではなく、あくまで、一歩は慣れた視点から息子の成長を見守っていたのではないかと思っています。
しかし、シモネッタの彼女がそんなことだけでは決してなく、出張に行く前にアメリカ版のプレイボーイに入っているポスター大のピンナップガールのヌード写真の顔の部分に自分の顔を貼り付けて『これでママのことを思い出してね』とサインペンで書いて、息子さんの机の前に貼るというぶっ飛んだことをやってのけていた場面には笑うしかありませんでした。
そんな彼も司法試験に受かって、家を出るときに荷物を整理して新しい部屋で彼女と生活を始めているところになると、筆者とともに一抹の寂しさを覚えてしまいました。たぶん、『お受験』を目標にして自分の子息を東大に何が何でも行かせたい、という方にはまったく参考にはならないと思いますが、息子さんの優秀さと、母親がぶっ飛んでいた部分を持っていても子供は育つのだ。ということを理解できるものとしてお読みいただければと思います。
母親が同時通訳で、息子が弁護士。『言葉を武器にする仕事』という意味では血はやっぱり争えないんだな、ということを読んだ後に考えてしまいました。彼の前途が洋々であることを、余計なお世話ながら、お祈りします。
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田丸さん、初めてイタリアとイタリア語から離れ、子育てエッセイ。
社交的で行動的で明るく女にモテ、遊び、
開成、東大、在学中に司法試験に合格して弁護士という炸裂した息子ユウタくんの半生。
息子への愛と誇らしさがこれでもかと伝わってくる。
不思議と嫌味や自慢と感じない、カラっとした語りっぷり。
35歳で出産に至るまでの急転直下の展開から始まり、
息子が弁護士となって家を出て行くまでの日々が相変わらず面白おかしく綴られている。
だけれども前半は特に、無償の愛と言える子供への愛情を感じ、
子供のけなげさを垣間見、特段感動させる表現や展開ではないのにじんわり泣けてくる。
中学受験~大学受験までは自分の人生と重ねあわせる部分が多かった。
公立校だったものの周囲には東大京大一橋お医者さんも少なくなく、大学受験についてのスタンスというか価値観が似通っている。
こうして客観的に見ると、しょうもないことだったなあと思う部分もあり、だけど同時にそれが自分の世界のほとんどだったから、振り返ればくだらないことでも必要な経験だったなと思う。
ピカイチに勉強ができる友人たちがそこ至ったのは、生まれ持った効率的な脳みそもしくはコツコツ努力する才能だと思う。
確かにどう考えても脳細胞の回路と性能が違う人もいた。
あれは天才。
でも天才だけが優れているわけではなく、ちゃんと能力を高め積み上げていくことができる人も別の方向性で優れている。
だから本人の才能と親の教育方針、環境がいい塩梅でマッチしたら幸せなんだろうなあ。
どちらか(ほぼ子供だけど)がストレスを抱えて成功する場合もなくはないけど、
それはいつかゆがみを生みそう。
予想通り田丸さんは超放任主義。仕事も忙しい。
でも息子は心配だし構いたい。
そんな不器用さも伝わってくる。
私も親から勉強しろと言われたことは一度もないので、ユウタくんと同じような環境にいたかもしれない。
まぁ私は中学までの遺産を食いつぶしてようやっと大学に入ったクチですが。
やっぱり、青春時代はたくさん遊んで、悩んで、勉強するべきだなあと、心から思う。
親世代がターゲットになりそうな本書だけど、子供の目線で読んでも楽しい。
誰しも誰かの子供であったから、自分の親を思い浮かべ、子供時代を懐かしく思い出すことでしょう。
ついでに、開成へのイメージが大きく変わりました。
時代はこれからどう変わるかわからないけれど、
たくさんのものと触れ合って自分の言葉で伝えることができる人は、
どんな環境でも自分の足で歩いていけるのではないかと思った。
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米原万里さんの本でよく紹介されていた著者の田丸さんは、イタリア語通訳で愛称はシモネッタ。下ネタにひっかけた愛称ですが、実際にイタリア人のお名前にあるらしい。
ドラゴン桜をパックったタイトルから伺えるとおり、開成→東大→弁護士になった息子さんの子育て日記。決して教育ママの本ではなく、冷静な親子関係論という感じでしょうか。
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某ブログでの紹介あり。
「男子の生態を一番近くで観察できたので記録」と。
子育ては放任だったので人様にお教えすることはなにもないけど…と前置きし、
「いつもお前のことを見ているよ」「お前のことを大事に思っているよ」というメッセージだけは、折にふれ、伝えるよう努力してきた と述べている。
それが一番大事で、それ以外にはいらないのではないかと思わさる。
だって、息子さんのかっこいいこと。
繊細で、力持ちで、とことん優秀。運がいいとか、まぐれとか、この人のこの才能あって言えること。
そしてちゃんと女好き。
ほんとだ。男の子もそだててみたくなった(ブログで、男の子が欲しくなる、とされていた)。
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面白すぎました!
息子さんとの愉快なやり取りに爆笑、なんとも小気味良いです。
放任子育てといいつつも著者様の賢母っぷりがエピソードや文章の随所から感じられます。
私も息子がいますが、男の子育児を純粋に楽しもうと思わせてくれる本でした。
図書館で借りましたが、これは手元に置いてモチベーション上げたいときに繰り返し読みたいと思うので別途購入の予定です。
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この著者の本は初めて読んだんだけど、田丸さんはイタリア語の同時通訳者として知られた存在らしい。これまでもそちらの顔で何冊かエッセイを出しているけど、この本は息子育てにまつわるエッセイ。何しろこの息子、スペシャルなのだ。開成中学・高校と進み、東大に現役合格。東大在学中に司法試験に合格し、いまは弁護士として活躍しているのだから。
でもこの本、自慢めかしたり、教訓やマニュアルめかした子育て本ではない。田丸さんは仕事があるせいもあって、放任極まる育て方だったと書いているし、それが謙遜でもなさそうなことに、息子がまた勉強ができるだけの人間じゃないんだよね。開成では、体育祭の花形・応援団長をしたり、はたまた美人の彼女をとっかえひっかえし、コンドームが見つかっても悪びれず、自転車窃盗で警察のお世話になったりと、面白いエピソードをたくさん提供してくれる。それでいながら、ほぼ自学自習で司法試験をものにしてしまうし、自分の考え、ものの見方がしっかりできている好青年なんだ。彼の発言もそこかしこに出ていて、なかには「知ったふうな口聞いて」みたいな感じのものがないでもないけど、なるほどと思わせるところが大いにあった。
こんな親子関係だったから、「息子育て」というよりは、息子と暮らした日々の思い出ってところだろうか。田丸さんは終盤の、息子が弁護士事務所への就職活動をしているあたりで、息子の質問に間の抜けた答えを返し、「あんた、使えねえ」と言われた後、こんなふうに書いている。ちょっと寂しくもありつつ、男の子を育てる楽しさってこういうところにあるんじゃないだろうか。
私はため息をついた。確かに“使えない母親”だった。センター試験のことも、息子が回る法律事務所のことも何も知らない。息子は中学以降、すべてを一人で決めてきた。そして今、二十二歳で就職活動をしている。思えば私も二十歳の大学在学中から通訳を始め、早々と独立し親に送金までしてきた。人生で最も美しいモラトリアムの時期をこんなに早く切り上げた息子が、自分の姿に重なる。
独立した子供は、まぶしく、そしてしみじみ寂しい。十八歳で私を広島から東京に送り出し、今も広島で一人住まいする母の気持ちがやっと実感できたような気がした。息子のモラトリアムも、私の「母」としての時も終わったのだ。長くて短い、そして実に密度の濃い時であった。息子に言えるのはただ一言。「楽しいドラマを見せてもらいました」。彼のおかげで、人生を二度生きることができた。しかも二度目は母にとっては未知の生物「男の子」の人生を、乳児から青年まで間近に体験できたのだ。実に新鮮で愉快な体験だった。(p.180-181)
子育てしている人は、ヘンな育児書(マニュアル本)とか読むより、この本を読んで気持ちも大きく、気楽にもって楽しく子育てすればいいと思う。
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読了。海外旅行に行くついでに持って行って大成功。すーっと読める本がこんなに頭の切り替えになるっていうのは発見だった