紙の本
一人ぼっちのおばあさんとおなべの「ゆきひら」がくり広げる、あたたかく、甘酸っぱい物語
2012/04/03 11:16
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ゆきひら」とは、「土でつくられた、茶色いおなべのこと」
在原業平の兄行平(ゆきひら)が、海女に海水を汲ませて塩を焼いた故事に因んで名づけられたと言われています。行平の名まえに因む由来と、その時用いた鍋に、白い塩が現れてきて、それが雪のようであったからという由来があり、漢字では、「行平鍋」とも「雪平鍋」とも表記されます。
「ゆきひらをしっていますか」という一文で始まる物語。畑の中の小さな古い一軒家に住むおばあさんが、かぜをひいて、たった一人でねこんでいました。そこへ、コトコト、コトコトと音を立てて現れたおなべ。自ら、「ぼく、ゆきひらです。」と名のります。おばあさんが台所のとだなにしまい忘れた古いおなべでした。「行平君」とでも呼べそうな、実にかわいいおなべが絵本のページいっぱいに描かれています。
安房直子さんの作品は、身の回りの小さな道具を使って起きる、小さな魔法に満ちています。おなべの「ゆきひら」にかけられた魔法から、おばあさんの夢の世界が広がり、また、かぜをひいたおばあさんを元気にする甘酸っぱい一品ができあがります。
さて、「ゆきひら」は、おばあさんに何を作ってあげたのでしょうか?「おいしい」お話とレシピという「おまけ」がついています。一人ぼっちのおばあさんとおなべの「ゆきひら」がくり広げる物語、最終ページまでお楽しみください。読み終えて、心がじわっとあたたかくなり、「ゆきひら」を「雪平」とつづってみたくなりました。
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
雪平鍋は田辺聖子さんの本で知りましたが、見たことはないような。そんなお鍋とおばあさんの、ほっこりする温かいお話でした。
紙の本
ファンタジー
2016/05/21 16:18
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投稿者:ぺろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
おばあさんが風邪で寝込んでいると「ゆきひら」が声をかけてきます。そしておばあさんのためにりんごの甘煮を作ってくれます。この作者はファンタジーが多いのですがこのゆきひらの話は特に気に入っているストーリーです。おすすめです。
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ゲットしました。
表紙絵に、しばし見とれ…。
自然と、声に出して読んでました。
ゆっくり、ゆっくり。
湯気や、あまい香りがページからたちのぼってくるかのようで。
表紙絵の笑顔のまんま、ゆきひらくんのやさしさが胸にしみてきて。
読み終わって、ぎゅうっと本を抱きしめました。
安房直子さんの、やさしい、やさしいお話に、田中清代さんの包み込むようなあったかい絵。
いまの季節に、ほんとうにぴったりな本です。
30、31pのゆきひらくんに、ほろっと泣けました。
32、33pでは、おばあさんと一緒に追体験してる気もちに。
45pのゆきひらくん、撫でたくなっちゃいます。
たぶん、きっと、ゆきひらくんは、おばあさんのお母さんに、とても、とても大事に使われたんだろうな。
だから、こんなにも、やさしいんだろうな。
そうして、おまけの「りんごのあま煮のつくりかた」も♪
なんか、もぉ、このいたれりつくせりなのは…や、やさしいぞ。
だって、作りたくなるもん。
お話の中のおいしいものって、ほんとにおいしそうなんだもん。
安房直子さんのお話は、特にね。
大好きな安房直子さんのお話、またひとつ読むことができました。うれしいなぁ。
読むことができて、ほんとうによかったぁ。
宝物の本です。
折りにふれて、なんども読み返したいです。
安房直子さんが好きなひとには、ぜったいオススメです。
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ほっとするおはなし。温度が伝わってくるんだ~~~~~。つめたさ、あったかさ。最後にりんごの甘煮のつくり方も載っている。
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タイトルのゆきひらという茶色のお鍋、昔どこかで見たなーなんて思いながら手にとってみた。
病気のおばあさんを励まそうとりんごの甘煮を作るゆきひらくんの優しさに和む。
多分、このおばあさんのお母さんに丁寧に扱われてきたからこんなに尽くしてくれるんだろうし、りんごの花びらが舞い散る中での再会という夢も見せてくれるんだろうなあと予想するとぐっと深みがます話になる気がしてくる。
安房さんのりんごの甘い匂いがただよってきそうな珠玉の文章と、田中清代さんの柔らかい挿絵がとってもお似合いの童話絵本。
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我が家ではりんご煮と言っているりんごのあま煮。
やさしいゆきひら鍋のあったかいお話。
冬のよみによさそう^ ^
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安房直子のお話に絵をつけた絵本。
風邪をひいて寝込んだひとりぐらしのおばあさんと、しまいっぱなしだった古い雪平鍋のおはなし。
おばあさんのさみしさが、「独居老人だから」ではなく「病気で弱ってるから」なのが良い。
私は展示品以外のかまどをみたことがないし、ゆきひらだって蓋なしのアルミ製しか使ったことがない。
りんごの煮たのは好きじゃないし、草履の感触も知らない。
おばあさんの経験と重なる部分なんてほとんど持っていない。
なのに、懐かしいような気持ちになる。
きざんんだりんご(病人にきざませるのはどうかと思うがなべだから自分じゃ切れないってのが変にリアルで面白い)を、とろ火でじっくり煮て、雪の中でゆっくり冷ます。
発熱した体温に冷たくて甘いりんごを、ひとくちずつ味わって食べる。
すべてが丁寧に、ゆったりと流れていく。
巻末に、りんごの甘煮の簡単なレシピつき。
『風のローラースケート』では風呂吹き大根を煮たくなったけど、これもまた土製ふたつきの雪平でゆっくり作りたくなっちゃう。
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10分くらい。
古い小さな一軒家に、おばあさんが風邪をひいて寝ていました。
長いこと、風邪が治らないおばあさん。
すると台所から、コトコトと音が。
誰ですか?の問いかけに「ゆきひらです」という返事。
見るとそれは、小さなゆきひら鍋でした。
ゆきひらは、おばあさんのために、りんごの甘煮を作ります。
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風邪で寝込んでいるおばあさんに、台所のゆきひらが話しかけてくる・・・。
体調の悪いときは心細いですものね。ゆきひらの作ってくれたりんごの甘煮のおいしそうなこと。雪で冷やすというところが素敵ですね。
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私が幼稚園の時に読んでもらった絵本。母が好きだった絵本。
私は『美味しそうなりんごの甘煮が出てくる絵本』としか記憶していなかったため、娘に読んであげよう、と再読し、衝撃を受けた。
それだけではなかったのか…
母が好きだった理由がやっとわかった。
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#ゆきひらの話
#安房直子
#偕成社
#児童書
#読了
一人読みにちょうどよい長さ!一人暮らしのおばあさんが風邪で寝込んでいると戸棚にしまいこまれた可愛いゆきひら鍋がしゃべり始めます。孤独、思い出、美味しいもの。絵も優しくて大好きな本になりました。
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☆100くらい。すごいおもしろかった。
かぜをひいているおばあさんが、だれかにそばにいてほしいと思っている。そんなときにゆきひらが出てきて、おばあさんに優しくしてくれる。そういう優しいのとか、ゆきひらの話し方がかわいいのとかが、いいなと思う。
ぼくだったら、ゆきひらにお母さんが作ってくれているスープを作ってほしい。でも一人はいやだ。おばあさんのところにも、だれかが来てくれるといい。
最後にりんごのあま煮の作り方が書いてあって、ぜひぜひ作ってみたい。(小6)