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風邪が抜け切らず楽しみにしていた京都記念もパスして、今日は読書の日とする。大好きなシリーズで、今回も当然面白い筈と思って読み進めたけど、予想を上回る展開に1日で一気読み。
あれからまた1年が経って、いつも通りに香織と早苗の交互の視点で語られるお話しに、今回は早苗のお姉さん、桐谷先生、吉野先生、美緒のスピンオフショートストーリーが挟まって(これらがまた良いのだ)、二人の高校最後の夏へと進む。
読者だけでなく、作中『同じ一本の刀の、表と裏のような関係や。その二人が、約束の地で再び、相見える……俺はただ、その場面ば見たかだけたい』と、吉野先生にまで語らせた二人の対戦は、しかし物語のクライマックスのひとつでしかなくなく、その後も続いていくお話しは、高校生活が終わっても続いていく、人として生きることや人とともに生きることに対して、きちんきちんと釘を刺して考えさせる。
既に戦うことの意味を学び取りつつある香織と、再び自分の道を模索する早苗の姿に、彼女らを導いた師範それぞれのそこに至るまでの苦い過去や浅からぬ因縁を受け継ぎながら、「守破離」、新しい形で次の世代へ引き継がれる希望を見る。
『打たずして攻める。こちらの攻める「気」によって相手を充分に崩し、間違いない機会を捉えて、そこに渾身の一撃を叩き込む』
『冴えのある一撃が唯一無二の目的だから、それ以下のものは数えない。はずれた打突はなかったことにして、次の一撃を試みる。双方が無傷であるという仮定に立ち返って、再び学びのために竹刀を交える』
描かれる戦いの境地に、この物語の心地良さの根源を知る。
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2012/2/10 Amazonより届く。
2016/6/27〜7/1
とうとう香織と早苗の高校生活が終わってしまった。何冊も本を読ん読んでいると、たまに終わって欲しくない作品に出会う。本シリーズはまさにそんな作品。幸い、ジェネレーションが既に世に出ているようなので、文庫化されるのを楽しみに待っていよう。
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武士道シリーズ最終巻。
よかった。いつもは香織と早苗の語りで話が進むけど、今回は後輩の田原や吉野先生など二人を取り巻く人物の語りで構成され新鮮で面白かった。
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それぞれの剣道を真摯に歩いている二人の少女の、高校最後の物語。
いよいよ天王山、それぞれの道であがいてきた二人が、全国という舞台で相対します。
- すべての道は、この武士道に通じている-。
笑いながら向き合うことができるなんて、幸せな関係、ですね。
そうそう、外伝として差し込まれる手書きの章がいい味出してました。
守って、破って、離れる、いい言葉だと思います。
- 負けは死でも、恥でもない
ただ優劣を競うだけではない、連続性のある"道"の上で人として交わっていく。
そんな事を感じさせてくれました、19歳の物語がいつか出ることを、信じています。
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ようやく、武士道という言葉が出てきた気がする。
武士道シリーズ第三弾。一旦、高校編は終わり。
今までのような剣道一辺倒ではなく、脇役にもスポットライトが。
まさか桐谷先生にも哀しい過去があったなんて。
本編では完成した大人として描かれる人たちの迷い。
早苗や香織だけでなく、取り巻く登場人物たちの思い。
少女たちはいつしか大人の階段を登り始めて。
自分のことだけでなく、他者のことを考え始める。
本当の強さとは。優しさとは何か。
剣道というスポーツと剣術という格闘技の違いは何か。
ただの青春スポーツものと思っていたら意外とほろりときます。
恋愛小説としても楽しめる連作の短編集という感じです。
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やっと文庫本でた~‼シックスティーンとセブンティーンも文庫本買っちゃたから、これだけハードカバーはやだったんだよね…
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最後はグランドホテル形式。主要登場人物の一人語りが回り灯篭のように繋がって行く。二人の最後の夏をもっと読みたかったとの意見が多いのもわかるが、個人的にはこれで良かったと思う。名作と言われる作品の中にも、主人公を際立たせる為にだけに作られたような脇役が登場する場合が多い。私は小説でもドラマでも脇役の人生が気になるタイプだけに、二人と共に青春を生きた彼女・彼らの視点が読めて満足。小説は主人公達の為だけにあるのではない。確かに青春には少し重すぎる話があったのは事実だが。次はAge25か?暫しの別れぞ 今さらば♪
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武士道ティーンシリーズの完結編。
内容は完結編に相応しくインターハイで幕を閉じる。
スピンオフも多いので、前作・前々作を読んでいないと内容についていけない。
舞台が横浜市営地下鉄の中川、学校は桐蔭学園、自分の地元なのでイメージしやすかった。
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いろんな意味で盛りだくさんの完結編だった。
香織と早苗の選んだ道も、彼女たちを取り巻く人達の選ぶ道も、様々な苦しみや悩みを味わい、ドロドロとした胸の内を感じながら、ようやく見出した道であった。
そういう生き方は読んでいるこちら側に活力を与えてくれると思っている。
よい本であった。
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主人公である香織と早苗の二人の成長と活躍だけでなく、本編の合間に挿入される、これまでにもお馴染みの脇役たちのサイドストーリーにより、一層、このシリーズへの愛着が増す一冊となった。
そして、この本の中で最も印象に残ったのは、そのサイドストーリーの一つで述べられた「シュハリ」ー「守破離」だ。
恥ずかしながら、未だ自分のスタイルを見出せない、というより自覚できない自分にとって、18歳の彼女たち同様に考えさせられる言葉になった。
叶わない話をいうなら、剣道をやっていた頃にこのシリーズを読みたかったと切に思う(^-^)
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こんな熱血青春時代を過ごしたかったなーと思ってしまい、とてもノスタルジーな気分に浸れます。こんなにキャラ濃い人間はいないと思いますがw
読みやすくて、続きがどんどん読みたくなる。ナインティーンでないかなー。。。
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やっと文庫化されたので早速読んだ。皆さんが言うようにキャラクターの設定と青春期のほろ苦い心情が素晴らしい。しかし剣道の経験者である私は試合中の視点や気持ちなどが抜群にリアルな事が何より楽しくてあっと言う間に読み終えた。本編に絡む登場人物の話も途中途中で登場し世界が1本に繋がったような爽快感が味わえる。続きが執筆されるか分からないが著者のファンとして待ち続けようと思う。
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このシリーズは毎回泣いてしまう。
自分が剣道やってたからなのか、青春に弱いのか。作者のおかげは当然やけど。
今回の桐谷道場の話が結構印象的だった。それが後半で、吉野先生と繋がったのも嬉しかったり。この2人が再会してほしいし、そこには磯山と甲本も勿論いてほしい。
磯山の剣道もレナの剣道も、ホントの桐谷剣道を知れば納得だった。
ってか、剣道がとても奥深かいということに、関わった者としては嬉しかった。
私も、早苗のいう「和」の感じとか、「武士道」とかが好きな感じは分かるなー(笑)
ちょっと日本人としてはその感じ大事にしたいなーって、他の競技の人達より思ってると思う。
人として大切だと思う。
ナインティーンじゃなくても、でてほしいなー。
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ついに香織と早苗も最終学年。ふたたび対決するチャンスを得るものの…!?
終わりはすごくあっさりしていたが、かえって2人の人生まだまだこれからだなって思えて私は好き。
二人の武士道追究は高校を卒業しても続いていくのだろう。
それにしても最後までドタバタしていて2人らしい。
お姉ちゃんや先生の話がはさんであったのもよかった。
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剣道なんて中学の体育でやったくらいですが、夢中になって読みました。剣道に対して対照的な想いをもつ2人の女子高生。2人が出会い、戦うなかで、お互いの想いが鮮明になっていきます。しかし、そこで離れるわけではなく、ともに歩んでいく。こんな関係、とっても素敵だと思います。剣道経験にかかわらず、楽しめる一冊です。