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山本さんの一作を読みたくて購入した本。
どの作品も個性的で質の高いものばかりなのも驚いた。あとがきで山本さんが書いた通りテーマとして何か掲げられたわけではないけれど、どの作品も共通して生きて行く強さが滲んでいたと思う。それは声高らかにではなく、ぎりぎりと噛み締められた喉の奥から這い上がってくるような強さだ。
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とにもかくにも、山本文緒女史の短編だ。
ほんとうに、なんでこの人はこんなにももやもやとしたつかみ所の無い、でもしっかりある気持ちを描写出来るんだろう。
山本氏が圧倒的だった。
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the charity novel. profit is donated for east Japan disaster. anybody R-18 author. trivia:'Gremlin' and 'Back to the Future', the movie had same town view.
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真智の火のゆくえ では、個人的に辻村深月さんの「凍りのくじら」の主人公の被る部分があった。内面の危うさというか、自分で自分のことわかってると思ってて、だけどそうじゃない、むしろ周りの人間に見透かされているような……
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豊島さんが一番よかった。
褒められるためのことから離れる、という
心情が、好きな相手への接し方をもって
丁寧に描かれていたので
思わず集中してしまいました。
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R-18文学賞を受賞した作家らによるアンソロジー短編集。
もとは電子書籍で2011年東日本大震災のチャリティのための企画。企画の部分が文庫版では後についていて雰囲気がわかります。
知らない作家ばかりでしたが、本のタイトルと表紙で読む気になりました。
この直後に読んだ本でも「電車が来るまでの三分間だけでも、彼女のことを偲ぼう」(子供おばさん、山本文緒)のようなシーンが出てきて、流行り?とか思ってしまった。
読むのが辛いのもあったけれど、未来に希望を持てるかはともかく、楽しめた。
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豊島ミホ、お初。大収穫。この人いい。
彩瀬まるは期待通り。はずさない。
山の上ホテルを知ったことも収穫。
いつか泊まってみたい。
柚木麻子、明るく元気、文章のテンポがいい。
山本文緒は貫禄の作品。
大人ーって感じ。いいねぇ。品があるんだよ、せつなくて、現実的で、でも救いがある。
もっともっとかいてほしい。
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若手女性作家10人による東日本大震災復興支援チャリティ小説同人誌として電子書籍で出されたものの文庫版。綾瀬まる目当てで読んだけど、豊島ミホの「真智の火のゆくえ」がすごい。一人だけ混ざった大御所・山本文緒もさすがの切れ味。
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作成のきっかけはさておき、(自分の年齢からして)ついて行けるかなぁと思いながら手に取ったけど、大変、興味深かった。
昔々、苦境にある女性の悲しさを美しく描き出したのが樋口一葉なら、今に生きる女性作家たちは、その子孫。
樋口一葉が、貧困の中、筆を持ったのなら、彼女たちも、生活のため、ラブホの清掃員となり、小説の依頼は全くなく・・・という未来図におびえながら、筆・・・ペンを持ち、ワープロに向かうのだろうか。
遠い昔に一葉が奏でた主題の変奏曲・・・時にコミカルに、シニカルに、あわあわと、ひりひりと・・・
今、苦境にある人への応援歌でもあるのでしょう。
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山内マリコ アメリカ人とリセエンヌ…「ここは退屈迎えに来て」のスピンオフ。感想はそっちで書いたので省略。
彩瀬まる 二十三センチの祝福…自分の事を書かれているような怖さがあった。傷つけられた男のプライドが屈折した男の復讐へと変わる。
宮木あや子 水流と砂金…「雨の塔」のスピンオフ。前回は途中断念で今回はしっかり読んだけど難解だった。どんな運命が待ち構えているのかわからなかったし、女同士の恋愛も消化不良。
蛭田阿紗子 川田伸子の少し特異なやりくち…自分が特異ではないと気付く時のシチュレーションが特異。
豊島ミホ 真智の火のゆくえ…大きな事をやらかしそうな火が不甲斐ない。え、なんで?となった。
柚木麻子 私にふさわしいホテル…下の階で必死に邪魔をする様が微笑ましい。
南綾子 ばばあのば…話として未完なのが気掛かりで著者が心配になった。こんなに暴露しちゃって大丈夫なんでしょうか。
三日月択 ボート…評価はこの作品。命に無責任な男女の為に生まれてくる事ができない命の事を思うと、やり場のない怒りがこみ上げてくる。生まれて来なければ良かったのはこういう男女なのに。
山本文緒 子供おばさん…なんでもない話なのに、じわじわ幸福感が湧き上がる。
吉川トリコ 少女病 近親者・ユキ…「少女病」のスピンオフ。感想はそっちで書いたので省略。
※ 巻末の雑談もみんな楽しそうでいい。それと豊島ミホさん作成の似顔絵がうまい!
この作品は東日本大震災復興支援目的で売り上げは全て寄付されるとのこと。
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★真智の火のゆくえ
誰のものでもない、自分の意思で決めることが大切。
考えてみよう、何が大事なのか。自分が求めているものすらわからなくて、どうやって生きていくのだ。
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自分の言葉で書くのが怖くて怖くてたまらない。胸のうちを知られるのが、知られたうえに拒まれるのが、怖い。そもそも、書きたいことなんてなかった。私は空洞だった。出すに値する「自分」なんてものは、存在しない。
私なんて、なにものにもなれない。
誰だって、偽っているのだ。演じているのだ。仮面をかぶっているのだ。多かれ少なかれ。誰だってみんな、意識せずともやっていることだ。私はただ、やりかたが過剰なだけ。
既に得ているものがある人間は、自分が必要でない人間に対して干渉しないし、また、それらに影響されることもない。
四十代の独身女性が結婚できる確率は、テロリストに狙撃されるそれより低い
なんでこんなにうまくいって、うまくいかないんだろう。
私は日常に倦むことはない。何も成し遂げた実感のないまま、何もかも中途半端のまま、大人になりきれず、幼稚さと身勝手さが抜けることのないまま。確実に死ぬ日まで。
あれはやるときはやる女だよ、臆面もなくそういうことを。
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東日本大震災復興チャリティー同人誌(電子書籍)を文庫化したもの。
そうとは知らずに、山本文緒さんの作品目当てで購入。
元々が同人誌なのであとがきも同人感があって私はすきだ。
アメリカ人とリセエンヌ ★4
二十三センチの祝福 ★3
水流と砂金 ★3
川田伸子の少し特異なやりくち ★3.5
真智の火のゆくえ★2.5
私にふさわしいホテル★4
ばばあのば★3.5
ボート★3
子供おばさん★3.5
少女病 近親者ユキ★3
文芸あねもね★できるまで物語
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どの話も面白かった!
特に豊島ミホさんの「真智の火のゆくえ」と綾瀬まるさんの「二十三センチの祝福」が好き。
読み終わったけれどまたすぐ読みたい。
3.11のあとに書かれた10人の作家による小説集。
どの話でも主人公たちは、
今よりも明るい方へ、今よりも温かい方へ、自分で決断して一歩前に進んでいる。
落ち込んだ時に読めば、きっと自分も頑張ろうと思えるはず。
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どれもこれも好みの作品ばかりで読むのが楽しかったです。
特にお気に入りは豊島ミホ先生の『真智の火のゆくえ』、柚木麻子先生の『私にふさわしいホテル』。
これが同人誌だなんて、贅沢すぎる!
どの作品も手元に置いて何度も読み返したい。
個人的に今年に入ってから仕事が忙しく読書する心の余裕が無かった上に、自己啓発本と実用書ばかり目を通していたので、この本を読んで娯楽とはこういう事だ〜と心に染みました。。
物語は心を豊かにしてくれるなと改めて気付かせてくれた大切な一冊になりました。