紙の本
赤裸々に語られる「やりがいの搾取」
2017/04/28 02:25
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投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の内容を一言で表すなら「やりがいの搾取」から脱出
漫画は文化であり文学としても、絵画としても芸術の域に入ってきているとおもう。
物語の構成力の確かさが映像化にもつながっている。漫画のこまを映像化した「ピンポン」などの映画もあった。アニメーション化され、海外に熱心なファンがいて、外貨も稼いでいる
しかし、「海猿」や「ブラックジャックによろしく」など映像化された作品を描いている著者のような「売れっ子」漫画家でも、漫画の再生産をするのには、経費的にかつかつであるらしい。
出版社が漫画家を「育ててやっている」「雑誌に載せるだけでもありがたいと思え」的な対応のなか著作権問題でもトラブルがある実情も語られる。
おりしも、出版不況。発表の場がなくなることへの危機意識から、著者は独自の道を模索する。オンラインでの漫画販売だ。その初期の顛末も後半細かに語られる。
結構赤裸々。
紙の本
でもね、と思う所もある。
2016/03/06 23:14
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投稿者:メロリーナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラマにも映画にもなっている作品の作者さんの内情の現実に驚きました。実際読者の想像より生活が厳しい漫画家さんが多いのだろうとは思いますが、皆がここに書かれているような目にあっているわけではないですよね?そう思いたいです。作家さんを大事にしている出版社や編集さんたちもいますよね?ここに書かれているようなヤな人たちの方が多いのか、よくわからないですが。あまりにも作者が周りの人に恵まれてないような、そういう部分しか書かれていないのか、うーん。。。しかし自分でどうにかしようと新しい事にチャレンジしていくのは素直に凄いと思いました。ただ紙の本がなくなるのはヤだなー。作者は青年向けの漫画だからいいけど、クレジットカードどころかスマホさえ持てないチビっ子とか(子供の頃皆で回し読んだの思い出すなあ)今はかなり年配の方でも漫画を読まれるので、本がお店で買えない、というのは辛いよね。
紙の本
漫画貧乏
2012/09/30 11:22
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投稿者:のんびり屋のカユ - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の佐藤秀峰氏は「ブラックジャックによろしく」で爆発的に売れた経験を持ち
さらに編集部と、かなりゴタゴタを起こしたことで有名
本書はそのゴタゴタの軌跡と
なぜそうしたのか、どういうことをやっているのか
という中間報告のような本
行動理由の主たる原因は題名通り、お金に苦しめられる貧乏からの脱出。
集英社の少年ジャンプにバクマンという漫画の冒頭で
主人公の叔父は売れない漫画家から這い出そうとした無理が祟って
失意の中ズタボロになって死んでいった、とあったが
それに現実味を帯びさせてくれるのが本書ではないだろうか。
紙の本
漫画業界の惨状
2021/12/17 20:31
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投稿者:絶望詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本には、漫画家の待遇の悪さに関することが書かれている。
出版社の漫画家に対する杜撰な応対に憤りを覚えることだろう。
それに対して、どのように佐藤秀峰氏が抗うのかに注目してほしい。
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漫画家は原稿料では生活ができない。
それどころか、連載を続けるほどに赤字となり、打ち切られたあとに残るのは借金のみ。それを「連載貧乏」と言うらしい。
バカげているけど、悲しいことに、なぜか耳慣れたような話でもある。
疑問を感じた著者は、システムを変えるために行動を開始。出版社とかけ合って行くうちに、虚ろで不条理な実態が続々と出てくる。
たとえば、原稿料の「定義」も、印税が固定である「根拠」も、「ない」のだという。んなアホな……。
これからも面白い漫画が読める人生を望む人は、ぜひご一読を。
著者が立ち上げた「漫画 on Web」で、ガッツリと試し読みもできます。
【漫画 on Web】
http://mangaonweb.com/
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映像化された作品は見たことがあるが、原作の漫画は読んだことがなかった。店頭で見つけて、何となく読んでみた。
漫画の現場は予想以上に過酷なのですね。
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出版社と漫画家の関係性を漫画家からの視点で赤裸々に告白。漫画に賭ける凄まじい執念というか、脱帽。
ただ、漫画が好きじゃだめなんだよな。
読んで改めて漫画出版と漫画家のあり方を見直すきっかけになりました。てか、出版業界衰退につくづく肌で感じる。
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漫画かと思ったら大半漫画じゃなかった。漫画コーナーに置くなよ!
でも内容は面白かったです。
もっとも佐藤さんの一方的な言い分とも読めるので、どこまで同情するか複雑なところですが。
という感想とは別にして、クリエイティブな仕事でありながら締切に追われるって確かに大変だなぁ。山下和美さんの「数寄です」と合わせて読むと、つくづく漫画家って大変。
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どこまで本当のことなのか、という問題はあるにしても面白かった。
『海猿』『ブラックジャックによろしく』などで知られる佐藤秀峰さんによるエッセイ。内容自体はツイッターやWebで語られていることを、再度まとめたような感じ。語り口は面白いし、リアルな「バクマン」漫画も読めるし、なかなか価値のある本だと思う。
帯には「10年後も漫画はあるのだろうか?」とあるように、赤字体質の漫画雑誌の状況、出版社との契約(おもに原稿料)の不備、Web漫画立ち上げのあれこれの理想と現実……などなどが切々と語られている。特に、原稿料については大手出版社であっても口約束と搾取の構造で成り立っているようで、これは漫画という出版社の主力商品に対する姿勢としても恐ろしいことだと思った。ぺーぺーの三流漫画家ならともかく、それなりに名のあるタイトルを持つ漫画家であるなら、原稿一枚にかかる原価を計算して原稿料を出してあげるべきだよねぇ。それがなっていなかったという不思議。
要するに、ここに書かれていることは「破綻したビジネスモデルの物語」なわけで、今は例えばワンピースが大人気とかで表面上は豊かに見えても、実は空洞化が広がっているのだということが良く分かる。でも、じゃあ新しいビジネスモデルを構築しようとしても、それを一から作り上げるには漫画家一人の力量では如何ともしがたい部分があるみたいだ。新しいビジネスモデル、というのは死屍累々の上に立つ一本の棒のようなものだから、現状がダメでも誰かが新しいアイデアを生み出すかもしれない。というわけで、進んで人柱になろうという佐藤秀峰さんという奇特な人を、私たちはみんなで応援してあげないといけないと思うんだよねぇ。
将来的にはオタキングこと岡田斗司夫がやっているような、個人の企業化みたいな形態が漫画家を支えていくような気がする。ファンが毎年千円でも1万円でも払って、その金で活動するような感じ。そうなるともはや漫画家ではいられないかもしれないけれど、一つの在り方だとは思う。とにかく日本の今の状況は、漫画業界に限らず「焼き畑」的な手法が罷り通っている。今が売れればいい、今が利益でていればいい、将来のことは知らない、というような状況。これも一種のバブルではないだろうか。もっと持続可能なシステムを作ることこそ求められているのに、誰もそこに手をつけたがらない。
この本を読んでみると、日本のクリエイターが置かれている立場がいかに過酷かが良く分かる。大手でさえ売れっ子漫画家にこういう態度に出るのだから、pixivに投稿している絵師なんて十把一絡げで使い潰そうとするのも当たり前のような気がする。これまでは市場そのものが右肩上がりで問題を叩き潰すことができたけれど、市場が右肩下がりになると問題を放置することもできなくなるだろう。でも、今のシステムに乗るのなら搾取の構図から逃れられないだろうけれど、もっと広い視野に立てば、別にこのシステムに乗らなくても自由に活動できるし、それなりに稼げるようになるとは思う。
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現役漫画家の出版システムへの挑戦。
タイトルにあるように、漫画家は一般的に儲からないらしい。斜陽産業である出版業界の中でどうやって漫画文化を守り育てて行くかと筆者の奮闘が、既得権益者との軋轢や時代の潮流を背景に、綴られている。
クールジャパンの筆頭である漫画が、古臭く無駄・無理がまかり通るシステムで成り立っているのに、それを世界にアピールとか言ってる厚顔ぷりに落胆してしまう。
この本も筆者のサイトで電子媒体で購入したが、筆者の筋を通す姿勢に好感を持ち、今後も応援したくなった。
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出版社には出版社なりの言い分があるのだろうが、出版社が漫画家を”搾取”している構図であることは間違いない。
Win-Winの関係でない限り発展はないにも関わらず、出版社が優先的地位の濫用を続けている限り、現在のジリ貧状態はむべなるかなである。
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小さな頃から漫画が大好きで「いつか絶対漫画になってやる」と心に決め、23歳ぐらいで初めて原稿に描いた漫画を集英社に持ち込んだ。ボロクソに言われるかと思いきや「何か才能的なものは感じる」風なことを言われ、普通なら喜んで更に漫画家になろうと決意を固めるのでしょうが、私の場合は満足してそこで試合終了した。それでも心のどこかで「あの時、漫画家を本気で目指していたらどうなっていたのだろう…」とノスタルジックな気持ちになることも多々あったのですが、この本を読んで、やはり漫画家にならなくて正解だったと確信しました。
それほど現実は厳しい。生半可な私の決意では簡単に折れて路頭に迷っていたでしょう。あの誰もが知ってる映画の原作者である著者がこれほどの苦労を強いられていたとは露程にも思わなんだ。
漫画家を目指している人にこそ読んで欲しい一冊。
あなたはこれを読んでもまだ漫画家目指しますか?
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ドラマ化もされた「海猿」「ブラックジャックによろしく」の作者が、漫画界を憂い自分の描きたいマンガを世に送り出すためにWEBサイトを立ち上げた過程を書いたもの。
作品へのこだわりを主張し、漫画家としての権利を訴えるために戦っているなぁという印象を受けた。
編集により作品のセリフが改ざんされたり、勝手に作品の二次使用が許可されていたりといった問題点や、経費を差し引くと赤字になってしまう原稿料の話などが興味深かった。
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漫画家と出版社のリアルなお付き合いがよくわかる一冊。
詳しくは
http://kazlog.blog.so-net.ne.jp/2012-08-02
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本の内容的に、私も共感した部分もあれば、ちょっと違うんじゃないかと思った部分もあります。
若干、客観性というか意見の多様性というかが少ない気がします。
少人数で企画・編集・出版した本、良くも悪くも若干独白気味という気がしました。
論理的に書いてはいるのですが、こう、なんか、そんな印象を受けてしまいました。
しかしながら、漫画家の実態が少しわかった気がします。
連載ものでは赤字。
コミックの印税が入るようになれば生計が立つ。
アシスタントは徒弟。
編集部は高飛車。
といった感じ。
編集力というのは非常に曖昧だが、一つ言える事は
会社に属している編集員はリスクをほとんど負わないということ。
自分が担当した本が売れなくても給料は貰える。
しかも相当高給らしい。
本書で紹介されているサイト:漫画 on Web
払ってもいい金額:900円