- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
コレクション日本歌人選 002 山上憶良 みんなのレビュー
- 和歌文学会 (監修), 辰巳 正明 (著)
- 税込価格:1,320円(12pt)
- 出版社:笠間書院
- 発行年月:2011.6
- 発送可能日:購入できません
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
4 件中 1 件~ 4 件を表示 |
紙の本
歌はというものは、恋を詠んでいるものばかりではない、ということを、改めて知った。
2011/11/08 23:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安之助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校時代、「古典」の点数を稼ぐためにだけ、山上憶良の名前を覚えた。「山上憶良=貧窮問答歌」、それだけである。当然、貧窮問答歌の中身は読んでいない。いや、教科書に載っていたから、授業で1、2回、目を通したかもしれないが、こちとら、古典の成績は「4(10段階です)」の劣等生、記憶にはない。それが、このたび、何がきっかけで、憶良の歌ばかり39編読む気になったのか。簡単にいえば“大人になった”んでしょうか。
歌(和歌)というと、恋を詠んだ歌がどうしても頭に浮かぶ。ところが、山上憶良の作品は傾向が違う。出典が主に万葉集だからかもしれない。万葉集に取り上げられている歌は、憶良が五十歳より後の作品で、もしかすると、若いころは甘い雰囲気の歌も詠んでいたかもしれない。しかし、いずれにしろ、本書に取り上げられている傾向は、「貧窮問答歌」的な、ストイックな歌が主である。
もっとも、必ずしもユーモアがないというわけではない。「憶良らは今は罷(まか)らむ子泣くらむその彼(か)の母も吾(あ)をまつらむそ」-私、憶良は、もう宴会を退出します。家では子どもが待っているし、その子のお母さんも、私を待っているでしょうから。どうです。おのろけを交えたあいさつで、「俺は帰るよ」と部下への束縛を解いた秀逸な歌と思いませんか。会社での忘年会などで、腰を据えてしまう上司に教えてやりたいですね。
といっても、それが「建前」ではなくて「本音」なのかもしれない。万葉集巻五の「こらを思(しの)へる歌一首并(あわ)せて序」。「瓜食(は)めば 子ども思はゆ-」で始まる長歌、それの反歌「銀(しろがね)も金(くがね)も玉もな何せむに勝れる宝子に及(し)かめやも」、今はやりの“イクメン”ではないにしろ、子煩悩なことは間違いない。
もっとも、明治の歌人で「働けど働けどなお暮らし楽にならざリじっと手を見る」と詠った石川啄木が、金田一京助がたびたび無心していたのは、京助の息子・春彦が証言しているように、憶良の歌も文学的虚構を詠んだのかもしれないが。
なお、本書は「コレクション日本歌人選002」。全60冊のうち既刊は20冊。
紙の本
山上憶良
2021/06/04 13:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
山上憶良といえば貧窮問答歌が歴史の教科書に載っていたような遠い記憶が。他の歌も色々と知ることが出来て興味深かったです。
4 件中 1 件~ 4 件を表示 |